富山きのこクラブの皆様へ
植物園の橋屋です。今年は暖かいためか、早くからツバキノキンカクチャワンタケが出ているようですね。
先月の薬勝寺池公園であった定点観察会で、ハンノキの花穂(昨年咲いた雄花の名残で、「ブドウを食べた跡の軸のよう」に見えるもの)から出たチャワンタケが見つかりましたが、その翌日には植物園で同じきのこを探そうと園内のハンノキの下をガサゴソした結果、今度はハンノキの果実(小さなマツカサから出た2ミリほどで平べったいもの、種子に見えるがこれがハンノキの果実)から出たチャワンタケを見つけました。
そこで、一昨日に青森であった青森きのこの会の勉強会に科学博物館の細矢さんが出られることから、金曜日に再度この小さなチャワンタケを採集し、フィルムケースに詰めて青森に持って行きました。
その場で種名はわからなかったものの、きのこは細矢さんが持ち帰られましたので、何時か返事があると思います。
皆さんの近くにハンノキがありましたら、ぜひ落ち葉をそっとめくって、チャワンタケを捜してみてください。
ハンノキの果実から出るチャワンタケは、径が1~3mmで、1つの果実から1~5本が束生しています。
また中田さんが有峰で採られたオドタケの複式標本(2つに分けた標本の一つ)も細矢さんに渡しましたので、この後はつくばの科学博物館に置かれるはずです。
これでほんのちょっぴりですが、科学博物館の富山県産のきのこ標本が増えました。
_/_/_/_/_/ 富山県中央植物園 橋屋 誠_/_/_/_/_/