1) アストラゼネカのワクチンChAdOx1-nCoV19は南アフリカ変異株には完全に無効
2) フランスHAS:既感染者は1回接種で十分
3) 10都府県の緊急事態宣言の継続決定:過料を含む改正特措法も施行開始
4) 日本:1月の全国の変死事案のうち132人がコロナウイルス感染
5) 滋賀1人、兵庫2人、新潟3人でイギリス変異株感染:6人とも海外渡航歴なし
6) イギリス全土でようやく新規感染者数が減少
7) NY市で店内飲食が2か月ぶりに解禁
8) 世界レベルでもこの1か月で感染者数は半減
9) 中国はWHOへの流行初期の患者生データ提供を拒否
「中国側は十分だと考えているかもしれないが、データの入手が遮断されたことで、
われわれの観点からは、そのデータの解釈は極めて限られたものになった」
(WHO調査団、ドミニク・ドーヤー氏)
●アストラゼネカのワクチンChAdOx1-nCoV19は南アフリカ変異株には無効
→まだプレプリントですが、いずれ掲載されるかと。
予想以上に全く効いていないのでびっくりです。
プラセボと比較した感染阻止については、なんと有意差がありません
1回接種のAd26ベクターのJ&Jでは、南アフリカ変異株501Y.V2に対して効果は劣るもののある程度は保たれていたので、この差には驚きました。
ベクターウイルスによる遺伝子導入効率が違うのかもしれません。
重症化阻止効果は?という議論はあろうかと思いますが、あまり期待しないほうが良いかと。
RBD領域の変異についてはブラジル変異株P.1と南アフリカ変異株は良く似ています。
K417NとK417Tの違いのみ。
これについても同程度の活性低下がある可能性を考慮すべきかと思います。
しかもP.1は感染力が従来株の3倍という報道も出ているので、将来の主流株になるポテンシャルも持っています。
Safety and efficacy of the ChAdOx1 nCoV-19 (AZD1222) Covid-19 vaccine against the B.1.351 variant in South Africa
https://t.co/XQmOtn8jSo?amp=1
・B.1.351はRBD領域に中和抗体から逃避するE484K, K417Nに加え、NTD領域にも5つの変異がある。
回復期血清の48%はこの株を中和できず、残りの血清も中和力価が3-86倍の範囲で低下していると報告されている。
・ChAdOx1-nCoV19ワクチンによる中和抗体の誘導の人種差
PSVNAによる野生株に対する中和活性の変化
イギリス(n=326)、ブラジル(n=226)、南アフリカ(n=107)を検討。
baseline(左)、1回接種後(中)、2回接種後(右)を示していますが、ワクチンによる中和抗体誘導に人種差はなし。
ワクチン接種群も自然感染群の血清もRBD領域のみで活性が低下し、spike変異をすべて導入するとさらに活性が低下します。
ほぼ活性がKOされてしまうtiter<50の赤の割合はワクチン群で高いです。
●フランスHAS:既感染者は1回接種で十分
→自然感染によりprimeの部分は終了しているので、boosterの1回接種だけで十分という発想でしょう。
HASによると感染した人に1回接種すると、感染したことのない人に2回接種するのと同等以上の免疫が獲得できることが分かったと。
理論的にもそれで十分なはずです。
コロナ感染者は1回接種すれば効果 仏公的機関が見解
https://t.co/rBf8JvwhQL?amp=1
→1月の全国の変死事案のうち132人がコロナウイルス感染
123人は自宅や施設、ホテルで体調が悪化して死亡、9人は路上などの外出先で死亡。
76人は死後に感染が判明。
132人中18人(13.6%)は60歳未満。
1月の変死事案、132人がコロナ感染…12月の2倍
https://t.co/NWRCRvhpdQ?amp=1
→イギリス変異株B.1.1.7の全国拡散はほぼ確実でしょう。
「面的な広がりはない」のではなく、「現時点で見えていない」と考えるのが妥当かと。
滋賀1人、兵庫2人、新潟3人でB.1.1.7の感染が判明し、6人とも海外渡航歴なし。
もう「面的?」
https://t.co/sj3OTnbu7k?amp=1
→イギリス全土でようやく新規感染者数が減少してきました
ロックダウンの効果か、ワクチンの効果か、あるいはその両方でしょう。
ロックダウンはまだ継続の方針
規制緩和は学校再開を最優先する方針と。
イギリス全土で新規感染者減少 新型コロナウイルス
https://bbc.com/japanese/56051350
