岩城けい『さようなら、オレンジ』読みました。
舞台はオーストラリア。
アフリカから家族とともに逃れてきた難民の
「サリマ」を三人称で描くパートと、
学術関連の夫について移住してきた日本人女性の
「私」が英語圏の恩師に宛てた手紙のパートが
交互に紡がれます。
日本人女性「ハリネズミ」と「サリマ」は、それぞれ、
大学関係者(英文学か?)と英会話もおぼつかない難民。
接点がまるでなさそうなのに、
なんとなく、ちょっとずつ、近づいていく。
特にサリマの心理は、とても細やかに描かれていて、
日本で暮らしていると想像すらできない環境に生きる
人の、心のヒダの、ディテールがすごいと思う。
とはいえ、
本質的に真実なのかというと、それは希望論というか、
正直、想像の部分は大きいよなあ、と心の一方で思ったのも事実
もちろん、「或る人物」の物語なのだから、
マジョリティの心理じゃなくていいのだけど。
最終的に、サリマの物語を綴ったのはハリネズミで、
想像の部分もあってむべなるかな、という構成。
これは、うまいような、ずるいような。うーん。
とはいえサリマの考え方の変化や、
周囲との関係性の変化は、読んでいて素直に心を打たれました。
良いと思いました!
第29回太宰治賞受賞作。
舞台はオーストラリア。
アフリカから家族とともに逃れてきた難民の
「サリマ」を三人称で描くパートと、
学術関連の夫について移住してきた日本人女性の
「私」が英語圏の恩師に宛てた手紙のパートが
交互に紡がれます。
日本人女性「ハリネズミ」と「サリマ」は、それぞれ、
大学関係者(英文学か?)と英会話もおぼつかない難民。
接点がまるでなさそうなのに、
なんとなく、ちょっとずつ、近づいていく。
特にサリマの心理は、とても細やかに描かれていて、
日本で暮らしていると想像すらできない環境に生きる
人の、心のヒダの、ディテールがすごいと思う。
とはいえ、
本質的に真実なのかというと、それは希望論というか、
正直、想像の部分は大きいよなあ、と心の一方で思ったのも事実
もちろん、「或る人物」の物語なのだから、
マジョリティの心理じゃなくていいのだけど。
最終的に、サリマの物語を綴ったのはハリネズミで、
想像の部分もあってむべなるかな、という構成。
これは、うまいような、ずるいような。うーん。
とはいえサリマの考え方の変化や、
周囲との関係性の変化は、読んでいて素直に心を打たれました。
良いと思いました!
第29回太宰治賞受賞作。