9月12、13日に吾妻連峰の西にある日本百名山の西吾妻山(にしあずまやま、標高2035m)から、東にある日本三百名山の一切経山(いっさいきょうざん、同1949m)までを縦走した。
その①ではグランデコスノーリゾートのゴンドラ(ロープウエイ)山麓駅(標高1020m)から、山頂駅(標高1390m)までの様子をご覧いただいた。
また、その②では、ゴンドラ山頂駅から西吾妻山までの様子をご覧いただいた。
今回は、西吾妻山の山頂から、1日目に宿泊した弥兵衛平小屋(明月荘)までの間についてご覧いただきたい。
<縦走全体の地図>
<今回(その③)歩いた範囲の地図 前半>
<今回(その③)歩いた範囲の地図 後半>
13時24分に、西吾妻山(にしあずまやま、標高2035m)の山頂に着いた。山頂はオオシラビソとササなどに囲まれて、展望はなかった。
計画より54分の遅れだった。この遅れをキープして行けば山小屋に16時に着ける。標柱の写真だけを撮って山頂を通過した。
天狗岩(てんぐいわ、標高2004m)へ向かって北へ進む。途中はオオシラビソとハイマツの林の中を進むが、湿原もあり飽きることのない道だった。
そしてぱっと視界が開けて岩だらけの広場にでた。その奥に祠があり、祠の左に飛び出て見える岩が天狗岩のようだった。
吾妻権現を祀る祠に参拝し、地図を確認して東へ進んだ。次のビューポイントの梵天岩(ぼんてんいわ、標高2004m)までは、森の中の平坦な道を進む。
森を抜け視界が広がると正面に大きな岩が現れた。梵天岩だった。ビューポイントと言われるだけあって眺めがよい。ザックを下ろし、これから向かう山々のパノラマ写真を撮った。
左のなだらかな山容が中大巓(なかだいてん、標高1964m)で、この山は巻いていく。その右が東大巓(ひがしだいてん、標高1928m)で、明朝いちばんで登る山だ。
さらにその奥には、名前の通りの形の烏帽子山(えぼしやま、同1879m)と家形山(いえがたやま、同1877m)が並び、いちばん右はラスボスの一切経山(いっさいきょうざん、同1949m)だ。どの山もアップダウンが150mほどある。
梵天岩で13分休憩し、次の人形石まではなだらかな道を53分かけて歩いた。
人形石には15時7分に着いた。ここで地図を見て大きなミスに気づいた。コースタイムを1時間見誤っていたのだ。
あらためて計算し直すと、弥兵衛平小屋(明月荘)到着は17時になりそうだった。計算を間違えたというより、ひと区画を計算に入れていなかった可能性が高い。
いずれにしても大きな間違いで、場合によっては大きな事故につながりかねない。
食料も水もあり、陽もまだ十分あったが、疲れが出てきていた。水が生暖かくて美味しくなく感じられ、お腹も空いてきていた。
そんな中、口数も少なく歩いていると、なんと白花のエゾオヤマリンドウに出会った。白花のリンドウを観るのは初めてだった。
白花のリンドウに勇気づけられ、さらに大凹の水場(おおくぼのみずば)で美味しい水を補給し、行動食も食べて元気が100%回復した。
湿原の所々で、キンコウカや色付き始めたチングルマの草紅葉が鮮やかだった。
師匠のS氏が湿原の写真をゆっくり撮るため、私は一人で先に行き、そのため気兼ねなく立ち止まって写真を撮った。
S氏は歩くのが速く、特に下りは飛ぶように下りていく。この先は幸いなだらかな道が続く。傾斜が緩やかな道は私の得意なところだ。
道沿いにはリンドウが絶えることなく観られ、白いノリウツギの残花、赤いムシカリの実、黄色いミヤマアキノキリンソウなどが彩りを添えていた。
また、所々でシラタマノキが実をつけていた。そしてエゾオヤマリンドウは山小屋に着くまで至る所で咲いていた。
山小屋が見えるところで、5分ほど師匠のS氏を待ったがなかなか現れず、結局私が先に小屋に入った。16時57分だった。S氏は5分ほど遅れて到着した。
どこの山小屋も中は薄暗いものだが、暗さに目が慣れると先客が4人いることが分かった。食事の準備をしていたり、中には横になっている人もいた。
定員は70人のようだが、どう見ても30人ほどでいっぱいに思えた。1階を4人が使っていたので、私たちは2階を使わせていただいた。
水は先ほどの大凹の水場で補給したもので足りたので、早速夕食の支度をした。
