SMILES@LA

シェルターからやってきたミックス犬のニコとデカピンのニヤ。どちらの名前もSMILEの犬姉妹の思い出を綴ります。

ミールが使われているペットフードを与える時に気をつけたいこと

2019-02-15 00:41:45 | ドッグフード原材料シリーズ

「また、あんまりおもしろいお話じゃないんだけどね〜」

ペットフードについて解説をしている書籍やサイトはたくさんあります。
ミールや副産物と表記されているものが、どんなに酷いものかを強い調子で書いているものもあります。

私はできる限りショッキングな表現は使わず、公的なサイトで公表されていることだけを書きました。
それでも「ミールの原材料となる動物の規定に”屠畜由来”という言葉が書かれていないこと」は
十分に衝撃的なことだと思います。

2017年と2018年には、殺処分に使われる麻酔薬がドッグフードから検出されるという事件があり
事故や病気で死んだ動物だけでなく、殺処分した動物も使っているという事実が確認されてしまいました。


ドッグフードの原材料を一つ一つ見ていく時に「乾燥チキンなのかチキンミールなのか」に
私がこだわっている理由には、そういう背景があります。

重ねて書きますが、ミールの全てが4Dミート由来というわけではありません。

とは言え原材料にミールが使われている場合、実際に含まれるものが何なのか分かりにくい点は欠点です。

けれども前回書いたように、ミールにはたんぱく質が凝縮された形で含まれているので
動物性のタンパク質を効率よく摂取できるという利点もあります。
 また、ミールを使うことでフードの価格が抑えられるのも利点と言えるでしょう。

ミールが含まれるフードを使う場合、信用できるメーカーを見つけることがポイントです。
信用できるメーカーと一口に言っても、簡単なことではありませんよね。

「〇〇と××をチェックしてこう書いてあれば信用できる」というようなものでもありません。
色々なメーカーを見比べて、リコールの履歴なども調べ、その時の対応も見て
企業としての姿勢を自分で判断しなくてはいけません。

また原材料の表記は、ミールとか副産物とか分けて書くのが本来ですが
「肉類」「チキン等」という書き方をしているような場合は企業としての姿勢が問われる部分です。
ビタミンミネラル類の表記も、どのような種類のサプリメントか分かるように書いているかどうか
そういう部分にも企業の姿勢は出ると考えます。

最終的には自分の嗅覚を信じるしかないのですが
嗅覚を研ぎ澄ますためにも、情報を得て勉強することが大切です。

あいまいな結論で恐縮です。


上記のような原材料としての透明性の他に、ミールには栄養面の欠点もあります。

前回「ミールの製法」の箇所で書いたように、最初のレンダリングの段階で
材料に含まれる油脂が溶け出すくらいの高温での調理がされています。

その後、乾燥させる際にも高温の加熱処理が行われます。

そしてドライフードの場合、最終工程でローストして仕上げます。
缶詰フードの場合は、缶に詰めた後に缶ごと加熱調理がされます。

このように、ミールの入った製品は3回の高温調理が行われているので
 原料に含まれるアミノ酸(タンパク質)が変質して消化吸収がされにくくなるという欠点があります。

(詳しくは過去記事 タウリンの吸収をジャマするもの2 をご覧ください)

この欠点はメーカー自身が対策を立てている場合もあります。
原材料にメチオニン、タウリン、リジンなどアミノ酸が添加されている製品は
ミールでは消化吸収しにくいアミノ酸類を補って不足しないように調整されています。

栄養上の相談ができる獣医師がいる場合は相談の上でタウリンのサプリメントなどを
プラスするというのも良いと思います。

また、フードに一手間かける余裕がある場合には、肉や魚をトッピングすることで
自然な形でアミノ酸を補うことができます。そんなに沢山でなくてOKです。

さっと茹でた手羽先や手羽中をキッチンバサミで小さく切ったものや
無塩サバ缶を骨と一緒に加えると、リンとカルシウムのバランスも大きく崩れません。


「工夫の方法は、過去記事でも紹介してますよ〜」


ミールという食材は動物にとって最高に理想的とは言えません。

けれどもミールがあることで、フードの価格は買い求めやすいものになっています。
また、人間用の食肉を取った後に残った部分を利用することは食資源の有効活用という点で大切なことです。

「私はミールが入っているフードは利用しない」という判断をするのは良いことです。
それは個々の飼い主さんが決めることでもあります。

けれども、ミールが入っているフードはダメなフードと断言することは、私はしたくありません。
ミールの欠点を補う方法を考えることで、新しく学ぶこと、気づくこともあるかと思います。

私は人様に指導するというような大それたことはできません。
けれども、自分の犬のために勉強したり考えたりすることで得た情報をシェアして
「それぞれにできる範囲のベストフード」を探すお手伝いができればいいと思っています。


dog actually の過去記事を再掲しているブログ「Dogs in the U.S アメリカの犬たち」にも
フードに使われている肉の定義などを書いた記事があります。

よかったらご覧になってみてください。


コメント (4)
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