
「布引山(鹿島槍ヶ岳の前衛峰)から観た立山連峰。左から立山、真砂岳、別山、前剱、剱岳、猫又山、毛勝岳、僧ヶ岳」
8月24日に鹿島槍ヶ岳(標高2889m)に登りました。種池テント場で前後2泊しての登頂でした。登山の様子は後編で詳しくご紹介します。
前編では扇沢出合(柏原新道登山口)から種池までの道中と、テント場周辺で観た植物を中心にご覧いただきたいと思います。
8月23日、6時52分に柏原新道登山口を出発しました。今回は運良く近くの駐車場(扇沢の橋のたもと)に車を駐められました。

登山口付近に果穂をつけたウツボグサ(シソ科ウツボグサ属の多年草)が観られました。1ヶ月前に同じ場所で観た花と一緒にご覧いただきます。


続いてはテンニンソウ(シソ科テンニンソウ属の多年草)の群落です。


黄色い花も所々で見かけました。これはキオン(キク科キオン属の多年草)のようでした。アキノキリンソウも見ましたが、写真を撮っていませんでした。

続いてはカニコウモリ(キク科コウモリソウ属の多年草)だと思います。見かけた数は少なかったです。

こちらはミヤマシグレ(スイカズラ科ガマズミ属の落葉低木)のようです。もう少しすると果実が赤から黒に熟します。

八ツ見ベンチでザックを降ろして休んでいたら、小枝に小さな鳥が止まりました。ミソサザイのようでした。距離は5mほどですが、持参したカメラではうまく撮れませんでした。

先へ進むとカライトソウ(バラ科バラ亜科ワレモコウ属の多年草)が咲いていました。

標高1770mにあるケルンを過ぎると、ゴゼンタチバナ(ミズキ科ミズキ属ゴゼンタチバナ亜属の多年草)やアカモノ(ツツジ科シラタマノキ属の常緑小低木)が次々に現れました。


標高1900m付近からはミヤマセンキュウ(セリ科ミヤマセンキュウ属の多年草)もよく観られるようになりました。

さらに標高2235m付近のアザミ沢を通り抜けるまでに、様々な花が咲いていました。
ヤマハハコ(キク科ヤマハハコ属の多年草)です。

この黄色い花もキオンのようでした。葉に鋸歯があるものとないものが観られました。

サラシナショウマ(キンポウゲ科サラシナショウマ属 の多年草)です。

アザミ沢一帯には、アザミが群生していました。アザミの種名は分かりません。

色を失ったミネカエデ(ムクロジ科カエデ属の落葉高木)の葉が落ちていて頭上を見上げたら、葉はまだ青々としていました。


霧が出てきました。慎重に歩きます。

斜面にゴマナ(キク科シオン属の多年草)が咲いていました。秋に咲く花です。


こちらはミヤマコウゾリナ(キク科ヤナギタンポポ属の多年草)のようでした。

1ヶ月前に休み休み登った鉄砲坂でしたが、今度は休まずに登りきり、11時28分に種池山荘に到着しました。コースタイム3時間50分のところを、休憩込みで4時間36分かかりました。
受付を済ませてテント場へ向かいました。


テントを張り終わり、昼食を済ませるとすることがありません。14時から高校野球の決勝戦をラジオで聴くことにして、それまで周辺を散策しました。
お花畑にはセリ科の花が目立ちました。シラネニンジン(セリ科シラネニンジン属の多年草)のようでした。

こちらはミヤマセンキュウのようです。

ハクサンフウロ(フウロソウ科フウロソウ属の多年草)もまだ観られました。


1ヶ月前に咲き始めたキヌガサソウ(シュロソウ科キヌガサソウ属の多年草)は、花が終わっていました。1ヶ月前の写真と合わせてご覧いただきます。


次も1ヶ月前の花の写真と合わせてご覧いただきます。オオヒョウタンボク(スイカズラ科スイカズラ属の落葉低木)です。


サンカヨウ(メギ科サンカヨウ属の多年草)の果実です。

こちらはミヤマアキノキリンソウ(キク科アキノキリンソウ属の多年草)だと思います。

シナノオトギリ(オトギリソウ科オトギリソウ属の多年草)です。


オヤマリンドウもたくさんさ咲いていました。

最後に珍しい花をご覧いただきます。シロバナオヤマリンドウです。2株並んで咲いていました。


14時頃から雨となり、一時は雷を伴って激しく降りました。高校野球の決勝戦が終わった頃に雨も上がり、夕食はテントの外で火を使えました。
夜には満天の星空が見えました。
後編ではいよいよ鹿島槍ヶ岳へ向かいます。夜明け前後の素晴しい景色、ライチョウとの遭遇、30分間独占した山頂の様子などを詳しくご覧いただきます。
後編に続きます。
