3月8日、早朝に自宅を出発して、赤城山へ向かった。この日目指したのは鈴ヶ岳(標高1564m)で、この山は赤城山の寄生火山と言われている。
寄生火山について少し説明すると、火山の中央火口の外にある山型の火山堆積物で、富士山における宝永山、浅間火山における小浅間山などがそれに当たる。
鈴ヶ岳にはこれまで何度も登っていて、積雪期に登頂したこともある。この日は積雪を考慮して、時間に余裕を持った登山計画を立てた。

9時36分登山開始。
スタート直後から雪が深かった。先行者が1名いて、チェーンスパイクを着けていた。私はアイゼンをザックの中に、ワカンをザックの外に持ち、まずはつぼ足で登った。
鍬柄山の手前に2ヶ所急登があるが、そこまでは緩やかな登りなので、つぼ足で問題ないとの判断だった。

雪が深くしかも湿っていて重かった。トレースを外すと、ほぼ間違いなくごぼった(潜った)。積雪は80cmほどあり、ごぼると抜けるのに苦労した。
ペースが上がらず、計画より遅れるのは必至だったが、途中撤退を当初から視野に入れていたので焦る必要はなかった。
コースは白樺牧場の端に沿って、赤城山の外輪山を登っていく。周囲は針広混交林だが、圧倒的に落葉広葉樹が多い。
小鳥の鳴き声を何度も聞いた。シジュウカラは分かったが、他の鳥は分からなかった。
この日は望遠レンズを用意しておらず、鳥を撮るのはもっけから頭になかったが、すぐ近くの樹に何やら止まったので見るとウソのようだった。ずんぐりとした体つきで、そのうちの1羽の喉が紅色だった。4羽いた。

鍬柄山(標高1562m)には10時56分に着いた。もともと10時出発で11時に着く計画だったので、20分余計に時間がかかっていた。
この山の頂からの景色はいつ観ても絶景だ。左に順から谷川連峰~上州武尊~尾瀬の至仏山・燧ヶ岳~日光連山が見えた。赤城山の主峰・黒檜山(標高1828m)の左に延びる稜線にかかるように皇海山が見えていた。一方西側に目尾向けると、榛名山は霞んでいたし、浅間山は雲に隠れていた。

鍬柄山の山頂の標識は雪に埋もれていた。ピッケルで雪を掘ってみたが、分からなかった。
先行者は鍬柄山で引返していた。私はどうするかを迷いつつ、先ずは腹ごしらえをすることにした。雪を削って椅子を作り、マットを敷いて座った。
昼食は定番のカレーヌードルで、食後にアミノバイタルをドーピングした。
さてどうするか判断を下す必要がある。アイゼンを装着し馬の背の様子を観に行った。途中までトレースがあった。慎重に後ろ向きになり、ピッケルを深く刺して降りてみた。トレースが消えた先で雪が割れていた。撤退を判断した(写真左上に写っているのが鈴ヶ岳)。

撤退を決めたので時間に十分な余裕ができた。帰りはのんびりと下った。
ウサギの足跡を見かけた。赤城山にはニホンウサギが生息している。一度見かけたように思うが、記憶が定かではない。

この木の芽は何だろう? モクレン科のようだ。コブシだろうか、あるいはタムシバかもしれない。

大きなダケカンバがあった。幹を背にしてセルフタイマーで自撮りした。カバとバカ。
この辺りのダケカンバは、空に向かって真っ直ぐに伸びている。積雪が少ない証拠だろう。

途中姥子山の山頂でコーヒーを飲んだ。鉄の杭に「姥子山1510m」と記したガムテープが貼り付けてあった。それがなかったら山頂とは分からなかっただろう。
出発地の新坂峠には、13時26分に到着した。
タイム:3時間49分(うち休憩57分)、距離2.8km、標高差200m、平均ペースの30~50%(ゆっくり)
寄生火山について少し説明すると、火山の中央火口の外にある山型の火山堆積物で、富士山における宝永山、浅間火山における小浅間山などがそれに当たる。
鈴ヶ岳にはこれまで何度も登っていて、積雪期に登頂したこともある。この日は積雪を考慮して、時間に余裕を持った登山計画を立てた。