この日の食事はカロリー補給がメインで、各々が200gのアルファ米にレトルトカレーを2袋、そして漬物というシンプルなものだった。
夕食が終わると歯磨きをして、ラジオで天気予報を確認した後、19時過ぎには熟睡していた。
その④ 弥兵衛平小屋~家形山 に続く。
縦走で踏破した主な峰
・西大巓(にしだいてん、標高1982m)
・西吾妻山(にしあずまやま、同2035m)
・凡天岩(ぼんてんいわ、同2004m)
・東大巓(ひがしだいてん、同1928m)
・昭元山(しょうげんざん、同1893m)
・烏帽子山(えぼしやま、同1879m)
・ニセ烏帽子山(にせえぼしやま、同1836m)
・家形山(いえがたやま、同1877m)
・一切経山(いっさいきょうざん、同1949m)
その①ではグランデコスノーリゾートのゴンドラ(ロープウエイ)山麓駅(標高1020m)から、山頂駅(標高1390m)までの様子をご覧いただいた。
また、その②では、ゴンドラ山頂駅から西吾妻山までの様子をご覧いただいた。
今回は、西吾妻山の山頂から、1日目に宿泊した弥兵衛平小屋(明月荘)までの間についてご覧いただきたい。
<縦走全体の地図>
<今回(その③)歩いた範囲の地図 前半>
<今回(その③)歩いた範囲の地図 後半>
13時24分に、西吾妻山(にしあずまやま、標高2035m)の山頂に着いた。山頂はオオシラビソとササなどに囲まれて、展望はなかった。
計画より54分の遅れだった。この遅れをキープして行けば山小屋に16時に着ける。標柱の写真だけを撮って山頂を通過した。
天狗岩(てんぐいわ、標高2004m)へ向かって北へ進む。途中はオオシラビソとハイマツの林の中を進むが、湿原もあり飽きることのない道だった。
そしてぱっと視界が開けて岩だらけの広場にでた。その奥に祠があり、祠の左に飛び出て見える岩が天狗岩のようだった。
吾妻権現を祀る祠に参拝し、地図を確認して東へ進んだ。次のビューポイントの梵天岩(ぼんてんいわ、標高2004m)までは、森の中の平坦な道を進む。
森を抜け視界が広がると正面に大きな岩が現れた。梵天岩だった。ビューポイントと言われるだけあって眺めがよい。ザックを下ろし、これから向かう山々のパノラマ写真を撮った。
左のなだらかな山容が中大巓(なかだいてん、標高1964m)で、この山は巻いていく。その右が東大巓(ひがしだいてん、標高1928m)で、明朝いちばんで登る山だ。
さらにその奥には、名前の通りの形の烏帽子山(えぼしやま、同1879m)と家形山(いえがたやま、同1877m)が並び、いちばん右はラスボスの一切経山(いっさいきょうざん、同1949m)だ。どの山もアップダウンが150mほどある。
梵天岩で13分休憩し、次の人形石まではなだらかな道を53分かけて歩いた。
人形石には15時7分に着いた。ここで地図を見て大きなミスに気づいた。コースタイムを1時間見誤っていたのだ。
あらためて計算し直すと、弥兵衛平小屋(明月荘)到着は17時になりそうだった。計算を間違えたというより、ひと区画を計算に入れていなかった可能性が高い。
いずれにしても大きな間違いで、場合によっては大きな事故につながりかねない。
食料も水もあり、陽もまだ十分あったが、疲れが出てきていた。水が生暖かくて美味しくなく感じられ、お腹も空いてきていた。
そんな中、口数も少なく歩いていると、なんと白花のエゾオヤマリンドウに出会った。白花のリンドウを観るのは初めてだった。
白花のリンドウに勇気づけられ、さらに大凹の水場(おおくぼのみずば)で美味しい水を補給し、行動食も食べて元気が100%回復した。
湿原の所々で、キンコウカや色付き始めたチングルマの草紅葉が鮮やかだった。
師匠のS氏が湿原の写真をゆっくり撮るため、私は一人で先に行き、そのため気兼ねなく立ち止まって写真を撮った。
S氏は歩くのが速く、特に下りは飛ぶように下りていく。この先は幸いなだらかな道が続く。傾斜が緩やかな道は私の得意なところだ。
道沿いにはリンドウが絶えることなく観られ、白いノリウツギの残花、赤いムシカリの実、黄色いミヤマアキノキリンソウなどが彩りを添えていた。
また、所々でシラタマノキが実をつけていた。そしてエゾオヤマリンドウは山小屋に着くまで至る所で咲いていた。
山小屋が見えるところで、5分ほど師匠のS氏を待ったがなかなか現れず、結局私が先に小屋に入った。16時57分だった。S氏は5分ほど遅れて到着した。
