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2月1日~2日、福岡市内の
夜間救急動物病院での出来事です。
祈るような思いで高速を飛ばして
病院についたのは、午後8時半過ぎでした。
診療は9時からなので、まだ誰も来ていない
だろうと思ったら、もうすでに車が1台
とまっていました。
病院はその時、建物を新築中でプレハブの
仮の建物の中で診療が行われていました。
工事現場の現場小屋みたいな建物の
小さな入り口のドアを開けると、中はすでに
暖房がムッとするくらいに効いていました。
受付はその部屋のいちばん奥にありました。
とても狭いなという印象でした。
実際には、普通の家のリビングの2つ分
くらいの広さはあったのかもしれませんが
3方の壁が全部ケージでいっぱいだったせいも
あってか、とても狭く感じました。
その部屋の奥に診察室とさらにその奥に
手術室なのか、もうひとつ部屋があるようでした。
先客があったので、少し待たされて
診察や検査を受け、その後、正ちゃんは
最初の部屋の入り口からすぐの上段の
ケージの中で点滴を受けました。
正ちゃんは点滴途中にも様子がおかしくなり、
そのたびに医師や看護師さんを呼びに
いかなくてはならず、私は心配でケージから
離れることができませんでした。
室内には硬い小さな丸椅子しかなく、
それに座って、ケージの中に顔を突っ込むような
形で正ちゃんの体をさすり続けました。
どれくらい時間が経ったのか、気がつくと
あたりがざわざわ騒々しいので、振り返ると、
いつの間にか部屋の中には人がたくさんいました。
ワンちゃんを連れてきた人たちでした。
そして空いていたケージの中もワンちゃんで
いっぱいになっていました。
レトリバーをつれてきた老人が
正ちゃんをのぞき込んで何犬かと聞きます。
雑種ですと答えたら、「どんな犬でもみんな
自分の犬がいちばんかわいかけん」と
意味不明のことを言いましたが、
相手をする余裕はなく、呼吸が荒い正ちゃんの
様子を見守るので精一杯でした。
そのうち、看護師さんが正ちゃんの下のケージの
中にシートなどを敷き始めました。
しばらくして、下段には黒柴犬が入り、やはり
点滴をすることになりました。
そのワンちゃんも正ちゃんと同じ年齢でした。
飼い主のご夫婦もそばにいたいだろうと思って、
私は端によけましたが、人が多くてイスは
もう、ひとつしか残っていませんでした。
疲れて頭もぼうっとしていたので、この夜の
出来事の順序がどうだったのかよく覚えて
いませんが、レトリバーだけでなく、大きな
セントバーナードやシェパードもやってきました。
シェパードはどこが悪いのか、自力で歩いて
診察室に入っていきました。でも、
あとでそのシェパードは亡くなったことを
くまから聞きました。
「あっ、呼吸をしていない!」と言う看護師さんの
声が聞こえたけど、あれは、あのシェパード
だったのかと思いましたが、私は必死に
正ちゃんに声をかけ続けていたので、後ろで
起きていることはよく見る余裕がありせんでした。
たまたま振り返った時に、向こう側のケージの前に
大きな血だまりが出来ていて、看護師さんが
あわただしく拭いているのが見えました。
夜が更けるにつれて、電話も頻繁にかかってきて
受付の応対の声が聞こえてきました。
(案内のカードやポスターには事前に電話を
入れるよう書いてあります。)
「受信料が8000円で、その他に検査料と・・」
と、電話がかかってくるたびにそんな説明を
しています。
そんなに高いのならと躊躇した人もいたのか
「こちらは明日の5時までで、その時間を過ぎると
電話も通じませんが・・・」と、再度確認する
ようなやりとりも。
いろいろな声が耳に入ってきました。
受付で兎の飼い方について説明する声が
聞こえてきました。
兎を連れてきた人もいるんだと、振り返りました
が、キャリーバックの中は見えませんでした。
その人は1万いくらかの診療代を払って帰って
いきました。兎も大切な家族の一員なんですよね。
破水したとかしないとかいう声も。破水?
手術の同意書についての医師の話も聞こえて
きました。延命処置をするとかしないとか
を選ぶ項目について医師が説明していました。
受付では保険に入っている人への説明も。
診療代は一旦支払ってから、後で保険会社に
請求するらしいです。ペット保険に入っている
人が意外に多いという印象でした。
点滴をしている間も正ちゃんは呼吸が荒く
明け方までに3度も様子がおかしくなりました。
苦しそうな声も出しているので、
きっと正ちゃんも不安なんだろうと
かわいそうでなりませんでした。
正ちゃん、大丈夫、大丈夫。
負けるな正ちゃん、
正ちゃん、がんばれがんばれ、と声が枯れそうな
くらい言い続けて、背中や足をさすり続けました。
振り返るとくまが泣いていました。
「泣いている場合じゃないでしょうが!」
バシッ!(ほんとに叩いた)
正ちゃんに何か声をかけてやってと言ったら
「しょうちゃん・・・うにゃふにゃ・・・」と、
涙声でもうわけがわかりません。
後で、私からボロクソに言われたくまでした。
そんな中でも時々看護師さんがやってきて、
ちょっとごめんなさいと、下段のケージを開けて
下のワンちゃんの処置をするので、そのたびに
よけて、もう、落ち着かないことといったら・・・
おまけに、斜め横のケージに入ったダックスが
ワンワンワンワンとけたたましく吠え続けて、
もう耳がきんきんするほどうるさくて。
怒鳴って叱るところだけれど、人の犬なので、
ぐっと我慢して、にっこり笑ってしっ!と言って
みせるとなぜか鳴き止むけど、またすぐに
ワンワンと激しく吠えまくるのでした。
きっとワンちゃんも不安だったのでしょう。
来院者は次々にやってきて部屋の中は
ごった返してくるし、強くしてある暖房と
連日の寝不足で気分は悪くなるしで・・・
それでもケージに顔を突っ込んで声をかけ
続けていると、また、さっきの老人がやってきて
真っ白できれいにしてもらっているとか、
幸せやったよとか言うのでした。
(過去形で言うな!あっちへ行って!)
