前回大幅に調整し直したヘッドのMXG1、使ってみました。
背水の陣の覚悟で臨んだ再々々調整はうまくいったのでしょうか。
まず前回の調整でグリップを細くしたのがだいぶ扱いやすさの
向上に一役買ったようで、前より軽快な操作性に。
-9gの軽量化も効いていたようです。
ガットをバボラのアディクション1.25mmに変えたのも良かった
ようで、ボールの飛びというか伸びが前よりは出やすくなって
いたのではないかと。
マルチガットとはいえ57pで張ったのでカチッとした感じが出て
MXG1のボールを持ちすぎる感は軽減していたようです。
ただやはりMXG1というラケットの基本的特性は残っていたようで
打感の柔らかさとスピンを大幅に増大させる特殊なグロメットに
よる構造的な特性が、個人的には最後までちょっと合わないような
感じが残ってしまいました。
まだ少しボールを持ちすぎてボールの伸びを出しづらい感触が。
どうもガットが柔らかく撓み過ぎてボールを潰しにくい?
そんなに打感を柔らかくする必要はないし、スピン特性もそんなに
無理やりグロメットで上げる必要はあったのかなぁと。
横のクロスガットのグロメットホールがかなりの縦長になっているので
打感の柔らかさとガットの撓みをかなりブーストしているようです
縦メインガットの方もグロメットホールが大きくて
ガットの撓みを結構大きくしていると思います
ヘッドさんのラケットライナップ的に、ハードな路線から順番に
並べてみると、プレステージ、グラビティ、ラジカル、スピード
エクストリーム、インスティンクト、という感じだと思われる
のですが、果たして今回のMXG1はどの辺に入るのでしょうか。
多分ラジカルとスピードの間ぐらいではないかと個人的に
思うのですが、そのへんのラケットとの差別化をするための
味付けとしてボール持ちがかなり大きくなるように、ああいう
グロメットを採用したのかもしれませんが、それが個人的に
合わなかったのかもしれません。
これがエクストリームぐらいのフレーム厚だったらパワー的にも
十分になってハマれていたと思うのですが。
どうもMXG1はフラット系の低い弾道のボールでガンガンいこうと
するとボールが潰しにくくてボール離れも悪いのでハードヒット
時に効率が良くなくて、スピン系でグリグリいこうとすると
ちょっとパワー不足を感じる、というような感じでしょうか。
ぼくのかんがえたラケット、というノリで好き勝手言うことが許される
なら、MXG1はグロメットに凝った仕掛けなどせずにラジカルのような
真っ当な普通のラケットに仕上げて欲しかったなぁと。
でも本当にそういうラケットにしちゃうとただブリッジのところに
マグネシウムの金属を入れたラケットっていうだけで、存在意義が
希薄になってしまって、余計にあんまり売れない感じになって
しまうかもしれません。見た目以外に何がウリなの?っていう。
その辺のさじ加減っていうのは難しいところかも。
MXG1の設計コンセプトは相反する要素のパワーとコントロール
の両立という事で、強度に優れる金属製のブリッジを使うことで
他のラケットと比べて縦ガットを長く取り、ボールのホールド性
を上げて結果的にそれでコントロールとパワーの両取りを狙う
というものだと推察するのですが、縦のガットがちょっと長く
なったぐらいではその効果が十分とは判断せず、更にグロメット
にも工夫を足してボールを掴む感じを強めに演出し、少し飛ばない
感じにしてスピン量なども含めたコントロール性というのを
売りポイントとして前面に押し出したかったのではと。
ちょっと思ったのは、もしMXG1のグロメットの設計がエクス
トリームと同じようなボール持ちがかなり強めな感じではなく
グラフィン360スピードMPと同じぐらいのボール持ち少し強め
ぐらいのグロメットホールの設計だったなら、もう少し掴みと
飛びのバランスが自分好みの丁度いい感じになったのではと。
MXG3のボール飛びに少し寄ったMXG1.5ぐらいの感じ的な。
でもそれではあまりにもスピードMPとキャラが被り過ぎで
やはりMXG1の存在意義が薄まってしまうかもですね。
という事で結論的にはMXG1はあのレジェンドのイワニセビッチ
がテストしていた時と同じように?18/20のストリングパターン
で出せば良かったのにと。
でもそれでは今度はあまりにもプレステージMP、グラビティPRO
スピードPROあたりとキャラが被り過ぎてしまう?
というかヘッドさんて他のメーカーと比べてもツアー系ラケットが
乱立し過ぎてるんじゃない?っていう根本的な疑問が。
今後MXG1は反発性があり硬いガットをハイテンションで張ったり
しながら使っていこうと思います。