犬鍋

テレビで『猫鍋』というのをやっていた。『猫鍋』と言っても猫を食べるわけではない。狭いところや丸みのあるところの好きな猫が、お鍋に入って寝たり遊んだりすることなのだ。寝ている姿は、なんとも可愛らしい。
そういうものを見ると、やってみたくなるのが私だ。
クロは以前、洗濯かごに入って寝ていたことがある。ということは『犬鍋』も期待できる。

「さぁ、君たちのために、こんなものを用意したよ」
「何これ」「状況がよくわからないんですけど」


「目の中に入れても痛くないほど可愛い君たちだが、これからの季節、食卓にたびたび登場するお鍋に君たちが入ることには抵抗がある。だから、いろんなものを物置から探し出してきたんだよ」
「これ、前にが咲いてた鉢だよね」「これは洗面器」

「いったい、どうしろっていうんだろう」「さっぱりわかんないね」

「ささ、好きなのに入って」「どうすりゃいいのさ」

「も～。そんなことより、遊ぼうよ～」　　コロは去ってしまった…。
「行ってしまうなんて冷たいじゃないか」


「ほらほら、せっかくいい大きさの物を探してきたんだからさ」
ひとり取り残され固まるクロ。

結局、クロも入ってくれず『犬鍋』はできなかった。
「後ろ姿は黒猫なのに『猫鍋』のようにはいかないんだね」


今度、実家に行ったとき、使っていない土鍋でも探してこよっと。
やっぱりお鍋じゃなくちゃ、入ったとしても可愛くないよねっ。

Welcome Winter

昼食後、コロたちとでかけようと思ったが、風が強くなってきた上に時々雨が降りそうな雲が出てきて寒くなってきた。
なので、予定を変更し、園芸＆ペットのお店の見物に出かけた。
園芸店の中は、クリスマスの飾りが所狭しと並べられ華やかだ。

我が家は、特に家の周りをイルミネーションで飾ることはない。
が、去年「Welcome Winter」のスコップを花壇にさしたことを思い出し、さっそく帰宅後、物置から引っ張り出してきた。なかなか可愛い

庭についてきたクロにも見せる。一応、匂いを嗅いでみたが興味はなし。
当然だ。食べれられないし…。

「スコップよりこっちのがいいよ」「それも食べられないんですけど」

定位置

早朝の空。キレイな朝焼け。が、こんな時はあっと言う間に過ぎ、そのうち一面の雲。時折、小雨まで。そして寒い。

こんなに寒いと、やっぱりストーブ。そしてクロの好きなコロの背中。
「ここがいいの」 「定位置だね」

でも、いつもとは違う。クロはしゃっくりをしている。
「しゃっくりしてんの？寝れないんだけど」

「じゃあ場所かえるからさ」

「よいしょっと」　　　「顔ふむな～」

「ここも大好き」 「定位置だもんね」
「いつの間にか、しゃっくりとまってる」


コロの体はクロの枕。まるで定位置のように同じ場所に頭をのせる。
数日前にも、全く同じような写真を撮った。安心できる場所なんだな。