SMILES@LA

シェルターからやってきたミックス犬のニコとデカピンのニヤ。どちらの名前もSMILEの犬姉妹の思い出を綴ります。

害虫対策に私が『自然派』をお勧めしない理由

2022-06-03 00:59:26 | 食餌・健康
コメント欄でノミダニ駆虫薬についてご質問をいただいたのですが
長くなりそうなので記事にすることにしました。

愛犬にはできるだけ強い薬を使いたくないという飼い主さんは少なくありません。
私もかつてはその一人で、できるだけ自然のものが良いと考えていました。


「”自然のものだから安心”て言葉に惑わされたらダメよ」

でも現在は、ノミ・ダニ・蚊は獣医さんが勧める薬剤を使うのが一番だと思っています。

地球温暖化の影響で、世界中でノミ・ダニ・蚊の生息域が広がり、数が増え、活動期間も長くなっています。
さらに2011年には重症熱性血小板減少症候群というマダニを介した新しい感染症も発見されています。

ダニを介して犬がバベシア症に感染したり、人間がライム病や出血熱に感染すると
予防のための強い薬剤どころではない負担を強いられます。

温暖化の影響でノミやダニが増えていることは以前に「犬のココカラ」でも書いたことがあります。
地球全体がこのような状態になっているので、アロマスプレーや超音波の首輪では十分に病気を防ぐことは困難です。
ラベンダーやニームなど、ノミやダニが嫌がる植物はありますが持続時間の短さや全身に行き渡らせる難しさなどは実用的ではありません。
またティーツリーのように、小型犬に大量に使うと有害なものもあります。

ノミダニ駆虫薬を内蔵した首輪も市販されていますが、購入する場合は信頼できるメーカーの正規品を正規ルートで買うのが鉄則。
ホームセンターなどで売っているものは複数の駆虫薬を使用している場合があり
その組み合わせが危険なものもあるからです。

スポットタイプか経口薬か、居住地、犬種、体質によってもベストな薬は違います。
かかりつけの獣医さんと相談して決めてくださいね。

薬品ですから、投薬の後は肝臓が薬の分解のために働きます。
投薬の後の体への負担が心配という場合は、肝臓サポートのハーブを使うのもお勧めです。
 この製品に含まれるミルクシスル(マリアアザミ)について以前に詳しく書いた記事はこちら。

マダニは都市部の公園などにも普通に生息して、草むらで動物が来るのを待っています。
犬だけでなく飼い主さんも対策をしておきましょう。
気温が35度を超えると、ダニは犬よりも人間に好んで近づくという研究結果も報告されています。

肌の露出をできるだけ抑えて、虫除けスプレーなどを使います。
散歩の後は、人も犬もダニがついていないかチェックしましょう。

「チェックして、ダニが噛みついてたらどうしたらいいの?」

もしも噛まれてしまった場合、絶対に手で無理やり取らないでください。
口部分だけが皮膚に残ってしまうと危険です。

ダニをクルッと回して取り除く、このような製品もあります。
 
取れない場合、人でも犬でもそのまま病院に行きましょう。(人は皮膚科)
自宅で取れた場合にも、必ず病院に行って皮膚に残っているものがないか確認して消毒してもらいます。

マダニの危険性は「ちょっと大げさじゃない?」と思うくらいの対策が必要です。
マダニが媒介する感染症は、噛まれると必ず発症するというわけではありません。
その点は蚊によって媒介される感染症と同じです。

ダニに噛まれた後、3〜4週間は発熱、下痢、倦怠感、発疹などが出ないか観察し
症状が出た場合は内科で必ず「いつ、どこで、どの箇所をダニに噛まれたか」を伝えます。



「あたしは草むらには近寄らないわよ」

ニコもニヤも草が茂っているところに行くことはほとんどなくて
公園でも芝生や砂利道を好む犬らしくない子たちでした。
ありがたいことに生涯を通じてダニに噛まれたことはありませんでしたが、いつも色々心配していたなあ。

「おかーさんシンパイショーだからね」

心配するのも幸せだったんだよ。