緩和ケアで行こう

へなちょこ緩和ケアナース?!のネガティブ傾向な日記です。

ほんまに、ひどい話ですわ

2014-06-24 23:05:11 | 触れ合ってくださる人々

 患者さんが亡くなられた後、その患者さんのご家族にお会いする機会があります。

 多くは、支払いの機会に病棟を訪問をしてくださるとき。
 そして、遺族会の時。
 そして、そして、ばったりと出会ったとき。



 そうそう。


 ばったりと出会ったんです。
 ある患者さんのご家族と。





 最初は、道端で。


 家の近くを歩いていると、背後から声が…。
 

 「〇〇病院の緩和ケア病棟の看護師さんとちゃいますか?」


 振り向いてみると…。
 女性のお姿。



 でも、私は、
 

 「ど、どなたでしょ????」


 ってな感じで、一応、会釈した。




 その女性、私がその方のことを分かっていないということを前提に、ご自分は「これこれしかじかで、こういうものです」という感じで、患者さんのことや、病棟でこんな風に過ごしていた、担当の看護師はだれで、どのお部屋にいた、。。。などなど、詳細にお伝えくださいました。



 「あああああぁぁ・・・・」



 と私は返事をしたものの、さっぱり、患者さんのお顔が浮かんでこない。 
 しかも、その患者さんにまつわる出来事まで思い浮かばない。


 だいたい、名前が思い浮かばなかったり、患者さんのお姿が思い浮かばなくても、お話をしているうちに思い出してくるもの…。




 でも。

 全く、思い浮かばない。
 



 その女性は、「たくさん、患者さんがいらっしゃるんだから、思い浮かばなくても、当然、当然」といって優しい言葉をかけてくださいました。
 心苦しいばかりでした。


 どうやら、その女性のご家族が、ポンの所属している病院に入院しているので、またもや、患者さんが亡くなった後、1年も経たないうちにうちの病院に通っているとのことでした。
 心が痛みます。



 そして、



 いくら、話をしても、思い浮かばないものだから、ここは腹をくくって、その女性に、


 「すみません、思い出せなくて…」とお詫びしました。


 そして、「また、病棟のスタッフにきいて、思い出すようにします、すみません」と言い、その場は終わりました。



 
 「思い出すようにします」と言いながら、その作業をすっとこやっていなかった私。


 今度は、自分の病院でその女性にお会いしました。

 自分が仕事中だったのもあり、介護をねぎらって、その場は終わりました。



 次は。
 自分の病院の近くのコンビニで、私は必死に「どのアイスにしようかいなぁ~~~」と、うはうはな感じでアイスを選んでいるところ、
 その女性と出会いました。



 ぎょぎょっ。
 




 その時も、その女性がどの患者さんのご家族かがわからないまま…。



 ここまできたら、その女性のことがよくわからないけれども、よく出会う家族さんという存在に、自分にはなってしまっており…。
 かなり、気楽に話をしました…。

 別れ際、その女性は言いました。


 「看護師さんも、夜勤もあって、たいへんでしょ、おいしいものを食べてくださいね。」と。



 その女性は私のことを単純にねぎらってくれたはずなのに、その時もその女性のことを思い出せずにいたので、「ああ、ちっとも思い出せてない私をねぎらってくれているんだわ…」と勝手に思い込み、
 アイス売り場の冷気が漂っているはずなのに、変な汗をかきました。
 




 さすがに、こんな出来事があってん、ってな感じで、その患者さんの受け持ちだった看護師に患者さんの様子を聴きました。

 でも、やっぱり、思い出せない…。
 



 もう、あかんわ…。



 病棟のカメラにある画像に、あの患者さんとご家族が写っている、それをみれば…と思ったけれど、膨大な画像の数を思うと、なかなか画像で探すこともできていないのが現状…。




 ホンマにひどい話ですわ。



 ここまで全く思い出せなかったのは初めて。


 

 実は、出会いは、4回目もあるのですが…。



 その話、もうええわっ。どうせ、思い出せてないんやろっっ←ひとりつっこみ




 本当に申し訳ありませんでした。



 でも、ご家族のみなさまの平穏な…、ぼちぼちな…日々が続くことをお祈りしています。


 こんな感じですが、出会いには感謝しております。

 ありがとうございました。