ドッグフード原材料シリーズ、今回はNZのフード「サンデーペッツ」です。
毎度のことながら、間が空いてしまってすみません。
「幻のシリーズと化しているドッグフード原材料シリーズです」
まったくだわね、原材料シリーズは書くのにエネルギーがいるのよ。
さて、このブランドの大きな特徴はフリーズドライフードがあることです。
アマゾンではフリーズドライは扱っていないので画像がないのですが
上に貼り付けたのは公式のウェブサイトです。
(写真は綺麗ですが、文章は英文直訳でわかりにくいです)
フリーズドライはラムとビーフがありますが、ラムを取り上げます。
ニュージーランド・グラスフェッドラム 93%
(ラム肉、ラムレバー、ラムキドニー、ラムハート)
カボチャ 3%、ニンジン 3%、ブルーベリー 0.08%
亜麻仁 0.07%、有機ジャイアントケルプ 0.07%
緑イ貝 0.07%、マヌカハニー 0.07%、有機リンゴ酢 0.07%.
ご覧のように、割合まで表示されているのは安心ですね。
ニュージーランド産のグラスフェッド(牧草飼育)のラム肉ですが
レバーは常時、季節によってキドニー(腎臓)とハート(心臓)が含まれるそうです。
牧草飼育の家畜の肉は穀物飼育のものよりも脂肪の融点が低く
口溶けが良いのが特徴と言われています。
羊も牛も本来は穀物よりも草を食べる動物なので
牧草飼育の肉の方が健康に育つと考えられるでしょう。
家畜に穀物を与えるのはその方がコストが低いからなので
牧草飼育の肉はその分値段は高くなります。
内臓肉が含まれることで、ビタミンやミネラル類が
自然な形で摂取できるのは嬉しい点です。
カボチャ、ニンジン、ブルーベリー、どれも少量ですが
炭水化物と抗酸化物質のソースとして良いものです。
亜麻仁=フラックスシード ですね。
食物繊維と抗酸化物質が豊富です。
オメガ3脂肪酸であるアルファリノレン酸(ALA)を含みますが
ALAは体内でDHAとEPAに変換しないと活用できません。
犬はこの変換能力が非常に低いのでオメガ3の摂取源にはなりません。
(ちなみに人間でも変換率は低い人で10%前後、高い人で30%前後)
有機ジャイアントケルプ、昆布のことです。
ヨウ素やナトリウムの摂取源となります。
緑イ貝は淡水に住む二枚貝です。
亜鉛、銅、セレニウムなどのミネラル類とコンドロイチンを多く含み
オメガ3脂肪酸も豊富に含みます。
これらの成分のため、関節炎のサプリメントによく使われます。
マヌカハニー、これもNZらしい原材料ですね。
マヌカの花の蜜ですが、他のハチミツよりも殺菌力が高いことで知られています。
この製品は非加熱の生肉が主原料なので、栄養成分というより
抗菌効果を期待して配合されているのかもしれません。
有機リンゴ酢にはペクチンなど水溶性食物繊維が含まれており
腸内細菌のエサになります。
この製品には以下のようなビタミン、ミネラル類が添加されています。
【栄養添加物】(kgあたり)
E6 亜鉛 (グリシン水和物亜鉛キレート) 90mg、
E4 銅(グリシン水和物銅キレート)2mg、
3b8.10 セレン酵母(有機セレン酵母 CNCM I-3060)0.15mg、
ES マンガン (グリシン水和物マンガンキレート) 10mg、
ビタミンE 60 IU、ビタミンB1 3mg、
ビタミンD3 600 IU、葉酸 0.2mg
ミネラル類はキレート加工(科学的にタンパク質と結合させて
吸収しやすくする加工)または酵母と結合させているので
吸収しやすいという面では安心です。
でもカルシウムが添加されていないんですよ。
原材料に骨という表記もないし(オリジナル英語版でも無い)
英語版のサイトではAAFCOの栄養基準に準拠していると書いてあるので
大丈夫だとは思うのですが、これは明確にして欲しい点ですね。
カルシウムは不足していても短期的には影響は出てこないし
普通の健康診断をしても不足しているかどうかはわかりません。
カルシウムというと骨の強さのことが頭に浮かびますが
心臓、血液、脳といった重要な機能に深く関わっています。
ですから摂取が足りなくなると、骨を溶かしてでも補給するんですね。
「骨はお肉といっしょに食べるといいよ!おいしいよ!」
もう1つ、こちらはフリーズドライではない
普通のベイクドタイプのドライフードです。
ラム64%(ラム肉、肝臓、腎臓、心臓)
野菜34.9%(カボチャ全体、亜麻仁、ニンジン、オオウキミオ(海藻)
緑イ貝0.2%、ブルーベリー0.2 %、マヌカハニー0.1%、リンゴ酢0.1%
【栄養添加物】(kgあたり)
E6亜鉛(グリシン水和物の亜鉛キレート) 90 mg、
E4銅(グリシン水和物の銅キレート) 2 mg、セレン酵母 0.15 mg、
E5マンガン(グリシン水和物のマンガンキレート) 10 mg、
ビタミンE 60 IU、ビタミンB1 3 mg、
ビタミンD3 600 IU、葉酸 0.2 mg
原材料のラインナップはフリーズドライとほぼ同じです。
ベイクドタイプの方は肉が少なめで野菜が多くなっています。
原材料の中でカボチャ全体と書かれているのは、
種やワタまで全部使っているという意味です。
オオウキミオ(海藻)と書かれていますが、これはオオウキモです。
大浮藻と書きますが、ジャイアントケルプのことです。
つまりフリーズドライの製品に使われているのと同じもの。
なぜ表記を変えたの?しかも間違ってる😆
ドライフードの商品名ジェントルベイクは
低温で焼き上げているという意味から来ています。
低温調理だと、熱によるアミノ酸の変質が少なくてすみます。
「それでは、フードの全体的な印象を」
フリーズドライもベイクドタイプもタンパク源は純粋にお肉だけ。
添加物も栄養補給のための最小限に抑えられており安心です。
どちらも炭水化物少なめですが、フリーズドライの方は特に顕著です。
フリーズドライは必要に応じて食材をプラスするよう説明されています。
ニュージーランドのフードはお肉多めの低炭水化物が多いですね。
高級フードの代表K9ナチュラルやジウィもそうです。
でもNZは都市部でも大きな公園で犬が自由に走り回ることができます。
そのような環境にいる犬と、リードを付けたお散歩がメイン運動で
1日の大半を室内で過ごす日本の犬とを比べた時
このちょっと極端なバランスのフードは適切なのか?というのは
落ち着いて考えてみる必要があると思います。
NZ産のフードがダメという意味ではなくて
愛犬のライフスタイルとフード原産国の犬のライフスタイルを考えて
調整していくことが必要な場合もあるということです。
フリーズドライフードはその製法やレシピから見て当然とも言えますが
お値段はかなりお高めです。
同じフリーズドライタイプのK9ナチュラルより若干お安い、かな?という感じ。
フリーズドライタイプの扱いは生肉と同じ注意が必要です。
水で戻すと活動を休止していた細菌類も戻りますので
給餌の準備をしたらしっかり手洗いを。
お腹が弱めの犬に与える場合は細心の注意が必要です。
サンデーペッツの輸入代理店は前回取り上げた
ウルフブラット と同じ会社です。
前回も書いたように公式サイトもきちんとしていて信頼できる感じです。