1993年に、世田谷美術館で開催された『パラレル・ビジョン‐20世紀美術とアウトサイダー・アート』で、ホロコーストの犠牲者を扱った作品「聖遺物箱」を見て衝撃を受けて以来、クリスチャン・ボルタンスキー(仏)はずっと気になっていた。もうすぐ終わるその回顧展に、漸く行けた。撮影禁止エリアにあったが、「聖遺物箱」も再び見ることができた。/90年代には、ブラザーズ・クエイ「ストリート・オブ・クロコダイル」、ヤン・シュヴァンクマイエル「地下室の怪」「男のゲーム」、ソクーロフ「セカンドサークル」、Art Zoyd、Devil Doll、Portishead等々、暗鬱で怪異な映画、アート、音楽、小説、漫画を意識的に探し求めていた。/多くの芸術家が、「人や動物、あるいは物質の死」を、アートというオブラートで丁寧に包み込み、時には静かに物悲しく、時には激しく派手派手しく、私たちの面前に提示してくれる。それらにじかに触れた時の、鳥肌の立つほどの衝撃が記憶として残る。記憶は経年劣化するが、消えはしない。そういう衝撃の積み重ねが、人生を確実に豊かにしてくれる。そこにしかないものがあると分かっているから、また美術館に行きたくなる。/BGV:『ボルタンスキーを探して』(アラン・フレッシャー監督、ユーロスペース、1999年。)
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