前回の記事に書いた気の重いお出かけ先です。
この先もっと寒くなって道路が凍結すると通れなくなるから、その前にと思って出かけたのです。
途中から雪が降り出し、目的地に着いたころには吹雪になりました。
ガードレールにお皿が結びつけてあります。
保健所が来たんだ!
矢印のところ、
「パンはやらないでください。ドッグフードだけにして下さい」と誰かが書きこんでいます。
食べものをあげている人がいるようです。
秋に来た時にはこんな看板は何もありませんでした。
道路の反対側にも同じ看板が・・・
しばらくそのあたりで、口笛を吹いたり、わんちゃーんと呼んでみましたが、わんちゃんは出てきません。
しかたがないので持って来たジャーキーをお皿に入れて、
ひとまずその場を後にしました。
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初めてそのわんちゃんを見たのは5月のゴールデンウィークのころでした。
福岡県糸島市と佐賀県富士町を結ぶ山越えの道の途中、福岡県側の峠の少し手前の
道路脇に犬小屋がありました。
ドッグフードやお水が置いてあって、犬がおもちゃ代わりにしたらしいいろいろなものが散乱していました。
人里離れた山の中です。あたりには人家もなく夜は車も通らないであろう寂しいところです。
その道路脇にそのわんちゃんはまるで誰かを待っているようにじっと座っていました。
横にソーセージがおかれていましたので、誰か通りがかりの人が置いていったのでしょうか。
痩せてはいませんのでしたので、食べ物に困っている様子ではありませんでしたが、
こんなところに犬がいるわけはありませんから、きっと捨てられたのだと思いました。
首周りに何か紐か首輪かあるように見えましたが近づくと逃げるので確認できませんでした。
犬小屋は、捨てた元の飼い主が一緒に置いていったのか、誰か他の人が捕まえられないので、
かわいそうに思って持ってきたのかは、わかりません。
こんな山の中に一人ぼっちで連れて来られてどんなにさびしい思いをしているだろうと思うと
たまらない気持でした。
同じ捨てるでもこんな人里離れた山の中に・・・と怒りがこみ上げてきました。
連れ帰りたいと思いましたが、すぐに藪の奥に逃げてしまい、
その後も何度か行って試みましたが、捕まえることはできませんでした。
いろいろ調べましたがどこの保護団体も、見つけた人が保護してからでなければ
何もしてくれないということがわかりました。
何とかしてこのわんちゃんを助けられないかと思いましたが、保健所に連絡すれば、
殺処分になるかも知れず、迷いに迷ったあげく、テレビ局にこのことを投稿しました。
しかし、取り上げてはもらえませんでした。
長野峠越えの道は、北山湖や嘉瀬川ダムなどに出かけるときにはうさくま家からは一番近い道です。
それからは、この道を通ることがつらくなり、唐津まわりでずっと避けてきました。
しかし、秋に通った時、このわんちゃんがまだいることがわかりました。
しかも怪我をしたのか首のまわりに血が滲んでいるように見えました。
誰かが捕まえようとしたんだなと思いました。
そして、犬小屋やその辺りにあったお皿やいろいろなものはすべてきれいに片づけられていました。
保健所か! でも、きっと逃げたので、捕まえることができなかったんですね。
怪我はその時負ったものだったのかもしれません。
わんちゃんはすっかりおびえている様子で、まったく近づいて来てくれませんでした。
うさぎは後悔しました。自分の投稿が元でそうなったのなら、かわいそうなことをしてしまったと。
くまも、あの様子では、よほどのことをしないと捕まえられないと言うし、
それなら食べ物は複数の人からもらえている様子だし、このままそっとしておいてあげた方が
いいのだろうかとも思って、ずっと悩んできました。
それに、もし捕まえることができたとしても、そのあとのことを責任が持てるかどうかということを
考えると、うさくま家の現在のいろいろな家庭状況を考えると、躊躇せざるをえませんでした。
しかし、ずっとこのわんちゃんのことは頭から離れず、うさくま家から見えるその山を見るたびに
つらくてなりませんでした。
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12月になって山に雪が降りました。もうすぐまた、大きな寒波がやってくるそうです。
避けてきたこのことをこのままにして年を越すことはできないと思い、きょうまた山へ向かったのです。
わんちゃんが出てこないので、佐賀県側へ下りて、昼食をとり、正ちゃんのお散歩を済ませて
また峠越えの道へ戻ってくるとそのわんちゃんが姿を現していました。
ちょうどお皿の中のジャーキーを食べているところでした。全部食べ終えると、こちらへやってきました。
ずいぶんやつれています。この時、このわんちゃんがメスだということを初めて知りました。
こんなに近くまで来たのははじめてでした。
男性が怖いようで、うさぎには少し近づいてきますがくまが来ると逃げます。
春は、あんなにきれいだったのに、皮膚病にかかっているようで全身の毛が抜けかけています。
しきりに痒がっていました。
持っていた正ちゃんのおやつをまたお皿に入れてあげると、また全部食べました。
おなかが空いていたみたいです。
このお皿を結びつけた人は、しばらく来ていないのかもしれません。
毛が抜けているため寒いのでしょうか、ブルブルと震えながら食べていました。
5月に撮影した写真。
今日撮った写真。
おっぱいが大きくなっているのが気になります。仔犬がいるのでしょうか?
仔犬がいるなら親犬だけ連れ帰るわけにもいきません。
いったいどうしたらいいのでしょう。もう泣きたくなってしまいました。
あたりは深い藪や林で人が立ち入るのは容易ではありません。この中へすぐに逃げ込んでしまうので、
どうしようもないのです。この中のどこかに少しでも寒さをしのげる場所があるのでしょうか。
あたりは坂道の急カーブが続くところです。
昼間は車の往来もけっこうあり、ふらふら出てくるので、交通事故も心配です。
今日の気温は零下1度でした。わんちゃんはまた藪の中に入っていってしまいました。
5月に無理してでも連れ帰らなかったことをほんとうに後悔しました。
助けたい、何とかして助けてあげたいです。
< 本日、二記事あります。前の記事もどうぞご覧くださいね。>
※追記・・・・このわんちゃんは、2013年1月、保護活動家によって保護され、
保護団体に預けられた後、2014年1月より新しい飼い主のもとで暮らしているそうです。
心配してくださった皆様、ありがとうございました。
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