【俳壇ファッショ】新人賞という名の旧世代の排除は是か否か？/新俳句入門（１４）

俳句総合誌のどこを見ても、年齢制限のある【新人賞】が溢れている。当記事シリーズで前回書いた涼野海音さん（３５）など、今年の俳句四季新人賞まで４つも取っている。それが良いことか悪いことかは、親子ほど歳の離れた私には判断しかねるところである。もし私が親なら、子に対して俳句自体禁じていることだろう。俳句で自閉的に頑張ることが、人生そのものに有益だとはとても思えないからだ。本人もブログなどで、自身が【俳句オタク】であることを明かしている。オタクというのは悪い意味ばかりとは限らないので何とも言えないが、仕事や恋愛・結婚などとの矛盾は否定出来ないはずだ。もちろん、何事も本人の勝手である。要は、それで歳のかけ離れた私を含め、他人を喜ばせることが出来れば言うことはない。しかし、ワンパターンの句柄や新味の欠片も無い安直な伝統への迎合は、ただただ有名になりたい、私生活における不遇を見返してやりたいという、現代に於いても一部の若者には反骨精神があるのだなという発見にはなるだろう。ただ彼の総合誌上の句群には、捨て難い《こころざし》の透明感のようなものが感じられる。それはもう痛々しいほどのものである。・・・《続く》