テーブルを叩いて去りぬ飛花落花 ひとときは恋の残り香落花の日 ミニチュアの名無しの城にもある落花 落花落日あの闘いは続いている 大落花船団もぬけのからになり いっせいに隣家に向かふ飛花落花 東京の闇の明るさ余花終わる 余花ちるときもう人間には戻るまい 人工の滝も拒まず飛花落花 ある阿呆の一生落花のしきりなり
連翹忌またもこの世ではぐれけり これはジャニスのサマータイムと推定無罪 落花地点は無数に どれが私かわからぬ 冬林檎を剥いても肉も骨も見えず 海へにげても空へにげても帰るところはひとつ 平成はまだ始まったばかり海のそばでむほん 白兎は白のまま巨大な不幸を語る ここまでは人猿ここからはキャシャーンの支配地 北乃きいは空中から「第三の性」を取り出した ふらここの交差す私の抜け殻が散乱