相手をしなかったらその老人はまた
他の来院者とおしゃべりを始めました。
もう、ほんとにこんな騒々しいところで
逝かせてなるものかと私は正ちゃんに必死で
声をかけ続けました。
他にどうすることもできませんでした。
運転するのに危いので、くまにはいったん車に
仮眠しにいってもらいましたが、寝られないし、
寒いと言って戻ってきました。
外にある別のプレハブが待合室になっていると
聞いたので、正ちゃんをくまに見てもらって
見に行きました。
外に出ると、看護師さんが一人じっと立って
いました。一瞬泣いているのかと思いましたが、
寒かったので、私はすぐに街合室へ入りました。
後で、あの人は亡くなったワンちゃんの
担当看護師だったのかもしれないと思いました。
待合室は暖房も入っていてソファーやいすがあり、
お水やインスタントコーヒーなども飲めるように
なっていましたが、そこには誰もいませんでした。
みんなやっぱりワンちゃんのそばに
いたいんだなあと思いました。
私も無理せずに休んでくださいと医師に言われ
ましたが、心配でとてもそばを離れることは
できませんでした。
また医師も看護師さんも次々に訪れるワンちゃん
たちの治療や飼い主への応対に追われていて、
あれではトイレに行く暇もないのではと思うほど
忙しそうで正ちゃんについていないわけには
いきませんでした。
どれくらい時間が経ったのかわかりませんが、
気がつくと医師がさっきの無神経な老人に
生まれたばかりの子犬を見せて、
へその緒がどうのこうのと話しています。
老人が連れてきたレトリバーは急なお産だった
のでした。8頭生まれたとか話していました。
老人は初めての経験ではない様子でした。
だからあんなにのんきだったのでした。
正の様子がいつまでも落ち着かないので、
医師からこのまま帰っては心配なので、
かかりつけの病院が開くまで、
ここにいてはどうかと言われました。
病院は5時までですが、私たちは
まだいるのでということでした。
それで8時まで残ることにしました。
気がつくとずいぶん前から入り口そばに
立ち続けていた中年夫婦の奥さんの方が
泣いていました。
連れてきたわんちゃんは、段ボール製の
小さなお棺に入れられて帰っていきました。
時間が経つのがずいぶん長く感じられました。
朝になって正ちゃんの呼吸もようやく
静かになってきました。
病院内は一人、二人と、人とわんちゃんや
猫ちゃんが帰っていき、残るは正ちゃんと
8時半に飼い主のお迎えが来るという
わんちゃんだけになりました。
クレジットカードで診療代59,290円を支払い
朝8時に救急病院を後にしました。
医師が心配そうな顔で車が敷地を出ていくまで
見送ってくれたのを思い出します。
ほんとに危険な状態だったんだろうと思います。
その足でかかりつけの病院に向かい、
また点滴をして、薬ももらって家に帰りました。
何日も時間が経ったように思いました。
気がつくと前日のお昼から飲まず食わずでした。
土日は病院が休みのところが多いです。
特に土日の午後はほとんどの病院が休診です。
夜間動物救急病院は、福岡市内には
大都市にもかかわらずたった1軒しかありません。
北九州市にも1軒あるそうですが、
そちらは午前1時までだそうです。
この病院は、九州大学に付属の病院ができること
が決まっていたのに土壇場になってダメになった
ので、福岡市と近郊の獣医師たちが資金を
出しあって設立し、医師を雇って運営していると、
かかりつけの病院で聞きました。
元はガソリンスタンドだったところを買って
診療がはじまったそうです。
昔、正ちゃんがまだ若かった頃、湿疹の薬の容器を
飲みこんでしまって行ったことがありますが、
その時は建物にまだガソリンスタンドの面影が
残っていました。
正ちゃんは2度、ここで命拾いをしたのでした。
2月10日が新しい建物への引っ越しだと聞いた
ので、今ごろはあの混雑と騒々しさも少しは
ましになっているかもしれません。
とにかく、たとえ1軒でも、こんな病院が
あることで救われた命も多いと思います。
診療費が高額なのが困りますが、夜通しあの
忙しさで働く医師や看護師さんたちも本当に
大変だと思いました。
この夜間救急病院では、検査結果の写しや
どんな薬を使ったか、どんな処置をしたかなどを
書いた、かかりつけ病院宛ての書面を
帰りに渡してくれます。
福岡市とその近郊でペットと暮らしている方の
ために、下記に病院の住所と電話番号を
載せておきます。
福岡夜間救急動物病院
福岡市博多区月隈5-2-40
TEL 092-504-8999
だいぶ元気になっておやつのおねだりに来た
正ちゃんです。
もらえない時のぶすくれ顔も戻ってきました。
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