宗恒の茶庭

「茶道 思いつくまま」や「和の美術」など

「お勅題」茶会

2019-09-08 13:55:01 | 茶道


毎年の歌会始「お勅題」にちなんだお茶会に行ってきました。今年のお題は「光」でした。
台風が近い蒸し暑い日です。

初めに入った席は「月の砂漠」の音楽がほのかに流れる中始まりました。流し点のしつらえです。 
水指は信楽のごつい四角形で口の周りにはひも通しがあり、金と銀のひもが通されていました。ラクダをイメージさせる趣向です。
風炉先屏風はカンバスに青で夜の砂漠のイメージです。
薄器はアラビアの錫製、お釜は望月釜。軸は「清風拂名月」。香合はトルコ製
何となくサハラ砂漠でラクダに乗った王子さまとお姫様を想像させます。

次に入った席はとても楽しい趣向でした。
新幹線の「ひかり」をテーマとしていて、入る前に指定券の切符が渡されます。
私の席は↑のようで、2C席、グリーン券の方もありました。
寄付きには東京駅の水彩画が飾られ、新幹線の模型が並んでいます。

本席に入ると立礼席で机には席の番号がありその席に座ります。
軸はは「万里一條鉄」。薄器は昔の駅弁についていた瀬戸物の蓋つき急須。お釜は車軸釜。
お菓子は初期の新幹線の形を模した練きり。
ご説明をされたご亭主は車掌さんになりきって「ご乗車有難うございます」で始まりました。
趣向を考えるとき、鉄道博物館に行っていろいろ学ばれたという気の入れよう。まるで茶人の鉄女。
最後は下足札の係の方が「ご乗車ありがとうございました。」との声が・・・

最後の席は「かぐや姫」をテーマとされていました。
御幸棚で結界には竹の筒をつなぎ合わせた手作りのもの。
軸は「歳月人不待」。香合はお姫様模様の貝合せ。花入れは鉈籠。
水指は葉蓋に使うものに扇を載せて蓋にしたもの。

各席とも「光」に因んだ趣向で、お道具の取り合わせに御苦心された様子が分かり、
こういうお茶会も楽しいと思いました。
コメント
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