(1)韓国の民衆の底力はすごいですね。ユン・ソンニョル大統領が3日夜に宣言した「非常戒厳」を4日未明に解除に追い込んで、しかも大統領にお詫びの演説をさせました。
(2)「非常戒厳」で、集会・デモなどの政治活動を禁止し、メディア・出版を制限しようとしました。軍隊が出動して国会でもみあいになり、国会の機能が妨害されました。
これは、日本でいえば、立法機関である国会の権限(立法や審議の機会)を内閣が奪い、国民の権利などを内閣が定める「政令」で規制・停止できるようにしようとしたわけです。ですから、これを許せば民主主義は滅びてしまいます。圧殺です。ユン大統領は、自分や夫人の問題などもあり、政治的行き詰ってこのような横暴に走り、民主主義に敵対したわけです。
(3)ちょっと話がズレますが、選挙になると「議員数が多い」とか「議員を減らす」と大声でいう人や政党があります。
ここで、「立法機関である国会」は、政府の政策や政治姿勢を審議の機会を通じて「行政機関である内閣」の姿勢を正しています。言い直すと、国会は、政府が日本国憲法の精神に基づいて国民の権利の実現や要望を適えることを求め、また自ら政策立案して提案し、立法化し、政府にそれを遵守して働くように求めるとともに、政府が無駄なく効率よく行政をおこなっているか監視しています。
議員数は何人が適正かは難しい問題ですから、それはいま措くとして、議員数が少ないと行政に対する目配りが不足して、行政が野放しになり、政府のやりたい放題になります。
(4)つまり、議員定数削減をことさらに言う人や政党は、国民には「経費削減」を言って人気取りをし、実は議会の役割を軽視して、行きつくところは、「議論ムダ」、「議員無用」、「議員歳費はコスト」となり、少ない議員で審議は形式的におこない、審議が混乱してきたら「戒厳令」に飛びつくのかもしれません。そういう気配のある政党ありませんか?
【コレクション 130 マルクス=エンゲルス全集】
現実生活の中では、正しいものをないがしろにしておいて不正解の中から正解を求めようとするという風潮が顕著です。たとえば、天動説と地動説です。地動説は誤りだ、天動説が正しい、といって、天動説の範囲内で天体の関係を説明しようとするようなことです。
もちろん、今日では天動説が正しいということでは成り立ちません。しかし、地動説が正しいことを理解したうえでも、天動説が役立つところがあります。
昔の話では地主と小作の話があります。地主は小作人がいなければただの土地持ちです。小作人が土地を借りてくれ、収穫物の一部を小作料として払ってくれるから土地所有者は地主として生活ができるのにも関わらず、「自分の所有する土地が小作料をもたらす」と考えます。
マルクスやエンゲルの著作をあれこれと解釈するだけで生涯を終わっていくだけの「研究者」が多いですが、その多くは紙くずです。私が知っている大学教授の中には、自分の在職中はマルクスのことを専門として飯を食っていたのに、その大学を停年になって別の大学に転職する段になったらにわかにマルクスは間違っていると本を書いた人もいます。
大事なことは、マルクスやエンゲルスをできるだけ理解するように努め、現在の問題に生かすことです。
これは、大きさはB5判8㌻です。B5判4枚分の横長の用紙を、最初に左右から4分の1を折り込み、できたものを二つ折りするとできます。推薦文などはありません。
全体は、
1㌻ 下に掲載
2㌻と7㌻ 下に掲載
3~6㌻ 内容目次
8㌻ 刊行案内と関連宣伝 略
1㌻
2㌻
7㌻
以上です。
1.山茶花の来客
2.公園のけやき
3.つかの間の夕焼け
4.月を見落とし 代わりに金星
今日はここで。