平和橋から東へ向かい中川運河沿いを名古屋港へ下ると、国道23号線の高架の下に中川口閘門が見えてきます。中川運河は名古屋港と都心の旧国鉄笹島駅を結ぶ閘門式運河で、堀川の水運の能力に限界が生じたため、新たな物流幹線として昭和5年(1930)に竣工しました。閘門式とは、水門で仕切った区画(閘室)の水量調節により、水位の異なる河川や運河間で船を昇降させ運河内外へ通過させる仕組みで、パナマ運河もこの方式です。中川運河では、中川口閘門で船を運河に出入りさせると同時に伊勢湾と水位を隔てて、運河内の水位を一定に保つように設計されています。
中川運河には上流に松重閘門も設けられましたが、現在は埋め立てられ公園になっていて閘門としての役割は果たしていません。中川口閘門は現在も現役で活躍中で、大雨の際には海側に中川運河の水を強制排水し、市内の冠水を防いでいます。
■中川運河側から中川口閘門を望む(上は国道23号の高架)
■中川運河側の閘門
■閘室内運河側扉
■閘室内名古屋港側扉
■名古屋港側から閘門を望む~中央の緑の建物は中川口ポンプ所
■名古屋港側閘門
■中川口取水門
中川運河の水位調整用で7門の扉が設けられている(昭和48年ポンプ導入排水用→平成2年浄化用に)
■中川閘門から下流名古屋港側を望む~ガーデンふ頭の大観覧車と中川橋が見えます
撮影:2015/03/21
◆中川口閘門/名古屋市港区中川本町~熱田前新田
竣工:昭和5年(1930)
構造:鉄
◆中川取水門(旧中川口放水門)/名古屋市港区熱田前新田
竣工:昭和5年(1930)
構造:RC水門(石張)