宗恒の茶庭

「茶道 思いつくまま」や「和の美術」など

美濃の茶陶展 @サントリー美術館

2019-09-18 15:52:28 | 美術


16世紀から17世紀にかけて桃山時代の黄瀬戸・瀬戸黒・志野・織部など美濃の作陶展覧会。
美濃は今の岐阜県。

この時期の美濃焼は力強く大変個性的なものがでてきました。

まず志野では国宝の「卯の花垣」が登場。
志野焼は長石釉の白が温かみを感じさせ、そこに模様が穏やかに描かれているものが茶碗でも香合でもあります。
鼠志野茶碗は灰色に少し赤みがあり、これは重そうで大振りです。大振りな水指もありました。

瀬戸黒は茶碗が何点も展示されていました。割と小さめで、高台は低く半筒型が多いです。

黄瀬戸は緑の担礬(たんぱん)が特徴。黄瀬戸の茶碗は少なく花入れや鉢、皿が多かったです。

織部焼は織部が好んだところから織部焼と言う名前になったとか・・・ひしゃげた形で模様も幾何学的なものや、植物で、緑の釉がかかっていてすぐわかる陶器。もちろんん織部自身がデザインしたものもあるでしょう。

桃山時代は、茶道が盛んだったころなので焼き物も色々出てきたのでしょう。

長次郎の黒楽が唯一作者長次郎と書かれていましたが、あとは作者不詳のものばかりですが、無名のアーチストが沢山いたのでしょう。

最後のコーナーでは明治時代に桃山時代の陶器を再現した荒川豊蔵と加藤唐九郎の作品が展示されていました。
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

円山応挙から近代京都画壇へ展 @芸大美術館

2019-09-15 17:00:19 | 美術


ようやく秋らしくなってきたので、上野にでかけました。

応挙の植物、鳥、動物などの写生図鑑は素晴らしいです。実物をしっかりと観察する目を持っているのです。

京都大乗寺からの襖絵「松と孔雀図」は重要文化財。金色を背景に、墨で枝ぶりの良い松と孔雀が描かれています。
松の葉や、孔雀の羽に緑色が使われていますがあと墨絵。

晩年の「保津川図」もダイナミックでしぶきが北斎の波を連想させます。

かわいい動物図、子犬のほか、美人画も描いています。応挙の中国美人画に触発されて上村松園が素晴らしい美人画を描くようになったそうです。

応挙が京都で写生画を中心とした円山派を確立。これに続いて呉春・竹内栖鳳が四条派を新たに誕生させ、近世から近代へと日本画が発展していったのです。

余談ですが、私の干支は猿です。還暦の時、同じ猿年の母から幸野楳嶺の「猿」の軸を譲り受けました。幸野楳嶺という画家を知らなかったのですが、調べるとなんと竹内栖鳳の師匠と言うことが分かりました。
今日の展覧会に楳嶺の絵も3点出ていて、それを見るのも楽しみに出かけたのです。
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

誕生日会

2019-09-10 19:10:48 | 日記

主人と私は9月生まれ、いつも一緒に祝っていました。
娘と孫がケーキを持って来てくれました。上には私の名前入りのチョコレートが・・・
主人も遺影で参加。
♪Happy Birthday ♪の歌を歌って美味しくいただきました。
去年祝った時のことを思い出したり、主人の思い出などいろいろ話しました。
主人が亡くなって半年を過ぎ、私もようやく亡くなってしまったという事実を受容できるようになりました。
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

「お勅題」茶会

2019-09-08 13:55:01 | 茶道


毎年の歌会始「お勅題」にちなんだお茶会に行ってきました。今年のお題は「光」でした。
台風が近い蒸し暑い日です。

初めに入った席は「月の砂漠」の音楽がほのかに流れる中始まりました。流し点のしつらえです。 
水指は信楽のごつい四角形で口の周りにはひも通しがあり、金と銀のひもが通されていました。ラクダをイメージさせる趣向です。
風炉先屏風はカンバスに青で夜の砂漠のイメージです。
薄器はアラビアの錫製、お釜は望月釜。軸は「清風拂名月」。香合はトルコ製
何となくサハラ砂漠でラクダに乗った王子さまとお姫様を想像させます。

次に入った席はとても楽しい趣向でした。
新幹線の「ひかり」をテーマとしていて、入る前に指定券の切符が渡されます。
私の席は↑のようで、2C席、グリーン券の方もありました。
寄付きには東京駅の水彩画が飾られ、新幹線の模型が並んでいます。

本席に入ると立礼席で机には席の番号がありその席に座ります。
軸はは「万里一條鉄」。薄器は昔の駅弁についていた瀬戸物の蓋つき急須。お釜は車軸釜。
お菓子は初期の新幹線の形を模した練きり。
ご説明をされたご亭主は車掌さんになりきって「ご乗車有難うございます」で始まりました。
趣向を考えるとき、鉄道博物館に行っていろいろ学ばれたという気の入れよう。まるで茶人の鉄女。
最後は下足札の係の方が「ご乗車ありがとうございました。」との声が・・・

最後の席は「かぐや姫」をテーマとされていました。
御幸棚で結界には竹の筒をつなぎ合わせた手作りのもの。
軸は「歳月人不待」。香合はお姫様模様の貝合せ。花入れは鉈籠。
水指は葉蓋に使うものに扇を載せて蓋にしたもの。

各席とも「光」に因んだ趣向で、お道具の取り合わせに御苦心された様子が分かり、
こういうお茶会も楽しいと思いました。
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

一二三之式

2019-09-04 14:48:19 | 茶道




一二三之式を稽古しました。
予告なしに、ぶっつけ本番です。当てられた方は戸惑われたかもしれませんが、「本勝手 濃茶点前」をして下さるとのこと。
快く引き受けてもらえ嬉しかったです。

花月のように札で場所を決め、お菓子を頂いて入室。
お客様は帛紗も腰につけませんし、八畳のままです。

迎え付きで礼をしていよいよお点前。
皆様が注目の中お点前をします。お客様もしっかりと一つ一つの所作を目で追います。
所作のほかにももちろんお濃茶の味や練具合も・・・
亭主も客も緊張感が漂います。

飲み終わって総礼すると 十種香箱が配られます。その間も亭主は仕舞付けを。
拝見道具を拝見した後、十種香箱からお点前の採点の札を選び、香盆が回って来たら選んだ札を折据に入れ順に回します。末客は自分のも入れたら折据を開け、よい札順に並べ正客のところへ。
正客は皆さんの札を見たら十種香箱もそこに戻し、順に回します。末客はそれを通い畳に置きます。

亭主が入って結果を眺め、香盆を押し頂いて感謝を表し水屋へ。
送り礼で終了。

お点前を採点される方も緊張しますが、採点する方も一生懸命お点前を見るという勉強にもなったと思いました。
普段の稽古でお客になったとしても、そんなに一生懸命は見てないと思いますが、この式は正しい所作を再確認するという勉強になると思われます。
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする