宗恒の茶庭

「茶道 思いつくまま」や「和の美術」など

岸田劉生展 @東京ステーションギャラリー

2019-09-01 07:34:01 | 美術

没後90年記念の展覧会です。

明治初めはフランスの近代美術の追随の時代で、初期のころは風景画を水彩画で描いていますが、途中から油彩画になります。「橋」の水の表現はは印象派のモネ影響を受けていると感じました。

”劉生の首狩り”と言われるように、いろいろな人の肖像画を描き始めます。「画家の妻像」や「武者小路実篤像」は興味深いです。

自画像を沢山描いたのも劉生の特徴。面長で眼鏡をかけている像を見ると、若い時の主人の顔に似ているよう・・・(私の妄想か?)
デューラーの自画像を基に絵にデザイン化された「劉」という印を日本風に入れるようになります。

代々木近くの赤土の風景画も何枚かありました。「切通の写生」は重要文化財。

静物画も書かれていますが、陶器の表現はとても素晴らしいです。「壺」の壺の表現はとろんとした染付の陶器の肌感覚が良く出ています。

いよいよ「麗子像」のコーナーへ。
チラシの「5歳の麗子像」はクラシック風で、しっかりとしたタッチで写実に描かれています。
座した像、立ち姿像、水彩があり、木炭、コンテといろいろです。こんなにもたくさんの麗子像を一気に見られたのも初めて。

美術館展よりも、一人の画家に絞った展覧会は私は好きです。

コメント
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