どこの山小屋も中は薄暗いものだが、暗さに目が慣れると先客が4人いることが分かった。食事の準備をしていたり、中には横になっている人もいた。
定員は70人のようだが、どう見ても30人ほどでいっぱいに思えた。1階を4人が使っていたので、私たちは2階を使わせていただいた。
水は先ほどの大凹の水場で補給したもので足りたので、早速夕食の支度をした。
この日の食事はカロリー補給がメインで、各々が200gのアルファ米にレトルトカレーを2袋、そして漬物というシンプルなものだった。
夕食が終わると歯磨きをして、ラジオで天気予報を確認した後、19時過ぎには熟睡していた。
その④ 弥兵衛平小屋~家形山 に続く。
縦走で踏破した主な峰
・西大巓(にしだいてん、標高1982m)
・西吾妻山(にしあずまやま、同2035m)
・凡天岩(ぼんてんいわ、同2004m)
・東大巓(ひがしだいてん、同1928m)
・昭元山(しょうげんざん、同1893m)
・烏帽子山(えぼしやま、同1879m)
・ニセ烏帽子山(にせえぼしやま、同1836m)
・家形山(いえがたやま、同1877m)
・一切経山(いっさいきょうざん、同1949m)
たくさんの山の名前、
東大巓から、烏帽子山、家形山~ラスボスの一切経山、
名前もそれぞれ個性的な名前、
山容と書かれているのが、深田久弥のよう、
さすが、あちこちの山を楽しまれているshuさんです
白花のエゾオヤマリンドウ、
貴重な出会いがあるのも、普段の行いが良いからですよ^^
夜中に、凄い豪雨がしばらく続きました、
米どころが心配です。早く温帯低気圧にでもなって欲しいですね
おはようございます。
1時間の間違い?見落としは大きいですね。
日暮れの早くなるこの時期、暗くなると危険が増しますね。
5時前に小屋に到着できて何よりでした。
雄大な山並みの縦走、憧れます。
結構二人での山行も気を遣うものですね!!?
山に登った方にはお分かりだと思いますが、いつまでも山にいたい、下界へは下りたくないという気持ちになります。
縦走登山は、そんな山屋の気持ちを満たしてくれます。
「山容」いい言葉ですね。深田久弥氏は「マス」という表現もよく使っています。
深田久弥氏は「日本百名山」では「吾妻山」としてこの山群を扱っています。
西吾妻山についての表記がありますので、引用します。
「総称の吾妻山は非常に広範囲で、その最高峰は西吾妻山である。山群中唯一の二千米峰であるが、近隣の峰々がそれに近い高度を持っているので、飛び抜けて主峰という感じはしない。」
深田久弥氏は、リフトがなかった時代にスキーでこの山に登っています。二人で登り、他には誰もいなかったそうです。
さぞかし気持ちよい滑降ができたことでしょう。
白花のリンドウは、生涯初めて観ました。
今回の山行だけで、千は下回らない数のリンドウを観ていますが、唯一の白花でした。
台風は九州から本州の日本海側沿岸へ進んでいます。
北陸はフェーン現象で、今朝は生暖かい風が吹いているようです。今晩から明日の明け方に最接近するようです。
折しもコシヒカリの収穫時期です。被害が出ないことを祈っています。
仰るとおりです。今回は2つのミスが重なり、山小屋到着時刻が5時になってしまいました。
晴天に恵まれたことと、二人が元気だったことに助けられました。
今後、このようなことがないよう、注意したいと思います。
雄大な山並みです。気持ちのよいハイキングができました。
私はこのような山行が好きですが、師匠は垂直に登るのが好きなので、物足りなかったかもしれません。
師匠とは毎年山へ行っています。
昨年は越後三山の中ノ岳、一昨年は八ヶ岳、その前の年は谷川岳でした。
お互い気の置けない仲間なのですが、それだけに気遣うところは気遣って、よい関係を維持していきたいと思います。
地図で確認しました。
等高線の間隔が緩やかなので、急な登りは無かったようですね。
途中疲れが出た頃、白いリンドウに出会って、励まされましたね。
シロバナは珍しいでしょう。
その他のお花もありますが、リンドウが一番多かったようですね。
山で暗くなったら大変ですよね。
時間の計算を間違えられたそうですが、明るいうちに弥兵衛平小屋に着かれて良かったです。
食料はお湯を注ぐとご飯になるのですか?
