クラブボクシング@ゴールドジム湘南神奈川

普通、湘南辻堂といえばサーフィンなのにボクシングでひたすら汗を流すオッさん達のうだうだ話!

朴竜文庫 6(いなくなった私へ)

2016年02月19日 | 朴竜文庫
先週の水曜日、南北線は麻布十番駅近くの街の本屋さんで待ち合わせ時間を潰していました。

徒然がなるがままに手を伸ばした文庫が「辻堂 ゆめ(つじどうゆめ)」の「いなくなった私へ」でした。

裏表紙のあらすじを読んでみると、主人公が売れっ子女性シンガーソングライターで、ユニークで斬新な設定であることが気に入って、500ページ程の分量に少々気後れしながらも買ってしまいました。

買ってから気が付いたのは「辻堂ゆめ」というペンネーム。

「辻堂ゆめ」は1992年12月生まれ(女性)、会社員、神奈川県藤沢市辻堂出身。藤沢市立明治中学校を卒業。

2011年、神奈川県立湘南高等学校を卒業、藤沢市生涯学習特別貢献表彰を受賞・・・とこりゃあ、応援しなきゃなるまいという気になって読み始めたのです。

ところがところが・・・ 文庫の帯には絶賛の嵐が吹くまくっていてさぞや凄い作品かと思いきや、設定がユニークすぎて辻褄が合わなくなるのを修正しようというのか、そのために紙面が増えに増える、所謂「引っ張り過ぎ」となり、散漫になったところを最後には強引な手法を以て物語を終わらせた感が否めないように感じました。まあ、それはそれでアリなわけではありますが、

本好きのおじさんからすると、途中から薄く薄く気がついてはいたものの、まさか、そんな終わりかはしないよねー?と逆期待しながら読んでいたものを、ありゃまぁ~ やっぱりそうなのね?なんの捻りもないわけね。とがっかりしてしまうのです。

そうです。

「ミステリー」ではなく「メルヘン」または「ファンタジー」として読めば腹も立たないというものでしょうかね。


「ゆめ」は彼女の大学でのサークル(合唱・バンド)での愛称に由来するらしく、作品に出てくる「夢のトビラ」という曲は「夢のトビラは泉の中に」という作品からくるもの。

ギターの弾き語りが趣味ということですから、「いなくなった私へ」の主人公「上条梨乃」は自分自身のことなのかもしれないですね。

まだ24歳のゆめさん、文章、構成、表現、掘り下げ方もまだまだその年齢以上でも以下でもない等身大といった印象で、まさしくこれからの作家なんですね。