失業中のくまはその日、うさぎと二人で
気晴らしのドライブに出かけました。
神社を目指して海岸線を走っているとなぜか
「またワンちゃんと一緒に暮らしたいねえ」
という話になりました。
そこで、うさぎが天に向かって言いました。
「神様!くまに仕事を、私に賢くてかわいい
ワンコロちゃんをお与えください!」
その直後のことです。道に迷ってしまったのは。
山道を15分程ウロウロして、結局元の場所に
戻ってしまった二人の目に入ってきたのは、
誰もいない道路脇の空き地を
チョコチョコ歩いている一匹の白い子犬でした。
車を降りたうさぎめがけて子犬は、
トットコトーッとまっしぐらにかけてきました。
とてもうれしそうに。
そして、うさぎの腕の中にスッポリおさまると、
ホッとしたかのようにウトウトし始めました。
2004年のお正月、夕暮れの事でした。
「 あの~。神様、お願いの優先順位が
違うんですけど・・・ 」と、
二人は思いましたが、その子犬は、
お正月の正の字をとって「正(しょう)」と
名付けられ、家族の一員となりました。
ちなみに、もうひとつのお願いは、
その2ヵ月後にやっと叶えられました。
おかげで正は、子供時代を暇だったくまの
愛情をたっぷり受けて過ごし、そしてくまと
大の仲良しになったのです。
ボク、アイお姉ちゃんから、
「地上勤務の依頼が来たけど、
あそこんちは、とても大変だから
私はもう行かないわ。
でも、あの二人のことが心配だからあんた
代わりに行ってちょうだい。」って
言われたんだぁ。
それでしかたなく来ることにしたんだけど、
いきなり知らないところに降ろされて、
とっても心細かったんだ。
すぐに依頼主に出会えてよかったよ~。 正
注・・・アイお姉ちゃんとは、先代犬の
シェルティのアイちゃんのことです。
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