堀江敏幸『雪沼とその周辺』を読みました。
雪沼という架空の街およびその周辺に住む人々を描いた
短編集です。
冒頭に収録されている『スタンス・ドット』で川端康成賞(2003年)、
連作短編集としての『雪沼とその周辺』で谷崎潤一郎賞を受賞。
解説の池澤夏樹氏が登場人物たちを
「篤実という資質を備えている」
と表現したことにとても共感を覚えました。
全体的に、人も、風景も、物語も、「篤実」だなあって感じなのです。
痛ましい事件もあるのですが、それらにも向き合って
粛々と生きている感じが好ましいです。
7つの物語のどの主人公も、
山あいに存在する寂れた街にふさわしく
ドラマチックな要素のない人々ですが、
それがまた味わい深いし、ちょっとだけ羨ましい。
ところで、すべての登場人物は「さん」づけで描かれているのですが
『スタンス・ドット』のボウリング場店主だけは
「彼」と表現されています。
これも何かの狙いがあるのかな。
なにはともあれ、良い小説です。
誰かにプレゼントしたい。
雪沼という架空の街およびその周辺に住む人々を描いた
短編集です。
冒頭に収録されている『スタンス・ドット』で川端康成賞(2003年)、
連作短編集としての『雪沼とその周辺』で谷崎潤一郎賞を受賞。
解説の池澤夏樹氏が登場人物たちを
「篤実という資質を備えている」
と表現したことにとても共感を覚えました。
全体的に、人も、風景も、物語も、「篤実」だなあって感じなのです。
痛ましい事件もあるのですが、それらにも向き合って
粛々と生きている感じが好ましいです。
7つの物語のどの主人公も、
山あいに存在する寂れた街にふさわしく
ドラマチックな要素のない人々ですが、
それがまた味わい深いし、ちょっとだけ羨ましい。
ところで、すべての登場人物は「さん」づけで描かれているのですが
『スタンス・ドット』のボウリング場店主だけは
「彼」と表現されています。
これも何かの狙いがあるのかな。
なにはともあれ、良い小説です。
誰かにプレゼントしたい。