かどの煙草屋までの旅 

路上散策で見つけた気になるものたち…
ちょっと昔の近代の風景に心惹かれます

四郷郷土資料館/旧四郷村役場(三重県四日市市)

2013-08-09 | 三重の近代建築

近鉄西日野駅から天白川沿いの道を西へ500mほど向かうと、右手に「四郷郷土資料館」の案内板があります。北側の丘陵に向かって坂道を登っていくと、白い木造2階建ての建物にそびえる立派な塔(望楼)に目を奪われます。

建物は大正期に四郷村役場として建てられたもので、この時期の公共建築によく見られる、2階建てのハーフティンバー風の木造建築です。立派な車寄せのついた玄関や、3階建ての威風堂々とした望楼は、当時の村役場としては破格な造りで、この村出身の財界人伊藤伝七(当時東洋紡績社長)が大金を寄付し完成させたものです。

伊勢室山器械製絲場(後亀山製絲室山工場)を創立した伊藤小左衛門もこの地区の出身で、幕末から醸造、酒造、製糸、製茶業などを創業、明治に入り発展を遂げ、四日市近代産業の発祥地として大きく栄えました。

現在旧四郷役場は四郷郷土資料館(毎週土曜開館)として再利用され、地域のシンボルとして大切に保存されています。
 

◆四郷郷土資料館(旧四郷村役場)/三重県四日市市西日野町3375
 竣工:大正10年(1921)
 設計:野田新作
 構造:木造2階建
 撮影:2013/05/04


■建物北側





■門柱には「四郷村役場」のプレートが残る



■建物南側正面



■車寄せのある玄関





■建物東南角には3階建ての望楼がそびえる



■資料館外観
      



■1階受付



■1階展示室


   



■階段


  

■望楼へ続く螺旋階段
 


■2階会議室


  



■2006/11/03撮影
 




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