直木賞を始め数々の文学賞を受賞されていて、
ずっと気になっていた作家さんだったにもかか
わらず、これまで一度も手に取ったことがな
かったというのが自分的にはちょっと意外。
手に取ったことがないというのは少し違って、
むしろ気になって本屋さんで何冊か手を伸ばし
たことがあるのですが、題名の印象に惹かれて
手にした数冊がことごとく短編小説で、長編好
きな私としては読む気持ちにまで至らなかった
というのが正直なところ。
「紙の月」は長編だったし、数年前に映画化さ
れ話題になっていたことを思い出し、よし!こ
れにしよう!と、ようやく読むことを決めたの
でした。
しかしながら、半分ほど読んだところで、ギブ
アップしそうに。
というのも、私が主人公にあまりにも寄り添え
ない…
まあ、寄り添う必要はないのでしょうが、彼女
の思考や行動をどうにも理解できず、ひたすら
ムカついてしまうという😩
それでも、角田さんの文章は流れるようにきれ
いで読みやすいですし、構成もわかりやすいで
すし、すべての場面が完全に映像となって再現
できる程、細部にわたって緻密です。
なので、ここでやめてはもったいない!と、な
んとかその先も読み続けました。
にもかかわらず、主人公のこれまでの人生に関
わる登場人物にさえ、誰1人寄り添える人がいな
いという衝撃。
ちょっとでも日を空けると途端に読まなくなり
そうだったので、優先して読むようにし、翌日
には読み終わりました。
結果とても面白かったです。それは本当。
やっぱり細部に渡って書き込み方が凄いです。
最後までしっかり読んで良かったと思う。
米粉の黒胡麻きなこマフィン。
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