「県政オンブズマン静岡(静岡県庁の光と闇)~よりよき未来のために~」管理人のブログ

注)teacupブログから移転の2022年5月以前の投稿には、文字コードの違いから多くの文字化けがあります。

静岡県水利用課、大井川広域水道企業団補助金不適切事務処理関係公文書の開示を拒否

2014-04-10 19:04:00 | 近況活動報告
昨日、コメントでお知らせしたとおり、静岡県の不適切事務で大井川広域水道企業団に1億2,840万5千円の国庫補助金が交付されなくなった一件の公文書について、全部を非開示にするとの県決定が届いたところである。

請求した公文書は調査の状況についての公文書ではなくあくまでこれまでに行われた事務に関する公文書であるが、これを非開示とした考えられる意図は、さきの監査での違法の事実上の黙認(奨励)や、今回の不祥事におけるメール改ざんの事実からも、県の意図と異なる不都合な情報の隠蔽・改ざんにあると見られる。国とのやり取りについては国への公文書開示により不一致は明らかにできるが、それ以外については防ぎようがないのが実に残念である。
なお、このように疑う一根拠として、今週末には、本県の事務処理がいかに組織ぐるみでの無法状態であるかを、ある委託事務に係る事実を示して紹介する予定であるので御覧いただきたい。

それでは、本日付けで異議申立書を特定記録郵便で送付したので、以下に非開示決定通知書とともに公開する。
<異議申立書>
・・・前略・・・
2 異議申立てに係る処分
貴職から意義申立人に通知された、平成26年4月7日付け(25)環水第254号の2 「公文書非開示決定通知書」に係る処分

3 異議申立てに係る処分があったことを知った年月日 平成26年4月9日

4 異議申立ての趣 上記2の処分は静岡県情報公開条例第7条第6号の適用に瑕疵があり、行政手続条例第8条に定める適法な理由提示の要件を欠いた違法な処分として、本件処分を取り消すとの決定を求める。

5 異議申立ての理由
本件「公文書非開示決定通知書」中の「開示しないこととした部分、その根拠規定及び当該規定を適用した理由」において、静岡県知事は62件の公文書の全て について、非開示の根拠規定を「静岡県情報公開条例第7条第6号」とした上 で、その適用理由として「現在、事実関係を含めた原因の調査・分析等を行って いるところであり、現時点で対象公文書を公にすることにより、当該調査・分析 等に係る事務の適正な遂行に支障を及ぼすおそれがあるため。」と主張している が、この適用理由についての主張は認めがたいので、以下に疎明する。
条例第7条第6号の規定中の「事務又は事業に関する情報」とは、あくまで「事 務又は事業に直接使用する目的で作成し、又は取得した情報だけでなく、これらに 関連して作成し、又は取得した情報」であり、その上で、当該公文書が「事務又は 事業の性質に照らして保護する必要がある場合にのみ非開示とすることができる」 ものである。
非開示とした62件の公文書は、県が現在行っているとする調査や分析等の事務又 は事業の以前に公文書として作成され、又は取得された文書であって、調査等のた めに作成又は取得された公文書ではないことから、条例第7条第6号の規定の適用対 象とすることには重大な瑕疵がある。
また、個々の公文書の性質を考慮することなく一律に非開示としているが、例 えば国からの内示の公文書などを開示していかなる支障があるのか不明であり、 加えて、 条例第7条第6号の規定中の「適正な遂行に支障を及ぼすおそれ」 につい て、条例は同号のア~オに具体例として5例を挙げ、その支障を「正確な事実の把 握を困難にするおそれ又は違法若しくは不当な行為を容易にし、若しくはその発見 を困難にするおそれ」「財産上の利益又は当事者としての地位を不当に害するおそ れ」「企業経営上の正当な利益を害するおそれ」などと、支障について具体的に例 示しているが、貴職の「公文書非開示決定通知書」中には個々の公文書について はもちろん、全部を非開示とした非開示規定適用理由中にさえ、これに類する具体 的支障が一切明示されておらず、本件処分は行政手続条例第8条に定める適法な理 由提示の要件を欠いた違法な処分というべきである。
よって、本件処分は、取り消されるべき処分である。

6 処分庁の教示の有無及びその内容
・・・後略・・・


<公文書非開示決定通知書の写し>
公文書非開示決定通知書の写し

県債残高のごまかし、朝日新聞報道で明らかに。そして空港新駅にJRまたもノー

2014-04-03 19:14:00 | ノンジャンル
今日の朝日新聞に興味深い記事があった。
静岡県が「財政の中期見通しと 健全化への取組」などで「臨時財政対策債は「実質的な地方交付税」とされているため、通常債から除外」などとし、「県債残高(通常債)は、いずれのケースも着実に減少し、目標の範囲内で推移」と、あたかも借金返済が順調に進んでいるかのように言っていることに、脚色がある疑いが出てきたからである。

