東京にいるパパ。私も昼頃の新幹線で向かう予定だ。「ひとりで東京に行けるの?」「行けるさ。新幹線でぴゅ~ってね」
そう、東京駅までは行ける。が、問題はそこからだ。東京にある街の名前はいろいろ知っているが、そこがどこにあるのかは全く解らない。なので、東京行きが決まった時点でガイドブックを買ったのだ。買っただけで、置きっぱなしになっていたのだが。
2時頃には東京駅に着く。パパとの待ち合わせは5時。場所は池袋だ。池袋ってどこなんだ~。勉強しようとしているのに、黒いアンモナイトがコタツに潜り込む。
パパは「六本木でも行ってみたら?」と言っていた。どこよ、六本木って。本を開いているのに、おかまいなしに邪魔する者アリ。
東京に行くのはとても楽しみなのだが、地理が頭に入っていないだけに考えるのが面倒だ。東京駅に私専用のまたはがあり、行き先を言えばそこまで連れて行ってくれるとありがたい。「そんなものあるか~」
久しぶりにコタツを出したので、大興奮のコロたちは、座っている私の周りをものすごい勢いで走り回り、そのうち猛スピードで部屋を出て行く。「あたしたちの写真ばっか撮ってて、全然頭に入ってないの知ってるもんね~」
出て行ったコロたちが他の部屋で何かをひっくり返し、また猛スピードで戻ってくる。見に行くと、走り回った勢いでゴミ箱がひっくり返っていた
「あのね~、落ち着いて勉強したいわけよっ。静かにしてくれないかな~」「本当に勉強する気あるの?」「地図っていうより、食べ物のページばかり広げてない?」
あ~ぁ、おのぼりさんひとりで東京見物できるのかなぁ。本を広げても、美味しそうなものの写真ばかりに目がいって、地図が頭に入らないし。何年か前に渋谷に行った時は、あまりの人の多さに、おまつりがあるんだと勘違いしたほどだしな。今頃になって、ちょっと不安になってきた。走り疲れて眠くなったコロ・クロ。私も眠くなっちゃったよ。まぁいいや、明日、新幹線の中でどこに行くか考えよっと。