今日もピアノが鳴っている。
朝七時から、ただいま練習中のカノン。
「八歳の時。パッヘルベルのカノンをひく」
情熱大陸に取材うけてるつもりらしく本人によるナレーション入り。
1日に何回も弾く。ご飯と宿題と明日の支度とお風呂と寝るの合間に弾く。
好き
という感じでもないのだが、始終ピアノに触っているということは、好き、なんだろうな。
レッスンでは練習用の冊子の他に、もう一つ、発表会用に好きな曲を練習する。
一曲目のエーデルワイスも、今のカノンも、
家での様子は、最初はできなくて、ムシャクシャふて腐れる。すぐに止める。
でもまたしばらくすると戻ってきて、またぐずぐず癇癪をおこして止める。
でも、また、しばらくして戻ってきてまた癇癪。
を繰り返し、ある時いきなり今までよりすごく弾ける。
すごく不思議だ。
小さな階段をちょびちょび登って、爆発的にジャンプ!と、なる。
あー、弾けるようになった。すごいな!
と、思って譜面を見て驚いた。
4つしか音がないところを、八個タラタラタラタラと音をたくさん弾いている。
勝手にアレンジしとるやんけ!
仕方ない。末っ子にとって、ピアノは譜面とか先生とかレッスンとか発表会とかではない。
素敵に、もっと素敵に。そういう風に弾くと、自然とアレンジになっちゃったんだな。
まぁ、いいや。
今日もピアノが鳴ってる。鳴らすのは君。自由な君。