記事によると、地方自治体が金融機関などから借りた資金を国が地方交付税で補填することになっているのが「臨時財政対策債」であるが、満期時に一度に国が交付税で補填するのではなく分割して交付税に含めて補填し、県はそれを借金返済用の基金に積み立てて満期時にその基金から返済するのが、本来あるべき仕組みとのこと。
しかし、静岡県は国から借金返済用に交付された地方交付税を基金に積み立てずに県事業に流用し、その不足額が平成24年度までに232億円に上っているとのことである。
その流用であるが、約半数の23道府県が425億円~7億円までの間で行っており、財政状況が厳しいとされてきた大阪府が425億円でトップで、福岡、千葉、山形、秋田、北海道、岩手がそれに続き、静岡県は第8位である。なお、静岡県の近隣の愛知、神奈川、山梨、長野の各県においてはそのような流用はないという。

そして、この流用額は当然、後世の県民の税金で補填しなければならなくなるものである。
違法ではないものの、総務省は「返済の先送りと言われても仕方ない」と手厳しい。

無駄遣いがやまず、予算規模が減らない本県の現状を考えれば、平成24年度末現在の流用額は今頃はもっと増えているだろうし、今後何年も増え続ける恐れがある。
くしくも、年間40億円以上の税金が空港事業に投じられ、はや空港開港から5年で200億円超。
まさに、空港なかりせば、である。

さて、その静岡空港の藁にもすがる思いで構想を打ち上げた静岡空港新幹線新駅であるが、先日の「静岡空港、基幹的広域防災拠点指定逃し、オリンピック空港新駅の野望潰える」で伝えたばかりのところに、追い討ちをかけるようなニュースが入った。
4月1日にJR東海の新社長に就任した柘植社長が、静岡新聞社などの共同インタビューで
静岡空港への新幹線新駅構想に対する考えはとの質問に 「困難だ。(設置すれば)駅の間隔が短くなり、ダイヤが組めない。周辺人口が少なく、利用者数の観点からも難しい」と述べたとのことである。
これまでにも同じことを歴代社長が述べており、同じフレーズからは、何度も言わせるな、という思いが見て取れる。

最近開示された委託関係の公文書等を見るにつけ、無理にでも空港(又は富士山)を絡めて事業、というより事業を委託して予算消化を行おうとする傾向が顕著になっている。機を見て効果的施策を打つ柔軟性が失われ、本来の目的と効果を望むべくも無いような委託事業がゴロゴロしている状態だ。利するのは県民への事業効果なんぞ気にしないでいい受託業者ばかりだ。
空港に人員を割かれ委託にばかり頼らざるを得ないことも一因である。
先日県が公表した、「県が旅券の改姓訂正を誤ったため、旅券所持者が成田空港で出国できず旅行を中止し、旅行解約料及び成田空港までの往復交通費等272,683円を賠償することで和解した」件においても、この事務を委託により行っていたため受託した業者がその額を県に賠償するということで県民が負担せずに済んだものの、これでは県(職員)は事業の正否に無責任で、事業をお金を払って付け回すだけの税金ばらまき屋でしかなくなってしまう。

さきの知事選で前知事石川嘉延の推した川勝の対立候補から、川勝が知事になってから財政・経済が悪くなったかのように批判がなされたが、忘れてならないのは川勝就任は静岡空港開港時期と重なる。県勢停滞、その原因はむしろ前知事の石川らが建設を推し進めた静岡空港にこそその原因があると思わざるを得ない。

平成26年度県予算「空港定期便拡充促進事業費」1億6,710万円

2014-04-01 19:08:00 | H26県予算評価
平成26年度の空港関連予算のうち、先日の「(空港)隣接地域振興事業費補助金」2億6,300万円に続いて、今日は「空港定期便拡充促進事業費」1億6,710万円について見ていく。



この予算は、予算の97%を占める1億6,180万円が、いわゆる使途の詳細を隠すために設立される補助金受け皿自称民間団体である「富士山静岡空港利用促進協議会」への補助金である。
独自の収入や活動はほとんどなく、公費補助金で活動している団体で、民間団体と称しているが、実質的には官営団体とも言いうる実態である。

実際、画像で紹介のとおり、1億6,180万円のうち、5,800万円が「富士山静岡空港利用促進協議会」の活動費・運営費に充てられ、残りの1億380万円がトンネル補助金という実態である。

その役人的利点は、
県が直接に補助すればどこにいくらと県民に公開しなければならないが、トンネル団体を通すことによって、実質的に税金の使途が隠されることになるのである。
また、県の職員が税金で海外交流すれば民間交流と宣伝できないが、この団体がこの補助金を使って海外交流すれば民間交流に化けるのである。

本日から消費税が8%に、3%UPされ、政府はその使途を全額社会保障に使うなどと言っているが、お金に色があるわけではなく、また、復興目的の予算を実質別の使途で使っていたように、とても信じられる状況にない。

まして、低所得者の国民にも負担増を求める中で、画像に紹介のように、静岡空港の利用を選択したというだけで、その利用の一個人に税金を投じ補助するなど、いかなる大義ありや。
そのようなことをいつまで続けるつもりなのか。

この「空港定期便拡充促進事業費」、県民生活のために知恵を絞る努力を放棄し惰性に流され続ける県行政を象徴する事業の一つである。

<予算調書>
「空港定期便拡充促進事業費」

<参考:昨年度の解説>
「平成25年度「空港定期便拡充促進事業費」179,700,000円」