私は、病院の中で自由に行き来して、患者さんのケアをすることができる立場にあります。
それは、病院が私の資格というものを信頼して、今の役割を与えてくれているものであります。
しかし。
その道のりはかなり、険しいものがあります。
私と同じような道を先に進んでいる方々は、もっと険しい道のりを歩んでこらています。まず、自分の役割を、この医療の世界で「存在として」認めてもらえるような土台を作っていただいたことを感謝せねば、と思います。
ただ、資格を取れば、それで「All right.」というわけではなく、現実の「自分の病院」=「現状」は茨の道です。
特に、私の病院では、緩和ケアの概念自体が浸透していません。緩和ケア医の力を借りたり、自分でも緩和ケアというものがどういうものなのかを自施設で伝えてきたつもりですが、ちょっとやそっとでは変わりません。
医師たちは、忙しすぎます。
だから、呼び止めて、患者さんの治療方針などなどを話し合うのが心苦しく思えるときも多々あります。
が。
今まで一般病棟の医師をお相手に患者さんのケアをしてきましたが、時間があったら、この医師たちが自分と話し合いの時間をもち、いかに患者さんのケアを充実することができるのかということを考えられるのか、ということに疑問を持ち始めました。
要するに、ベテラン先生たちには「緩和ケア」の概念がない、ということを言いたかったのです。
ベテラン先生を批判しているのではありません。
そのような教育を受けてくることなく、日々の医療に追われている医師を責めることはできません。
ただ。
がん患者さんのケアを充実させようとすると、看護師と協働すれば、それでいいというわけではないのです。
医師の協力が必要なのです。
でも。
頻繁に…。
「先生、この患者さんの痛みのことなんですけど。」と医師に、私が話しかけると、
医師は言います、「ないない、この患者さんに、がんの痛みは、ない、ない。」といって、話すらできないことがあります。
患者さん側からすれば、できるだけ、苦痛は取り除いてもらいたいと思って、入院で療養されているわけで…。
正直に言って、何度も何度も「患者さんの苦痛を取り除けるよう、○○の指示をください。」とお願いしても、シカトに近い医師の態度を見ると、がっくり来る時があります。
けれど、医師を責めるばかりでは、おそらく、前には進みません。
その医師と患者さんのかかわりの回数を重ねていく中で、ひとつでも成果を見つけ、ひとつでもその医師の貢献を見つけ、病棟スタッフに、担当医に、フィードバックして、患者さんとのかかわりを続けないと、と思っています。
それにしても。
なんてストレスフル
いつかは、聞き分けのない医師に、「ぶち!」っと、キレたろか!!!と思っているポンなのでした。