SMILES@LA

シェルターからやってきたミックス犬のニコとデカピンのニヤ。どちらの名前もSMILEの犬姉妹の思い出を綴ります。

カンガルーミートのペットフードについての思い

2020-09-29 23:24:39 | まじめな話
ドッグフード原材料シリーズを書こうと、今回のフードの原材料を見ていた時のこと。

そのフードはカンガルーミートを使ったものだったんですね。
過去にもキアオラ などカンガルーを使ったブランドのことは書いているんですが
今回は、オーストラリアの大規模な山火事の後初めてのカンガルーミートだったので
ちょっと引っかかってしまったんですよ。


「いつもあたしのことをカンガルーに似てるって言ってるから?」

そういうわけじゃないのよ。

2019年末から2020年にかけて世界中を震撼させたオーストラリアの森林火災。
30億の野生生物が被害に遭い、ほ乳類だけで1億4300万が命を落としたり住処を失くしました。

元々はカンガルーの毛皮や肉の商取引は法律で禁止されているのですが
カンガルーが増えすぎて自然なバランスを崩しているとして、豪政府によって射撃が許可されるようになりました。

カンガルーを銃で撃って『駆除』して良いのは、許可証を得ている者に限られ
射撃の方法も苦痛を与えず一発で仕留めるよう頭部を撃つことが指定されるなど
色々と細かい規定があるようです。

しかし、こうして駆除されたカンガルーの肉や毛皮が商取引される=お金になると
当然のように許可証無しだったり、規制を守らなかったりする者が出てきますね。

あの大規模森林火災以前にも、このような理由でカンガルーミートにはグレーな面が付いて回っていました。

そしてあの火災。
駆除の対象となっているカンガルーやワラビーも多くが命を落としました。

オーストラリアのいくつかの州では、火災以降カンガルーの駆除が中止されています。
一方でいくつかの州では「火災の影響を受けていない」として「自然な個体数を維持するため」に
引き続きカンガルーの駆除が行われています。

食肉の問題は常に動物福祉の問題を含み、カンガルーだけを対象にモヤモヤするのは
ちょっと感情的に過ぎるかもしれません。

けれどオーストラリアという場所にしかいない野生動物が火災によって大量に命を落としたというのに
その同じ国の別の場所で、数の減った動物を銃で撃って『駆除』しているというのが、どうにも引っかかるんですよ。

それに駆除を中止している州があるということは、取引される量もかなり減っているはずで
「原材料の安定供給という面で大丈夫なのか?」「密猟されたものの可能性は?」というのも気になる。


「おかーさんて気になることホント多いよね」

まあ、確かにね。


またこの駆除の問題とは別に、私は以前からカンガルーやダチョウなどのフードには軽く疑問があるんですね。

犬の食性を考える時「何代にも渡って食べてきたもの」というのは大切な要素だと思います。
牛肉や鶏肉にアレルギーがある時、いきなりカンガルーを試すのではなく
その犬種が何代にも渡って食べていたタンパク質は何だろうか?と考えてみる。
ドイツやイギリス原産の犬なら羊肉や鹿、ダックなどが与えられていたでしょう。
和犬なら魚を多く食べて来たと思われます。

これらの何代にも渡って食べて来たタンパク質は体に馴染みやすいはずです。
反対にカンガルー肉を何代にも渡って食べて来た犬はそうそういないと思います。

ありとあらゆるタンパク質を試して、アレルギーが出ないのがカンガルーだけだったなら仕方ないけれど
早々に試してみるものではないと思うんですね。

...というのが、私が原材料一覧にカンガルーという文字を見た時に考えずにいられないことです。

決して「絶対だめ」とか「体に悪い」とかいうわけではないのですが、スッキリしない。

昔dog actuallyにこんな記事を書いたことがあります。
この頃に比べると、日本も他の国もペットフード事情が変わっています。
ジウィピークのような、人道的に扱われている家畜の肉のみを原材料にしたフードも販売されています。

普通に売られているものに疑問を持つことは変化のための第一歩です。
だから私は自分がカンガルー肉のフードに感じる引っかかりにこだわろうと思います。


《参考URL》
2020 kangaroo cull                       


コメント (3)
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