SMILES@LA

シェルターからやってきたミックス犬のニコとデカピンのニヤ。どちらの名前もSMILEの犬姉妹の思い出を綴ります。

犬用ガムのローハイドの製法とは?

2022-06-08 01:02:39 | 食餌・健康
愛犬のデンタルケアのために犬用ガムを与えているという方は多いと思います。

犬用デンタルトリーツはいろいろな種類のものが市販されていますが、一般的なのはローハイドを使ったタイプです。

このブログの初期の頃にローハイドの製法や注意点について何度か書いたことがあるのですが、今回は久しぶりに復習です。

最近はあまり見かけなくなったけれど「骨ガム」と呼ばれた牛皮を骨のような形に成形したオヤツがありましたよね。

↓薄茶色の結んであるタイプ。これがローハイドの骨ガム。

Debbie MillerによるPixabayからの画像

日本で犬用ガムとして売られているのはこういう大きいのではなくて、白くて細いスティック状でミルクやチキンフレーバーを付けた製品が多いですね。

ローハイドを使った犬用ガム、原材料を見ると『牛皮』と書かれています。
食肉用の牛を解体した時に出た皮をオヤツにしているということ?

まあ、確かにそうなんですが、その製法はかなり複雑です。

以下、ちょっとショッキングな表現がありますのでご注意ください。

牛は食肉だけでなく、靴やバッグに加工される皮革としても利用されるので、屠殺の後にまず皮が取り除かれます。
この皮は何層にもなっており、皮革製品に加工されるのは毛のすぐ下の層です。
その皮革の下にもう一つ層があり、ローハイドに加工されるのはこの部分です。

皮革とローハイドを分離する工程は次のとおりです。
  1. 屠殺場で肉から取り除かれた皮は大量の塩をまぶして加工工場に送られます。これは防腐のためですが、この皮は食品になるわけではないので殺菌などの処理は行われません。
  2. 次に皮から毛と脂肪を取り除きます。この工程には硫化ナトリウムや石灰が使われます。
  3. 毛と脂肪を取り除いた皮を別の化学薬品に浸して皮革とローハイドの層を分離します。
  4. 漂白剤、過酸化水素水などを使ってローハイドを白くした後、防腐剤が添加されます。
つまりローハイドは食肉の副産物ではなく、靴やバッグに加工される皮革なめし工場の副産物だというわけです。
このようにして分離されたローハイドが、切断や成形、香料やフレーバー添加を経て犬用オヤツになります。

そしてこのローハイドの最大の出荷国は中国です。パッケージに原産国日本と書かれていても、ローハイドを輸入して最終加工の切断や成形を日本で行えば、原産国は日本ということになります。

犬用デンタルガムの原材料に『牛皮』と書かれているものの製造工程は上記の通り。
人間の食品には絶対に使わない薬品で処理されているので、私はローハイドには一切手を出しませんでした。

中国産以外のローハイドでは、化学薬品を使わずに加工されたものもあります。
その場合、毛を取り除くためには酵素が使用され、物理的に皮革と分離して、漂白せずに低温乾燥されます。
このタイプの犬用オヤツは成形せずに小さく切っただけのタイプがほとんどです。
当然ながら価格は相当高いですが、化学薬品についての心配は無くなります。


「でもそういうのでもニコ食べたことなかったよ」

衛生面や化学薬品のリスクを回避できたとしても、私がローハイドに手を出さなかったのは、その消化性の低さのせいです。

ローハイドは「タンパク質豊富」と商品説明されていることが多いですが、消化器官ではほとんど消化されません。
細く加工されたものなら、消化せずにそのまま出てくるだけで危険性も低いですが
長い時間噛むための大きいサイズのものは飲み込んだカケラが胃腸で水分を吸って膨らみ消化器官を詰まらせる恐れがあります。
大きなかけらを飲み込むと胃腸以前に喉で詰まって窒息する恐れもあります。
そう度々起こる事故ではないですが、いったん起きると命取りになるので軽視はできません。
このような事故はオーガニック製品でもリスクは同じです。

アメリカではローハイドについてペット関連のメディアが度々リスクを説明しているせいか、ローハイド製品は年々少なくなっている印象です。
ニコを迎えた頃はペット用品店にローハイド専用コーナーがあるほど定番でしたが、今では「ローハイド不使用」が売り文句になっているくらい。

でもしっかりと噛み噛みできるオヤツが大好きな犬も多いですよね。
ローハイドが好きな子なら細いスティックタイプで国産牛皮使用の無着色タイプ、
またはデンプン質メインのデンタルトリーツ、アキレスのジャーキーなどの選択肢があります。

うちは米粉とチキンのデンタルトリーツを与えていました。
「おいしいけど、すぐになくなるんだよ」

食べるのに時間がかかるもの、長く噛めるものという条件なら噛むおもちゃを使うという手もあります。

いろんな種類があるけれど、やっぱり定番のコングが安心な気がします。

これはニコニヤもお世話になったコングの噛み噛みボール。中におやつが入れられます。
 
こちらはスティックタイプ。小型犬にお勧めです。
 

ニコがかじっているようなデンプン主体のデンタルトリーツについては次回詳しく書きます。
これはこれで色々と注意したほうが良い点があるのでね。
コメント (4)
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