【花粉にもウイルスの免疫にも】医師に聞く、ビタミンDの効果、正しい摂取法(VOCE) - Yahoo!ニュース
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日本人の8割がビタミンD未充足! その結果なにが起こる?
もともとインフルエンザなどのウイルス感染症に有効であることが知られていたビタミンD。それが昨年、海外のデータでコロナウイルスに罹患し重症化した患者の約82%がビタミンD不足であったことがわかり、俄然注目度がアップ! 「どんな食べ物に含まれている?」「サプリであればどう摂取するのが正解?」「多く摂り過ぎると体に悪影響があると言われているけれど、上限は?」など、ビタミンDにまつわるさまざまな疑問を医師に取材しました。 教えてくれたのは… 医師/日本機能性医学研究所所長 斎藤糧三先生 ドクター斎藤としてテレビ番組でもおなじみ、ビタミンD研究の第一人者。美容皮膚科治療、栄養療法、点滴療法、ホルモン療法を統合したトータルアンチエイジング理論を設立。『病気を遠ざける!1日1回日光浴 日本人は知らないビタミンDの実力』、『サーファーに花粉症はいない』など、著書も多数。
ビタミンDとは太陽光を浴びることで生成される特殊なビタミン
斎藤先生 「そもそもビタミンは、体内でつくることができない微量な栄養素。でもビタミンDは日光で紫外線を浴びると、皮膚でコレステロールから合成することができるんですね。そのため厳密にはビタミンではなくホルモンだという考えから“日光ホルモン”と呼ばれることも。 カルシウムの吸収率を高めるという働きがよく知られていますが、体内に侵入した最近やウイルスに対する防御反応をサポートし、本来持っているはずの免疫システムを高める働きも認められています。免疫強化というより免疫を調整することで、アレルギー反応を抑えてくれるんですね。インフルエンザや感染症予防、花粉症などのアレルギー改善にも効果があると、研究が進められています」
日光浴でビタミンD生成は現実的か?
日光に当たると皮膚で合成されるとはいえ、かなりの時間浴びないといけないのが実際のところ。10μg(400IU)のビタミンDを生成するのに、12月の12:00であれば札幌で139分、つくばで41分、那覇で14分も日光に当たる必要があるという。しかも生成に必要なのはUVB。窓を突き抜けて室内に入ってくるUVAと違ってUVBはガラスで遮られてしまうため、直射日光じゃないと意味がないのだ。 斎藤先生 「皮膚での合成と口からの摂取、合わせて1日に100μg(4000IU)が適切とされています。以前テレビ番組で、日焼けマシンによって紫外線を定期的に浴びることで花粉症の症状がどう変化するかという検証実験を行いました。その結果、2週間でかなりの改善が見られたのですが、実験に参加したタレントは日焼けして全身真っ黒。しかもこれをずっと続ける必要があるわけですから、日光浴だけで補うのは難しいかもしれません」 美容のために紫外線は徹底的に避けているという人も多いはず。ビタミンDの生成を妨げない日焼け止めも発売になっているので、チェックを。
ビタミンDを食事で摂るならキノコ類&サケやあん肝
斎藤先生 「ビタミンDは、D2からD7まで全部で6種類。なかでも重要なのは活性の高いD2とD3で、D2は天日干しシイタケ、きのこ、海藻類など植物性食品に含まれています。D3は魚肉や肝臓、鶏卵など。でもその量はわずかで、食品から摂取しようと思ったらかなり大量に食べなければなりません。日光に当たることで得られるビタミンDのほうがまだ効率がいいぐらいですから、サプリに頼るのが手っ取り早いと思います」
私は足りてる? ビタミンDの血中濃度を検査!
