富山きのこクラブの皆様
いろいろ、きのこ情報が送られていますが、皆様の調子は如何ですか?
5月15日昼過ぎに御鷹山へ山菜取りに行きました。
これといった収穫は有りませんでしたが…杉林の中にエツキクロコップタケが多数発生しておりました。径は5cmほど有り、初めてお目に掛かりました。
エツキクロコップタケ[Urnula craterium (Schw.) Fr.]
_/_/_/_/_/ Sola1one _/_/_/_/_/
富山きのこクラブの皆様へ
植物園の橋屋です。
このきのこは、柄の基部に黒褐色の毛のような長い菌糸が絡み合っておりましたでしょうか?
エツキクロコップタケはこの部分に毛のような菌糸が見られます。
富山県内でのエツキクロコップタケは、旧平村で採れたものを橋屋が報告していますし、その後岩森さんに教えていただいて八尾町の山間部の谷沿いで 採集しました。
これらの採集時の観察で、エツキクロコップタケが発生している材(広葉樹の落枝)は黒く、硬く変質(多分菌核化しているのだと思います)していま した。
今年も八尾町の発生場所へ出かけましたが、時期が早かったのか、材が腐朽しきったのか、発生は見られませんでした。
外見が似ている黒いロート状のチャワンタケとしては、柄の基部の部分に菌糸が見られない種類としてナガエクロチャワンタケ属のきのこがあり、大谷 吉雄先生の論文(1980)には日本産ナガエクロチャワンタケ属として3種が報告されています。この仲間だったら、面白い発見になります。
富山きのこクラブの皆様へ
植物園の橋屋です。
今日標本を見せていただきましたところ、柄の基 部付近には黒褐色をした馬の毛のような菌糸束が多く見られましたので、伊藤さんが書かれていた通り、このきのこはエツキクロコップタケであると同定 いたしました。
県内での本種の記録は、これまで南砺市(旧平村)上梨と富山市八尾町上笹原の2ヶ所しかありませんでしたので、今回伊藤さんが見つけられた場所が3 箇所目になります。
北陸では富山県以外に見つかっていませんが、石川県では似たクロユノミタケ(仮称)が金沢市街地で採集されているほか、今からの初夏にキツネノサ カズキという珍しい種類が何度も採取されています。
このキツネノサカズキはうすい茶色をして、アカマツの混じる雑木林の地上、腐植の上にチャワンタケを広げたような形で発生します。
_/_/_/_/_/ 中央植物園 橋屋 誠 _/_/_/_/_/
※コメント投稿者のブログIDはブログ作成者のみに通知されます