かどの煙草屋までの旅 

路上散策で見つけた気になるものたち…
ちょっと昔の近代の風景に心惹かれます

塔の魅力

2008-04-19 | まちかどの20世紀遺産
 塔のある建物の代表は、何と言っても中世ヨーロッパのお城ですが、日本の戦前の近代建築にも塔のある西洋館が見かけられます。空に向かって垂直に伸びる塔には、人をひきつける不思議な魅力があり、どこか怪しげで、ミステリアスな雰囲気が漂います。古城の塔に幽閉されたお姫様がヒーローに救われる物語のように、塔のある建物はそれだけで絵になり、建物にストーリーを与えてくれます。
 


旧諸戸清六邸(大正2年)
 塔のある西洋館には、美女と怪人と名探偵が登場する江戸川乱歩の世界が良く似合います。


◆片倉館(昭和3年) 諏訪市
 ドイツの温泉保養地をお手本にした欧風温泉施設。建物は塔のそびえる本物の洋館で、浴槽はプール並みの深さがあり、立って温泉に入浴できます。諏訪湖を訪れたら、ぜひ立ち寄って入浴してください。時を経た本物だけが持つ贅沢な雰囲気が味わえます。



中川運河松重閘門(昭和5年) 名古屋市中川区
 都会の中にそびえるクラッシクな塔は圧倒的存在感です。



旧昭和塾堂(昭和5年) 名古屋市千種区
 ちょっと不思議な無国籍なデザインの塔ですが、時代の記憶を刻んだ記念碑的な存在です。


旧井桁屋百貨店(大正13年) 西尾市
 荒れ果てた屋上庭園にそびえる塔が、過ぎ去った時代を語ります。閉店後永い間放置されていましたが、残念ながら解体されました。