shuの花日記

山や近所で見かけたお花をエピソードを添えて掲載しています。お花の説明は主にウィキペディア、花図鑑を参考にしています。

四阿山(あずまやさん)・根子岳(ねこだけ)お花見ハイキング(その①)

2024-07-01 16:26:40 | 山行・旅行
6月27日、梅雨の晴れ間を見計らって、四阿山と根子岳の周回コースを歩いてきた。
四阿山は、長野県と群馬県の県境をなす志賀高原から続く火山帯の中の標高2354mの山で、浅間山 (標高2568m) に次ぐ標高がある。
一方、根子岳は四阿山の西に位置し、標高が2207mで四阿山より150mほど低い。

四阿山は深田久弥氏が選んだ「日本百名山」の一つである。深田氏は著書「日本百名山」の中で「菅平へスキーに行った人は、正面にそびえた二つの山をおぼえているだろう。四阿山と根子岳。あれがなかったら菅平の値打ちはなくなる」と書いている。
一方、根子岳は田中澄江氏が選んだ「花の百名山」の一つである。同氏が新たに選定し直した「新・花の百名山」には選ばれていない。

四阿山と根子岳の間には、大隙間(大隙間爆裂火口)と言われる鞍部がある。そこから四阿山へ上がる道は急登で、そのため今回は四阿山から根子岳へ回る反時計回りのルートを選んだ。


それでは歩いた順にご覧いただこう。
スタートは登山口に近い菅平牧場の駐車場である。そこを6時6分に出発した。登山届はオンラインで提出していた。ここは既に標高が1590mあるので、山頂までの標高差は760mほどだ。
 

実は5年前の積雪期に四阿山を歩いている。その時はもっと下から歩いた。また冬道では牧場の中を長い時間歩いた。
 

しかし今回歩いた夏道は牧場の柵の外側に付けられていた。「四阿山登山口 中四阿経由」と書かれた所から車道を離れて登山道に入る。しばらくは牧場の景色が見えているが、やがて沢沿いの山道となる。
 

15分ほど歩いて暑くなったので長袖の上着を脱いだ。
ここまで観た花をまとめておこう。といっても牧場近くでたくさん咲いていたアヤメと、沢沿いの道で観たクリンソウの2種だけだ。
・アヤメ(菖蒲、文目、綾目、Iris sanguinea、アヤメ科アヤメ属の多年草)


・クリンソウ(九輪草、Primula japonica、サクラソウ科サクラソウ属の多年草)
北海道、本州、四国の山間地の比較的湿潤な場所に生育し、せせらぎや渓谷の湿地などに時に群生する。高さ30~90cmほどになり、日本に自生するサクラソウ科の植物のなかでは最も大型である。


道はやがて沢を離れて森の中に入っていくが、道幅が広く歩きやすい。花の数は少ないが、クルマムグラとヤマオダマキ、そして名前が不明な白い草花を見つけた。
名前が分からない植物は、図鑑で調べてヤマクワガタかグンバイヅルのように思われたが、結局自信がなくて教えてgooのお世話になった。
 

・クルマムグラ(車葎、Galium japonicum、アカネ科アカネ亜科ヤエムグラ属の多年草)


・ヤマオダマキ(山苧環、Aquilegia buergeriana 、キンポウゲ科オダマキ属の多年草)


・グンバイヅル(軍配蔓、Veronica onoei、オオバコ科クワガタソウ属の多年草)
日本固有種。本州(群馬県、長野県)の浅間山付近、四阿山、志賀高原、美ヶ原などの限られた場所に分布し、高地の日当たりのよい礫地に生育する。
茎は地面を這って長く伸び、節からひげ根を出して広がる。葉はつる状の茎に対生して2列にならび、葉身は円形または広楕円形で長さ13~25mm、幅8~25mm、先端は円く、鋸歯は細かな円頭または鈍頭で、葉柄はごく短い。葉質はやや厚く、表面につやがある。
花期は7~8月。地面をはった茎の葉腋から長さ6~13cmになる花序が直立し、やや密に多数の花をつける。


標高が1700mを越えると、お目当てのレンゲツツジがたくさん観られた。標高が低いところでは花が終わっていたが、高くなるにつれて蕾も観られた。
・レンゲツツジ(蓮華躑躅、Rhododendron molle subsp. japonicum、ツツジ科ツツジ属の落葉低木)
日本の北海道南西部から、本州、四国、九州まで分布する。高原などに生え、日当たりのよい草原や湿地にしばしば群生する。
高さ1~2mになる。株立ちして、よく枝分かれして、こんもり茂る。樹皮は灰褐色から茶褐色をしていて、浅い縦筋が入る。成木になると樹皮は薄く剥がれるようになる。葉は互生し、長さ5~10cmの倒披針形をしている。
花期は4~6月。落葉性のツツジの仲間で、新葉が出てくると同時に花が咲く。前年枝の先に短い総状花序を出して、2~8個の花をつける。花は直径5~6cmほどのロート状。雄しべは5個。花糸の下半部に短い開出毛が密生する。花柱の下半部に短毛があり、子房に長毛が密生する。全体に有毒成分をもつ。