9時36分登山開始。
スタート直後から雪が深かった。先行者が1名いて、チェーンスパイクを着けていた。私はアイゼンをザックの中に、ワカンをザックの外に持ち、まずはつぼ足で登った。
鍬柄山の手前に2ヶ所急登があるが、そこまでは緩やかな登りなので、つぼ足で問題ないとの判断だった。

雪が深くしかも湿っていて重かった。トレースを外すと、ほぼ間違いなくごぼった(潜った)。積雪は80cmほどあり、ごぼると抜けるのに苦労した。
ペースが上がらず、計画より遅れるのは必至だったが、途中撤退を当初から視野に入れていたので焦る必要はなかった。
コースは白樺牧場の端に沿って、赤城山の外輪山を登っていく。周囲は針広混交林だが、圧倒的に落葉広葉樹が多い。
小鳥の鳴き声を何度も聞いた。シジュウカラは分かったが、他の鳥は分からなかった。
この日は望遠レンズを用意しておらず、鳥を撮るのはもっけから頭になかったが、すぐ近くの樹に何やら止まったので見るとウソのようだった。ずんぐりとした体つきで、そのうちの1羽の喉が紅色だった。4羽いた。

鍬柄山(標高1562m)には10時56分に着いた。もともと10時出発で11時に着く計画だったので、20分余計に時間がかかっていた。
この山の頂からの景色はいつ観ても絶景だ。左に順から谷川連峰~上州武尊~尾瀬の至仏山・燧ヶ岳~日光連山が見えた。赤城山の主峰・黒檜山(標高1828m)の左に延びる稜線にかかるように皇海山が見えていた。一方西側に目尾向けると、榛名山は霞んでいたし、浅間山は雲に隠れていた。

鍬柄山の山頂の標識は雪に埋もれていた。ピッケルで雪を掘ってみたが、分からなかった。
先行者は鍬柄山で引返していた。私はどうするかを迷いつつ、先ずは腹ごしらえをすることにした。雪を削って椅子を作り、マットを敷いて座った。
昼食は定番のカレーヌードルで、食後にアミノバイタルをドーピングした。
さてどうするか判断を下す必要がある。アイゼンを装着し馬の背の様子を観に行った。途中までトレースがあった。慎重に後ろ向きになり、ピッケルを深く刺して降りてみた。トレースが消えた先で雪が割れていた。撤退を判断した(写真左上に写っているのが鈴ヶ岳)。

撤退を決めたので時間に十分な余裕ができた。帰りはのんびりと下った。
ウサギの足跡を見かけた。赤城山にはニホンウサギが生息している。一度見かけたように思うが、記憶が定かではない。

この木の芽は何だろう? モクレン科のようだ。コブシだろうか、あるいはタムシバかもしれない。

大きなダケカンバがあった。幹を背にしてセルフタイマーで自撮りした。カバとバカ。
この辺りのダケカンバは、空に向かって真っ直ぐに伸びている。積雪が少ない証拠だろう。

