それで、メヒ子ちゃんを送り出したわたしたち(わたしと長男と末っ子)は、
なんだかポッカリしてしまったので、カラオケに行った。
日曜日の夕方のカラオケは、案外空いていた。
末っ子とはこないだカラオケに来たけれど、長男とは初めてだ。
長男は声変わり前はハッとするようなソプラノボイスで、その歌声は美しく澄んでいた。
声変わりをしたらいきなり低音になって意外だったけど、
高校の頃は弓道部と合唱部を掛け持ちしていた。
家でもよく歌っていて、サビでもない中途半端なメロディの部分を、壊れたレコードみたいに、何回も繰り返すのでかなりいい迷惑。
しかし、家で聞く末っ子のジャイアンリサイタルみたいな歌声も
こないだのカラオケではなかなかいい感じに昇華されていたので、
久しぶりに長男のちゃんとした歌が聞ける!と、内心期待して行った。
はじめは、わたしと末っ子の自分自身との真剣勝負スタイルカラオケに臆していた長男も、
その気迫にいつしか追い付いて、歌った。
うん。美しいね。癒しだね。
末っ子は、迫力迫力で歌い上げる。
その違いが、それぞれの性質そのまんまで面白い。
確かシュタイナーが、思春期には音楽が必要だって言ってた気がする。
うん。本当に。そうだよ。まるで自分自身が、音になるような感覚。
それぞれの音楽、がある。
全然違って、どちらも良いんだから、そういう事、なんだろう。