→NY市で店内飲食が2か月ぶりに解禁
ワクチン接種により重症化を防ぐ事ができれば、元の生活が戻るようになるはずです。
「ウィズコロナ時代の新しい生活様式」なんて継続不可能です。
我々は元の普通の生活を取り戻すべきかと。
NY市、店内飲食2カ月ぶり解禁
https://t.co/BILKK9g1eV?amp=1
→世界レベルでもこの1か月で感染者数は半減
44.5%の減少と。
世界のコロナ新規感染者数、この1か月でほぼ半減 AFP統計
https://t.co/aGTYfsQks8?amp=1
→中国はWHOへの流行初期の患者生データ提供を拒否
そのため、元データから独自に疫学解析を行うことができなかった、というWHO調査団のコメントです。
調査期間中にWHO調査団と中国側との間でかなり激しい議論となったと。
「中国は情報開示に積極的ではなかった」とWHOが証言したことで、この国の情報隠蔽体質が改めて強調される形になりました。
今回の調査の価値が一気に高まったと思います。
生データ提供拒んだ中国、コロナ起源巡るWHO調査に支障
https://t.co/z69h7ce8oK?amp=1
1) IL-6阻害薬は生命予後を改善させる
2) 飲食店の時短営業の影響で屋外での飲酒に関連したトラブル増加
3) 厚労省がファイザー社のワクチンを承認
4) イギリスはハイリスク1500万人のワクチン接種を完了
5) イギリス:6-17歳を対象としたワクチンの臨床試験を開始予定
6) 米大統領補佐官:中国は新型コロナ発生初期のデータを公開すべき
<WHOの調査報告書について>
「専門家による調査結果は中国政府による介入や、
改ざんのないものであることが不可欠だ」
「今回の大流行を、よりしっかりと理解し、次に備えるために
中国は発生初期のデータを利用できるようにする必要がある」
(アメリカ、サリバン大統領補佐官)
●IL-6阻害薬は生命予後を改善させる
→イギリスのplatform trialであるRecovery試験の結果です。
結論は「Tocilizumab(アクテムラ)は生命予後を改善させる」というものですが、これまでに8つのRCTが行われpositiveな結果が出たのはこれを合わせて2つのみ。
これまでの8つのRCTのメタ解析も行い、結論としてTocilizumabは有効としています。
サブグループ解析を見る限り、早期かつ重症化前にステロイドと併用で投与した特定のグループでの有益性が高そうです。
本検討はCRP 7.5mg/dL以上の高炎症状態の患者を対象としている点も重要なポイントかと。
https://t.co/mFZQosTs5K?amp=1
●日本の状況
→東京都の推移
東京都 新型コロナ 新たに371人感染確認
https://www3.nhk.or.jp/news/html/20210214/k10012866401000.html
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都内で新たに371人が新型コロナウイルスに感染していることを確認
都の基準で集計した14日時点の重症の患者は、13日より1人減って103人
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本日の全国の感染数・推移
埼玉131人、神奈川108人、千葉108人
大阪98人、愛知77人、福岡69人、北海道52人
兵庫44人、茨城38人、群馬34人、石川30人
2月14日 新たに確認された感染者数
https://t.co/90gSdETBQF?amp=1
→飲食店の時短営業の影響で屋外での飲酒に関連したトラブル増加と
どれくらい増えているのか、記事内に比較する数値がありませんが・・・
まあ、実際に増えているのでしょう。
人間だもの・・・
怒る市民のデモが起こる海外と比較すれば、これも許容範囲と個人的には考えたいです。
路地の一角で立ったまま飲み会スタート…横浜駅周辺で屋外飲み増、トラブル絶えず
https://t.co/i7QNn9ySFy?amp=1
→厚労省がファイザー社のワクチンを承認しました
対象は16歳以上で妊婦も接種可
ファイザー製新型コロナワクチンを正式承認、厚労省
https://t.co/WtgyrC77Z2?amp=1
→イギリスはハイリスク1500万人のワクチン接種を完了
6-17歳の子供を対象としたアストラゼネカのワクチンの臨床試験も開始するようです。
イギリスの新型コロナを廃絶しようという気迫を感じます。
副作用がほとんどなくうまく行くことを祈ります。
https://t.co/2FP28bWWCT?amp=1