途中姥子山の山頂でコーヒーを飲んだ。鉄の杭に「姥子山1510m」と記したガムテープが貼り付けてあった。それがなかったら山頂とは分からなかっただろう。
出発地の新坂峠には、13時26分に到着した。
タイム:3時間49分(うち休憩57分)、距離2.8km、標高差200m、平均ペースの30~50%(ゆっくり)
寄生と言うといまいち聞こえが良くないですが、
富士山における宝永山と言われるとなるほどです^^;
尾瀬の至仏山・燧ヶ岳、
shuさんと言うと尾瀬を景色を何度も見せていただいていますが、
遠くに見えるんですね。
360度雄大な景色、
それを楽しむには、雪の中の登山、
しっかりした経験と知識があるのも伝わってきました。
お疲れ様でした、
>おはようございます^^... への返信
コメントありがとうございます。
今年に入り3回目の雪山でした。単独行なので安全第一での撤退です。
そのお陰で途中にコーヒーを飲んだりして、ゆっくり過ごせました。
樹々は芽生えてきていますが、まだ春は遠い感じでした。
タイトルを見て、撤退?と思いましたが、半端じゃない積雪だったのですね。
今日の記事では知らない言葉が色々出てきました。
ワカン、つぼ足、「ごぼる」は説明があるのでOK。
トレースは人の跡を行くことでしょうか。
この状態で、跡のない所は行けないでしょうね・・・
冷静なご判断はさすがですね!
お写真拝見するだけでもどきどきしました。
コブシかタムシバか、というお写真ですが、コブシではないでしょうか。
花の根元に葉がでるのがコブシ、出ないのがタムシバですが、葉芽があるようですので・・・
花の咲くころはいいでしょうね。
私は最近「日本百名山 新装版」(深田久弥)を購入しました。そのうちに中古でもいいから入手したいと思っていたところ、書店でふと見かけました。
帯に 山の愛好家に読み継がれてきた 古典的名著 ここに新装版! とあり、最後の一行「文字が大きく、読みやすくなりました」が決め手の衝動買いです。
赤城山のページに「赤城は、登山というより逍遥という言葉のあたる、大きなプレイグラウンドであって、その中心は、山上の火口湖の大沼である。それをめぐって、黒桧山、地蔵岳、鈴ヶ岳の三つが、鼎の形に立っている。」の件を発見し、「ははーここか」とうなずいております。
岩手山、早池峰、八幡平から始まって、北海道、東北の山を読み、氏のふるさとの山(shuさんにとっても同様)白山というふうに読み進み、半分以上過ぎたと思いますので、本だけは100名山を達成したいです。
山名の由来を推理したり(早池峰山の山は余計だとのこと)、車窓からの山の眺めに触れたり(赤城山もそうですが、岩手山についても)の内容にひかれています。
また混雑する山は嫌だということには共感を覚えます。意外だったことは、山にごみや空き缶がないことが嬉しいと言う件で、昔はポイ捨てが横行していたように感じました。私のつたない山歩きの経験では、ごみや空き缶は見たことがありません。近年マナーは良くなったのでしょうか。
>専門用語... への返信
コメントありがとうございます。
専門用語が出てきました。ごめんなさい。
ワカンは、わかんないですね。これはもともと「和かんじき」の略語だったようです。
昔は植物の蔓で作っていたと思いますが、今はアルミニウム製が主流です。
つぼ足は、ワカン、スノーシューなどを使わずに雪道を歩くことです。歩くとつぼ状の足跡が残ります。
ごぼるは、石川県や富山県の方言です。金沢日和という金沢を紹介するページに、面白い記事がありました。
https://www.kanazawabiyori.com/editors/2022/03/45843.html
ふかふかの花芽はやはりコブシですね。
赤城山ではコブシとムシカリの両方が見られるようです。私はムシカリしか見ていません。
花の時期にまた訪ねたみたいですね。
>日本百名山... への返信
日本百名山をお手元に、コメントをいただき、ありがとうございます。
日本百名山は昭和39年に発行されて以来、何度も重版・増刷されてきています。
私が持っているのは、一つは昭和39ねんに発行されたものの10刷で、昭和43年に印刷されています。この本は貼箱(外箱)に入っています。
もう一つは、昭和53年に発行された文庫本で、令和元年の59刷です。普段はこちらを見ています。
白山の文章は「日本人は大ていふくさとの山を持っている。」で始まります。
私の郷里では、この一節を覚えている人が多いです。
赤城山の文章の中に鈴ヶ岳が出ているのを、実は覚えていませんでした。
赤城山というと黒檜山ばかりが注目されますが、鈴ヶ岳は歩いていて実に楽しい山です。
山頂に大きな石碑が並んでいますので、古くから登られた山だと思います。
この季節に登る人は少なく、静かな山行が楽しめます。
それと黒檜山では強風が吹いていても、この山では風がないことが多いです。これはとても不思議です。
欠点というと、山頂からの景色が樹木に邪魔されて見えにくいことです。
できれば邪魔な木を伐ってくれると嬉しいのですが、そうはいかないのでしょうね。
山のゴミについてですが、錆びた缶詰の缶やプルタブ、割れたガラス瓶を見ることはよくあります。
いずれも50年以上前の物のように思いました。
最近は山にゴミを捨てる人はいないと思いますが、昔はたくさんいたようです。