『JPT みやだクリテリウム』
カテゴリー:ジャパンプロツアー
開催地:長野県宮田村
開催日:2015年8月30日
出場選手:入部正太朗、木村圭祐、秋丸湧哉、横山航太、小山貴大、水谷翔(ユースクラス)
『Jプロツアーみやだクリテリウム』にて、入部キャプテンが優勝しました。
2年前、このレースにてJプロツアー初勝利を挙げた入部は、この日も勝利を強く意識しスタートラインに並びます。前半、無駄な消耗を避けるため慎重に進めることを前日のミーティングで確認していましたが、レース序盤自身の判断によりアタックを仕掛けます。この動きにより形成された6名の先頭集団は強調し先行、後方から追い上げがあったものの先行集団は屈指の実力者ばかり、残り周回を重ねるごとに逃げ切りが濃厚になりました。ラスト1周で再度単独アタックを仕掛けた入部は力強く独走、追い上げる5名の集団はたまらず分断します。入部はこの日無類の力を見せ、誰もが認めるレース運びで独走勝利。今季、チームにJプロツアー初勝利をもたらせてくれました。
また、ユースクラスタには水谷翔が参加、レース中盤の逃げを見逃し、追い上げましたが惜しくも2位に終わりました。
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以下、シクロワイヤードより
長野県宮田村でのJプロツアー2連戦。2日目は7回目の開催となったクリテリウムだ。
田園地帯の公道に設定された1周3.2㎞のコースは、直角コーナーが連続するためストップ・アンド・ゴーを強いられる。それゆえ必ずしも集団が有利とは言えず、逃げが決まると差を縮めるのは容易ではない。
この日の天気は曇り時々雨。山の天気よろしく、急に降ってきたと思うと急にやむの繰り返し。午後にかけてやむ間隔が長くなり、決勝がスタートする午後にはコースのほとんどが乾いた状態になった。しかしレース終盤には路面を再び濡らすほどの雨が降り、強い風と22℃というこの時季としては低い気温と相まって選手を苦しめた。
悪天候にもかかわらず、地元宮田村の歓待ぶりは例年通り。レースの合間には宮田村のご当地アイドル「パラレルドリーム」のコンサートや、キッズのストライダーレースも行われた。
入部正太郎がプロ初勝利の地で逃げ切り勝ち
2組に分けて行われた予選を勝ち上がった50人が出走したP1決勝は、10周回32㎞。
スタート直後からチーム右京勢が代わる代わる先頭に立ってペースを上げ、集団は1列棒状で進行。2周目、コース唯一の登りで入部正太郎(シマノレーシング)が飛び出し、これをきっかけに6人の逃げ集団が形成される。
メンバーは、入部、鈴木譲(宇都宮ブリッツェン)、窪木一茂(チーム右京)、佐野淳哉(那須ブラーゼン)、アイラン・フェルナンデス(マトリックスパワータグ)、リカルド・ガルシア(キナンサイクリングチーム)。
独走力のあるメンバーが揃った逃げ集団は協調して周回を重ねる。中でも佐野が強力な牽引を長時間する事もあり、メイン集団との差は最大で40秒まで開く。
後半に入ると、メイン集団ではマトリックスパワータグがコントロールを開始。全員が集団の前方に集まってペースアップを図る。しかし、残り周回が減っていく一方で逃げ集団との差は縮まらず、30秒差のまま終盤を迎える。
先行する6人の逃げ切りが濃厚になった残り2周、最終周回に入る直前のホームストレートで入部がアタック。「正直、やばいとは思わなかった」という窪木をはじめ、他の5人は反応しない。「最後はヒヤヒヤしながら逃げた」と言う入部だが、10秒前後の差を保って独走。最後は窪木に差を詰められたものの、1周を逃げ切ってガッツポーズと共にゴールラインを越えた。
「直角コーナーが多いクリテリウムは得意。このコースは相性の良さを感じている」と話す入部。「6人で逃げ切れそうになって、このメンツでスプリント勝負になったら勝ち目はないと思ったのでアタックした。窪木選手を連れて行きたくなかったので、先頭交代のタイミングで彼の番手から仕掛けていったら誰もついて来なかった。うまく他の人の裏をかけたのが良かったと思う」とは、シマノレーシングのキャプテンでもある入部。
「今年のチームは若い選手が多いので、彼等に教える立場として勝利が欲しかった。今回の勝利は良い刺激になると思う」とも語った。
野寺監督は「入部は実力があるけど、2年前にここで初優勝して以来、うまく力を発揮出来ずにいた。今日は自ら仕掛けて勝ってみせたので、彼自身にとってもチームにとっても本当に良かった」と、入部の勝利を賞賛した。
一方、昨年に続き2位に終わった窪木は、最後は入部に拍手を送りながらゴール。「残り1周あれば捕まえられると思っていたが、逃げていた他のメンバーが自分が思っていた以上に疲弊してしまっていた事が誤算だった。良いメンバーで逃げが決まったところまでは良かったけど、最後のツメが甘かった」と、敗因を語る。「1位の副賞が宮田村の特産品がたくさんもらえるので、なおの事勝ちたかった」と言い残し、翌日からのナショナルチーム合宿のため修善寺に向かった。
結果(E1、E2、E3の決勝は、ポイントレース方式で争われた)
P1クラスタ 32㎞
1位 入部正太郎(シマノレーシング) 48分49秒
2位 窪木一茂(チーム右京) +2秒
3位 リカルド・ガルシア(キナンサイクリングチーム) +9秒
4位 アイラン・フェルナンデス(マトリックスパワータグ) +10秒
5位 鈴木 譲(宇都宮ブリッツェン) +10秒
6位 佐野淳哉(那須ブラーゼン) +13秒
Jプロツアーリーダー 畑中勇介(チーム右京)
U23リーダー 新城雄大(那須ブラーゼン)
Yクラスタ 22.4㎞
1位 日野竜嘉(松山聖陵高等学校) 36分54秒
2位 水谷 翔(シマノレーシング) +42秒
3位 石原悠希(栃木県立真岡工業高等学校自転車競技部)
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