行動食とはどんな物でしょう。
興味があります。
19時過ぎに熟睡…下界とは大違いですね。
まだまだ先がありますね。
頑張って下さい。(今言っても仕方ないですが。)
本当に登山道の脇にリンドウがいっぱい咲いていますね。
私は、伯母子岳(和歌山県)に行った時、山頂で一輪だけ咲いているのを見たことがあります。
東北の日本海側の山にはエゾオヤマリンドウが多いようです。
月山、鳥海山でもたくさんエゾオヤマリンドウを観ました。
明日ご覧いただく、吾妻山の東側も、同様に多かったです。
結局、この山群では、オヤマリンドウは観ませんでした。
今回は距離は長くても、アップダウンが少ないので、楽に歩けました。
と言っても、お腹が空いたら動けません。いわゆるハンガーノックです。食べるとすぐに回復しました。
白いリンドウは園芸種にあると思います。
自然界での白花は珍しいですが、ないわけではありません。ネットでは見たことがあります。
春に咲くカタクリは、やはりある程度の確立で白花があります。
今の時季に咲いているツユクサも白花があります。
今回は、同じ株にピンク色の花も観られて、ラッキーでした。
食料は軽いアルファ米を使いました。お湯を注いで15分で、美味しくいただけます。
カレーはお湯で温めた後、保温性のある容器に入れておくと、やはり15分で全体が温かくなります。
行動食は歩きながらでも食べられるもので、今回は揚げ餅を持っていきました。
ナッツ類を持っていく人が多いようです。
有人の山小屋では、17~18時に食事をして、20時に消灯が普通です。
朝は皆さん、日の出前に起きられます。
山から帰ってもその習慣が残っていて、20時には眠くなっています。
今週末は台風到来のため、山歩きはお休みにしてのんびりしていたら、寝すぎたのかかえって腰が痛くなりました。やっぱり、週に一度は早起きして山に行く方が体には良いみたいですね。
吾妻山は歩いたこともなく、ほかの山からもあまり眺めた記憶がないのですが、なだらかな山容なんですね。
いったん、稜線に上がったら緩やかなアップダウンが続くのでしょうか。そういう山、歩きやすくていいですね。四国の山は成り立ちが若いので急峻な山が多いです。先週は広島の比婆山連峰に登ったら、中国地方の山は総じてなだらかな山が多く、四国の山に比べるとずいぶん楽だと思いました。
白いリンドウ、ご覧になれてよかったですね。私もアサマリンドウの白花やピンクはたまに見ますが、それ以外では白花のリンドウは見たことがないです。花に元気づけられると言いますが、ほんとにそれはあると思います。
まだ登ったことのない山なら、所要時間がわからないので、コースタイムの見落としをしたらちょっと厳しいでしょうね。朝8時過ぎの出発で17時到着ということは9時間の行動時間ですね。
日帰りならそう厳しくない行動時間ですが、泊りの山行なら荷物が重いので、そのぶんしんどいと思います。
東北や北海道は無人の小屋が多いみたいですね。
四国も避難小屋はあちこちにあって、食料とシュラフさえ担いでいけば泊まれるようですが、なぜかアルプスなどの遠征を除いてはなかなか泊まりの山行ができていません。(昔はテント泊の山行しかしたことがなかったですが)
テントも買ったので、一度ぐらいは星見の山行ぐらいに出かけたいものです。
今週は三連休なのに、台風のせいで家籠りを強いられている方も多いことでしょう。お気の毒様です。
会社生活を卒業してから、私の山行は週末を外すようにしています。
吾妻山の計画は8月に立てたので、その時は平日もロープウエイが動いていました。
それで9月のロープウエイの運航日を確認しないで、計画を立ててしまいました。
コースタイムの計算を間違えたのは、生涯初めてでした。大いに反省しています。
吾妻連峰は、東西約20km、南北約10kmの区間に、2000m級の火山が集まってできています。今も噴煙を上げている山もあります。
東西に縦走すると、それぞれの山のアップダウンはせいぜいが180mですから、楽なものです。
途中に山小屋があり、1泊で出掛けるのにふさわしい山域だと思います。
同じように、昨年は越後三山の中ノ岳と丹後山を縦走しましたが、これも上がってしまえば気持ちのよい稜線トレイルでした。
但し、上がるまでが大変でした。
私はずっとテント泊でしたが、このところ無人小屋に泊まることも増えました。
テントがない分、荷物が軽くて楽です。これまでのところ、小屋が混雑して困ったこともありません。
最近の傾向として、テント泊それもソロキャンプが増えているようです。
コロナ渦で小屋の定員が減っていることに加え、プライバシーが保てるからのようです。
それに、最近のテントは軽いので、負担が少ないのも理由のようです。
新しいテントをお買いになったのなら、是非秋の晴天日を見つけてお出かけくださいませ。