クラシックな音楽的生活

日々、家の中にヴァイオリンとピアノの音が流れています。

卒業実技試験 その4

2020-01-13 | 下の娘ごと

卒業実技試験に対する本人の気構え、本気度は

もちろんですが、E先生のそれに対する責任感、

おそらくは使命感のようなものもまた通常より

一際強いものとなり、毎回のレッスンは密室の

中で行われる二人きりの死闘のようなものとな

りました。

娘にとっては、毎回のレッスンが全て悔し涙に

れるものでした。

最後の2ヶ月間、特に直近の1ヶ月間は、身体中

に負のオーラをゆらゆら漂わせて、気軽声を

掛けることも憚られ、話し掛ける時には一言一

言に非常にを遣いました。

一日中ひたすらピアノに向き合っているという

わけではく、大学の練習室で数時間、家でも

間を練習するというスタンス。

集中力が切れたら止める。

ピアノを弾いていない時は、スマホをいじった

り、読書をしたり、クラシック以外の好きな音

楽を聴いたり、絵を描いたり、ぼけーっとして

いたり、音大以外の友達と会ったりと、気分転

換もうまくしているよに見えつつ、どれも心

から楽しんでいるという感じでは全くありませ

んでした。

静かに一人おとなしく苦しんでいるという感じ

で、イライラ感や不安感をわかりやすく外に発

する上の娘とは正反対。

言葉なり態度なり、少しでも外に発すること

できれば、その時だけでも少しは楽になれると

思うのですが。

本番がだいぶ近づき、練習を重ねても重ねても

思うように弾けず、ストレスマックスとなった

る時、一度だけ、今の心の有り様を、真っ直

な目で、冷静に、深い部分まで、しっかりと

話してくれました。

感情的になることは一切なく、静かにとうとう

と。

涙が頬を何度も伝っていましたが、あまりに声

が平常心なので、見なければ気付かないほど。

この子は、こんなにも不安と焦りで心が押し潰

されそうになりながらも、自分を見失うことは

いんだなと、改めてびっくりしました。

その時に、きっとこの子はこの子なりの解決法

を見つけて、本番はこの子なりにやり遂げるの

だろうな、と確信しましたが、まあせっかく

ので、私は私で上の娘にはいつも非常に心に

くらしい自論展開しておきました😙

あの時こういう時間を持てたことは、とても大

切だったと思います。

迎えた本番。

7年間の集大成として、彼女らしい、彼女にしか

出せない、彼女だけが持つ、まさに彼女の音楽

というものを聴かせてくれました。

もちろん本人の言い分はたくさんあります。

あれこれダメだった点を挙げていましたし、実

際そうなのでしょう。

でもそんなことはどうでも良いのです。

そんなことは何の問題でもない。

審査員がどんな点数を出そうが知っちゃこっ

ちゃない。

私が100点をあげたいと思います。

私にとっては世界最高峰に美しく、琴線に触れ

素晴らしい演奏でした。

それで十分、それが全てです。