ビタミンDが不足すると骨粗しょう症のほか、がんリスクや高血圧、うつ病など多くの病気にかかりやすくなるというけれど……。足りてるのにサプリを飲むのもナンセンス! ということで血液中のビタミンDを調べる検査を受けてみた。
ビタミンD検査(総量、25-ヒドロキシD2・D3)¥10290/アンブロシア 約0.12mlの血液を指先などから採取し、シートに染み込ませて送るだけ。血液中のビタミンDはサプリなどでの補充がない限りは急に変動することはないらしく、測定値はここ2~3週間ぐらいの状態を表しているのだそう。検体を送ってから2~3週間後、家に届いた検査結果を見てみると……
ギリギリのグリーン! いやでも、この検査を受ける前、けっこうちゃんとビタミンDのサプリ飲んでましたけど? 1日に十分な量とされる5000IUのビタミンDを飲んでたはずですけど!?
ビタミンDサプリにもいろいろありまして……
斎藤先生 「海外のもの、日本のもの、いろいろなサプリを調べましたが、開封後も表示通りの成分量が担保されているものは意外と少ないのが現実です。見極めるのは難しいかもしれませんが、低価格すぎるものなどはあまりお勧めできません。不安があるようなら、血中濃度の検査などを定期的に行い、足りているかをチェックするのもアリですね」
ビタミンDの血中濃度が低いと、どうなる?
日光に全く当たらない潜水艦の乗務員でデータを取ったところ、ビタミンDは1日に3000IU消費されることが判明。食事などで必要量を摂取できていればいいけれど、そうでないなら脂肪細胞などに備蓄されている体内のビタミンDがどんどん使われてしまい、体内の血中濃度は低くなるばかり。すると花粉症などのアレルギー症状が出たり、風邪をひきやすくなったり、インフルエンザなどにかかりやすくなるという。毎日ちゃんとサプリで補っている斎藤先生は、いつ検査しても血中濃度は、検査結果でいうところの60ぐらいだそう。「たとえ風邪をひいてもすぐ治ります」って、なかなか休みを取れない多忙な現代人の理想形といえるのでは……。30以下だとコロナウイルス感染時に重症化するリスクが高いこともわかっているので、濃度はできるだけ上げておきたいところ。
ビタミンDはビタミンAと一緒に摂取を!
最低でも2000IU、感染症などの予防を考えるなら1日5000IUは必要だというビタミンD。しかしビタミンDを集中して摂取すると、ビタミンAを体に取り込みにくくなることから、AとDは合わせて摂取するのが望ましいそう。そこで、斎藤先生監修のビタミンDサプリ。
ビタミンDを飲むタイミングは朝が正解!
斎藤先生 「インフルエンザ予防のためにも花粉症の症状軽減のためにも、日中にもっとも血中濃度が高くなるようにしたいところ。だから飲むタイミングは朝、できれば朝食後がいいと思います。花粉症の人に聞くと、飲んで2時間ぐらいで症状が出なくなって、そのあと6時間ほどで血中濃度が下がるために鼻水が出たり、かゆみが出たりさまざまな症状が出始めるようです。 ビタミンDは1日4000IUが上限とされているので、それ以上は足さないほうが安全。ちなみに整形外科などで骨粗鬆症予防のために処方されるビタミンDは、カルシウムの吸収を上げやすいように活性型になっていますが微量なため、感染症予防や花粉症予防としてはあまり期待できず、不向きです」
ビタミンDを増やす日光浴マシンも登場
飲む日焼け止めを常用している人、太陽光を浴びる機会がほとんどない人は、ビタミンD不足を改善するために開発された日光浴マシンを試してみるのもアリ。週に1回、10~20分浴びることで、4000IU~10000IUのビタミンDを皮膚で生成することが可能。
ビタコラD 取り扱い店舗 SOLE外苑店 週に1回、10~20分程度浴びるだけなら日焼けの心配なし。有害な紫外線ではなく無害な人工光線だというのも安心できるポイント。希望部位に当てることができるけれど、生成されたビタミンDは血液により体全体に行きわたるので、照射部位で効果が変わるということはなし。ただ照射部位が広いほど、短時間でのビタミンD生成が可能になるんだとか。サプリを飲むのが苦手な人は、このマシンを有効活用してみて。