さらに標高が1700mを越えた辺りから、ベニバナイチヤクソウが観られ出した。この花は標高2000m付近まで観られた。
・ベニバナイチヤクソウ(紅花一薬草、Pyrola asarifolia subsp. incarnata 、ツツジ科イチヤクソウ属の常緑多年草。
葉に長さ3~5cmの葉柄があり、葉身は円形または卵状楕円形で、長さ3~4.5cm、幅2~3.5cmになる。葉の先端は円く、基部は円いか、やや心形になり、縁には目立たない細かな鋸歯がある。
花期は6~8月上旬。葉の間から長さ15~25cmになる花茎を伸ばし、総状花序をつけ、8~15個の花がつく。花茎は赤みを帯び、1~3枚の広披針形の鱗片葉がある。苞は狭長楕円形で先は急に短くとがる。萼片は5個で離生し、狭卵形で、長さは幅の2倍になり、長さ2~3mm、幅1~1.5mmになる。花は桃色から濃桃色、花弁は5個あり離生して径約13mmの広鐘形になり、下向きに咲く。花柱は湾曲し、長さ6~8mmになり柱頭は小さく5裂する。


標高が1918mある小四阿に近づくと西側に展望が開けて、北アルプスの山々がよく見えた。5年前にしっかり見ていたので、望遠レンズを付けて撮るのは止めた。




また小さな花をつけた樹々もたくさん観られるようになってきた。
・クロマメノキ(黒豆の木、Vaccinium uliginosum var. japonicum、ツツジ科スノキ属の落葉低木)


・ミヤマヤナギ(別名ミネヤナギ;深山柳、Salix reinii、ヤナギ科ヤナギ属の落葉高木)


小四阿の標柱の脇に平たい石があったので、そこに腰かけてパンを食べた。20分ほど休み着替えもして、さあ出発と立ち上がる際、思い切り頭を標柱にぶつけた。


四阿山(あずまやさん)・根子岳(ねこだけ)お花見ハイキング(その②)に続く。

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6 コメント

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晴れてる! (なつみかん)
2024-07-01 20:37:40
shuさん、こんばんは。
お姿が見えなかったのでどちらに行かれているのかと思っていました。
こちらはずっと雨ばかりだったのですが、何と綺麗に晴れていますね!
しかも2000m超えの山だったら、きっと涼しいでしょう。
花も景色も見られて良かったですね。

今日ご紹介いただいた花の中では、グンバイヅルとクロマメノキが初見でした。
ミヤマヤナギのフワフワ綿毛がいいですね。
そして、立ち上がったときに頭をぶつけたくだりで、失礼ながらちょっと笑ってしまいました。
たんこぶできませんでしたか?(笑)

続きも楽しみにしています!
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なつみかんさん こんばんは (shu)
2024-07-01 21:06:20
コメントありがとうございます。
梅雨の合間を見計らっての山行でした。この日の夕刻から雨になりました。
途中見えていた北アルプスも、時間が経つにつれて雲に隠れてしまいました。

クロマメノキはよく見かけます。
果実は真っ黒なので、他のツツジ科の植物と見分けが付きやすいです。
グンバイヅルは限られた分布なので、なかなか見られませんね。私も初見でした。

余談ですが、道草日記にコメントを入れました。
ご返事は無用ですが、ご覧下さいませ。
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懐かしの根子岳 (山歩き)
2024-07-01 21:38:30
shuさんこんばんは。四阿山・根子岳お花見ハイキング、お疲れさまでした。
四阿山と岩手山で時を同じくしてベニバナイチヤクソウを観ていたとは愉快ですね。
ヤマオダマキもそうですが、岩手山は紫褐色と淡黄色のツートンカラーでしたが、四阿山は淡黄色一色ですね。グンバイヅルは観たことも聞いたこともないはず、地域限定なのですね。

私は2019年8月18日に根子岳に登っており、クマ出没注意の次の写真の案内板は私も写していました。同じ駐車場に車を置いて直進しています。
その時はタカネマツムシソウが印象深いですが、今回はどのようなお花を見せていただけるか楽しみです。
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山歩きさん こんばんは (shu)
2024-07-01 23:24:47
コメントありがとうございます。
山歩きさんが根子岳に登られたことは伺っていました。
そのこともあり、今回は四阿山だけでなく、根子岳にも登りたいと思っていました。

ヤマオダマキの黄色だけのものは、今回初めて観ました。
これまでに観たものは紫褐色の萼片でしたが、今回はそれも黄色でした。そこでこれは、キバナヤマオダマキなのかもしれません。

タカネマツムシソウが咲くのは、もう少し時期が後のようです。
今回は観られませんでした。
出し惜しみではありませんが、写真が多いので、小刻みに分けて書いて行くつもりです。
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おはようございます^^ (attsu1)
2024-07-02 07:02:56
四阿山(あずまやさん)・根子岳(ねこだけ)、
初めて知りました。
深田久弥氏が選んだ「日本百名山」の一つなんですね
不思議な名前、いわれがあるんでしょうね
菅平の値打ちはなくなるとは、
雄大さを感じます。
そして、逆に冬の雪の多さを感じるんですが、
今は、花の季節なんですね^^
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attsu1さん おはようございます (shu)
2024-07-02 07:59:58
コメントありがとうございます。
四阿山の名前の由来を冒頭に書けば良かったですね。
その③で書いておこうと思います。

深田久弥氏の「日本百名山」は何度読み返しても味わいが薄れません。
それは久弥氏の山に対する情熱や愛情がとても深いためでしょう。

この山は冬の方が価値が高いように思います。
お花はありませんが、景色が素晴しいのです。
日本百名山に選ばれた山が44座も見えると聞いた覚えがあります。
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