友岡雅弥さんは、執筆者プロフィールにも書いてあるように、音楽は、ロック、hip-hop、民族音楽など、J-Pop以外は何でも聴かれるとのこと。
上方落語や沖縄民謡にも詳しいようです。
SALT OF THE EARTH というカテゴリーでは、それらの興味深い蘊蓄が語られています。
いくつかかいつまんで、紹介させていただきます。
カテゴリー: SALT OF THE EARTH
「地の塩」という意味で、マタイによる福音書の第5章13節にでてきます。
(中略)
このタイトルのもとに書くエセーは、歴史のなかで、また社会のなかで、多くの人々の記憶に刻まれずにいる、「片隅」の出来事、エピソー ド、人物を紹介しようという、小さな試みです。
2019年1月21日 投稿
友岡雅弥
2005年、国際航空貨物大手であるDHL(世界最古にして最大の物流企業)は流通網を再編し、ウィルミントン空港を全米流通網のハブ空港としました。
従業員および関連する雇用により人口が増加し3万人の町となりました。町の未来は、順風満帆に見えました。
しかし、2008年のリーマンショック(2008年9月)をきっかけに、なんとDHLは撤退を決めたのです(11月)。
人口の3分の1にあたる約8,000人の雇用が失われました。致命的打撃です。巨大グローバル企業に依存した町の未来は巨大グローバル企業の撤退に拠って、一瞬に暗雲がたちこめたのです。
同じ、巨大物流企業UPSに来てもらったら、そのままのインフラが使える。いや、景気が悪いから物流はダメだ。じゃあどうする?
つまり、巨大企業や国などの支援を受ける町づくりは、このような突然の撤退もあるわけです。ならば、まったく新しいことを考えよう。
それでウィルミントンは何をしたかというと、五つのコンセプトを立てました。
Local Business
Local Food
Local Energy
Local Visioning
Local People
グローバルではなく、「ローカル」
国際的な変動に影響を受ける、グローバル依存型ではなく、「ローカル自立型」。
地元の歴史的建築物のリノベーション。
地元出身の大学生たちが地元に戻り、地元にかかわる10週間のインターンシッププログラムの実施。
「サードウェーブ」と呼ばれる物品販売より、交流とコミュニケーションにちからをいれたお店。
それで、美しい地方の、農業の町として再生していったわけです。
完全V字回復です。
世界から、見学者が引きも切らずに訪れる、町づくりのモデルとなったのです。
このお話には、個人的な続きがあります。
世界的には、有名な、このウィルミントン。日本の国内で、この町の名前を耳にしたことはありませんでした。大学とかでも、ほとんど教えられていない。
ところが、ある時から、ある場所で、頻繁に耳にするようになったのです。
東日本大震災後の岩手です。ウィルミントンを目標にしているというかたたちに、田野畑村や、岩泉、陸前高田、葛巻で、つぎつぎとであったのです。
実際、ウィルミントンにも行ってる!
地方と地方が、直接繋がっているのです。
未来は、こんなところから始まるのです。
【解説】
ウィルミントンについては、まったく知りませんでした。
ネットで調べてみると、アメリカには、ウィルミントンという地名が、オハイオ州とデラウェア州にあるようです。
ここでいうウィルミントンは、オハイオ州の方です。
ウィルミントン (オハイオ州)
ウィルミントンは、アメリカ合衆国オハイオ州南西部に位置する小都市。同州シンシナティと州都コロンバスという、2つの大都市の中間に位置する。人口は11,921人。
ウィルミントンは、2005年、国際航空貨物大手であるDHLは流通網を再編し、ウィルミントン空港をハブ空港化したことで脚光を浴びた。流通拠点としてDHLの従業員および関連する雇用者により人口が増加したが、2008年11月、不況のためDHLはウィルミントンの事業所群を閉鎖。このため約8,000人の雇用が失われ、ウィルミントン市および周辺の失業率は増加した。
(Wikipediaより)
地方の活性化を考えるときのモデルが、ウィルミントン (オハイオ州)なのですね。
勉強になりました。
友岡雅弥さんのエッセイが読める「すたぽ」はお勧めです。
獅子風蓮