「植物状態でも言葉に反応」という記事がアサヒコムに出ていた。カナダやベルギーの大学チームが、「植物状態の患者16人に脳波を測る装置をつけ、言葉の指示に対する反応を調べたところ、3人(19%)が正常な人と同じ反応を示した。」というのだ。
この件に関しては、よく似た話があって、確かブログに感想を書いた記憶があった。調べてみると2010年の「村ぶろ」にブログ「植物状態の人の意識の存在」(下記参考参照)を書いていた。そのときはMRIを使った検査だった。
上記二つの事実を見ても、植物状態の患者さんの中に少なくとも1割以上の人に正常な人と同じ意識を持っている人がいるということが分る。(資料数が少ないので、割合の数字には誤差の幅が大きいので要注意)
脳が正常な意識を持っていて、すなわち心=魂が生きていて体は、植物状態になっている、ということを想像するだけでも恐ろしい。本人からすると、最も過酷な拷問と同じに見えるかもしれない。
人間にとって、会話が出来ない、意思表示が出来ない事は、もっとも耐え難いことに違いないと思う。
ここ数年、脳波により、考えていることを抽出したり、ロボットで脳波又は脳からの筋肉への信号によりロボットを使って体を動かす装置の研究が進んでいて、時折ニュースになっている。
このような技術を応用して、出来るだけ早く意識のある人を見つけ出し、植物人間状態から離脱してもらい、適切な人間として尊厳を持った扱いや介護を受けることは、国の責任ですべきではないかと思う。
すなわち、誰でも最低限の基本的人権は、保障されなければならない。
植物人間で、意識を持っている人の意思表示が、少なくとも今の科学技術では、ある程度可能になりつつあると思われる。(表示装置の価格も一般化させるためには重要な要素になるだろうが)
そうであるなら、植物状態の患者さんの中で意識を持っている人の意志表示をさせないのは、その人の表現する自由を奪っていることになるのではないだろうか。
今後、出来るだけ早く研究が進展するよう国が支援し、まず植物状態の全患者さんを検査して、意識のある人を見つけ出す。
同時に国が意思表示できる機器の開発も支援し、実用化させる。
そして、国は、該当する人は誰でも、開発される意思表示装置を使用できるようにするべきではないかと思う。
更に、こうした技術は、最先端の技術として他の分野へ応用できる可能性が大きい。
参考
「植物状態の人の意識の存在」(村ぶろ 「散歩者」2010年2月10日)
今日のネットニュース(アサヒコム)の記事によると、54人の植物状態又はそれに近い「最
小意識状態」と診断された人のうち、5人は脳に障害がない健康な人と同じ反応を示し、
意識があるらしいことがわかったという。
実験ではfMRIを使い脳の活動を調べたという。患者に口頭でテニスを打つとか、家の中を
歩くといったことをイメージする指示をし、脳の変化を調べたという。更にいくつかの質問
をし、その結果5人から正確なYes,Noの反応が得られたと言うのだ。
この問題は、脳死の問題や臓器提供や安楽死の問題にも関連する話だ。脳死等は厳密に定義
されているのだろうが、今回の研究の成果をきっかけに更に、意識の存在の判定や命につい
ての研究が更に深まり、厳密化されることを期待したい。
周囲から見て、意識が無いと思われていた人の中に健康な人と同じ意識を持っている人が
いることが分った意義は、死刑の判決を受けた人が、裁判で冤罪判決を受けるのと同じほど
大な意味があると思う。欧米では尊厳死を認められる国や州もあるが、この事実は判定に
影響を与え、意識があるのに誤って尊厳死の名の下に命が絶たれることを防止できる効果が
ある。
こうした研究が発展して、一見植物状態の人が、自由に意思表示が出来るようになれば
もっと画期的である。以前脳の活動状態をコンピュータで検出し、その人のイメージした
画像を、表示する実験に成功したことが報道され、その画像も表示されていた。このような
研究も今回の植物人間状態の人に応用できるのかもしれない。
生前兄が入院していた時に、同じ部屋に交通事故で瀕死の重傷を負い、植物状態になった
青年が、同室にいた。そのとき私は始めて植物状態の人を見た。時折うめき声は発するが
問いかけに対する反応は無かったが、多少わずかに手足が動いた。毎日彼のお父さんが見舞
いに来て長時間付き添っておられた。その後その状態のまま自宅療養するということで退院
された。彼のために家を改造し電動ベッドや吸引器も買い、流動食を入れたり、接続口を
消毒するトレーニングもされたそうだ。そのとき彼のお父さんは、「息子は一生面倒見る。
彼の意識はあると信じている。」と話されていた。彼のような人が、コミュニケーションを
取れるようになるだけでも、彼のご家族は嬉しいと思うだろう。研究の進展を期待したい。
