ドッグフード原材料シリーズ、今回はプラチナムのウェットフードです。
プラチナムのドライフードはちょうど1年くらい前に取り上げたことがあります。
「同じメーカーだから、同じじゃないの?」
それがけっこう違うんだよ。
ドッグフード原材料シリーズ過去記事はこちら
ウェットフードは3種類あるのですが、ここではターキー+サーモンを。
原材料はこちらです。
フレッシュターキーミート(63%)、フレッシュサーモン(20%)
乾燥ポテト、乾燥野菜(ブロッコリー、ニンジン、リーク)
オリーブオイル、ビタミン類(ビタミンD3、ビタミンE)
ミネラル類(銅、亜鉛、セレン)
フレッシュターキーミートのフレッシュとは冷凍していないという意味です。
このメーカーは冷凍していない肉を使っていることをアピールしています。
ターキーは鶏肉と同じように脂肪分の少ないタンパク源です。
サーモンも同じく冷凍していないものを使用しています。
サーモンは良質のタンパク質源であることの他に、含まれる脂肪が犬にとって理想的なオメガ3脂肪酸を含みます。
ターキーとサーモンを合わせて動物性タンパク質83%と表記されていますが
これは原材料として使われた肉と魚の重量が原材料全体の83%であるということです。
製品の栄養成分のうち83%がタンパク質というわけではありません。
生の肉や魚は約6〜7割が水分ですからタンパク質含有量はもっと少なくなります。
この製品に含まれるタンパク質保証分析値は14.20%と記載されており
一見するとドライフードよりずっと少なく見えます。
これはウェットフードにはその名の通り水分が多く含まれるからです。
水分を除いて含まれるタンパク質の量を計算するにはこちらの公式を使います。
保証分析値%÷(100-水分%)×100
これに当てはめると、この製品のタンパク質は43.96%です。かなり多めですね。
3番目の乾燥ポテトはこの製品の炭水化物源です。
ポテトのデンプンは一部が難消化性デンプンで、不溶性食物繊維のような働きもします。
その次の乾燥野菜のうち、ブロッコリーとニンジンは犬にとっても定番食材です。
乾燥して加工してもこれら緑黄色野菜の抗酸化物質は有効なままです。
しかし問題は3つ目のリーク。日本ではリーキと表記されることもあります。
リークってネギです。これです、これ!
Elena EscagedoによるPixabayからの画像
なんでこんなものがドッグフードに入ってるのだ?
英語の表記を見てもleekと書かれているので、この太いネギの一種で間違いないはず。
「犬に与えてはいけない食べ物」と言えばチョコレートと並んで常にトップに挙げられるネギ類ですよ!
もし仮に「少量だから大丈夫」とメーカーが考えているとしても、わざわざ使う必要がありません。
チキン&サーモン以外のフードでも使用されているので、このフードを与えている方は一度メーカーに問い合わせてみることをお勧めします。
オリーブオイル オリーブオイルに含まれる脂肪酸で最も割合が高いのはオレイン酸です。
オレイン酸はオメガ9脂肪酸の一種ですが、オメガ9は体内で合成できるので必須脂肪酸ではありません。
(必須脂肪酸=体内合成できないので食物から摂取することが必須の脂肪酸)
反対に必須脂肪酸のひとつであるオメガ6脂肪酸のリノール酸は少なめです。
リノール酸とオレイン酸は原材料筆頭のターキーにも含まれているので不足はないと思われますが
「どうして敢えてオリーブオイルなんだろう?」とちょっと不思議に感じます。
最後のビタミンとミネラル類の種類が同社のドライフードと比べてすごく少ないです。
もしかしたらサーモンは骨や内臓が含まれたまま使用されているのかもしれません。
EUの飼料管理機関であるFEDIAFの基準は満たしていると表記されているので栄養的に不足はないはずですが
この辺りはもうちょっと明確にして欲しいところです。
この製品は缶詰ではなくテトラパックで密封されています。
テトラパックでの加熱調理は缶詰よりも速く中心部分にまで火が通るため
調理時間が短く、栄養素や風味が損なわれにくいという利点があります。
同社のドライフード同様に、水は一切使わずに肉や魚の水分のみで調理されているのも特徴です。
「すでに文句を言ってるけど、全体的にはどうなんですか?」
ドライフードに比べて、全体的に「なぜだ?」という疑問が多いですね。
無水調理やテトラパック使用などは良いと思うのですが......。
同社のドライフードを取り上げた時に日本支社のウェブサイトにちょこちょこ間違いがあると書きましたが
「アレルギーに配慮したグルテンフリー」などの表記はそのままですね。
小麦グルテンがアレルゲンになる犬もいるけれど、チキンがアレルゲンの犬もいる。
グルテンフリーやグレインフリーはアレルギーが起きにくいという意味ではありません。
↑これはほんの一例ですが、重箱の隅をつつくようだけど企業の姿勢が表れる部分だから大事なことです。
しつこいけれど一番引っかかったのは「リーク」ですね。
以前にヒルズのフードの原材料一覧に「ぶどう」と書かれていたのを見た時以来の衝撃でした。
本日のニヤとズーマちゃんはどちらも2017年3月です。