散歩者gooのトップページへ、 http://blog.goo.ne.jp/sksoo
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この件に関しては、よく似た話があって、確かブログに感想を書いた記憶があった。調べてみると2010年の「村ぶろ」にブログ「植物状態の人の意識の存在」(下記参考参照)を書いていた。そのときはMRIを使った検査だった。
上記二つの事実を見ても、植物状態の患者さんの中に少なくとも1割以上の人に正常な人と同じ意識を持っている人がいるということが分る。(資料数が少ないので、割合の数字には誤差の幅が大きいので要注意)
脳が正常な意識を持っていて、すなわち心=魂が生きていて体は、植物状態になっている、ということを想像するだけでも恐ろしい。本人からすると、最も過酷な拷問と同じに見えるかもしれない。
人間にとって、会話が出来ない、意思表示が出来ない事は、もっとも耐え難いことに違いないと思う。
ここ数年、脳波により、考えていることを抽出したり、ロボットで脳波又は脳からの筋肉への信号によりロボットを使って体を動かす装置の研究が進んでいて、時折ニュースになっている。
このような技術を応用して、出来るだけ早く意識のある人を見つけ出し、植物人間状態から離脱してもらい、適切な人間として尊厳を持った扱いや介護を受けることは、国の責任ですべきではないかと思う。
すなわち、誰でも最低限の基本的人権は、保障されなければならない。
植物人間で、意識を持っている人の意思表示が、少なくとも今の科学技術では、ある程度可能になりつつあると思われる。(表示装置の価格も一般化させるためには重要な要素になるだろうが)
そうであるなら、植物状態の患者さんの中で意識を持っている人の意志表示をさせないのは、その人の表現する自由を奪っていることになるのではないだろうか。
今後、出来るだけ早く研究が進展するよう国が支援し、まず植物状態の全患者さんを検査して、意識のある人を見つけ出す。
同時に国が意思表示できる機器の開発も支援し、実用化させる。
そして、国は、該当する人は誰でも、開発される意思表示装置を使用できるようにするべきではないかと思う。
更に、こうした技術は、最先端の技術として他の分野へ応用できる可能性が大きい。
参考
「植物状態の人の意識の存在」(村ぶろ 「散歩者」2010年2月10日)
今日のネットニュース(アサヒコム)の記事によると、54人の植物状態又はそれに近い「最
小意識状態」と診断された人のうち、5人は脳に障害がない健康な人と同じ反応を示し、
意識があるらしいことがわかったという。
実験ではfMRIを使い脳の活動を調べたという。患者に口頭でテニスを打つとか、家の中を
歩くといったことをイメージする指示をし、脳の変化を調べたという。更にいくつかの質問
をし、その結果5人から正確なYes,Noの反応が得られたと言うのだ。
この問題は、脳死の問題や臓器提供や安楽死の問題にも関連する話だ。脳死等は厳密に定義
されているのだろうが、今回の研究の成果をきっかけに更に、意識の存在の判定や命につい
ての研究が更に深まり、厳密化されることを期待したい。
周囲から見て、意識が無いと思われていた人の中に健康な人と同じ意識を持っている人が
いることが分った意義は、死刑の判決を受けた人が、裁判で冤罪判決を受けるのと同じほど
大な意味があると思う。欧米では尊厳死を認められる国や州もあるが、この事実は判定に
影響を与え、意識があるのに誤って尊厳死の名の下に命が絶たれることを防止できる効果が
ある。
こうした研究が発展して、一見植物状態の人が、自由に意思表示が出来るようになれば
もっと画期的である。以前脳の活動状態をコンピュータで検出し、その人のイメージした
画像を、表示する実験に成功したことが報道され、その画像も表示されていた。このような
研究も今回の植物人間状態の人に応用できるのかもしれない。
生前兄が入院していた時に、同じ部屋に交通事故で瀕死の重傷を負い、植物状態になった
青年が、同室にいた。そのとき私は始めて植物状態の人を見た。時折うめき声は発するが
問いかけに対する反応は無かったが、多少わずかに手足が動いた。毎日彼のお父さんが見舞
いに来て長時間付き添っておられた。その後その状態のまま自宅療養するということで退院
された。彼のために家を改造し電動ベッドや吸引器も買い、流動食を入れたり、接続口を
消毒するトレーニングもされたそうだ。そのとき彼のお父さんは、「息子は一生面倒見る。
彼の意識はあると信じている。」と話されていた。彼のような人が、コミュニケーションを
取れるようになるだけでも、彼のご家族は嬉しいと思うだろう。研究の進展を期待したい。
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