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リトル・チルドレン /Little Children

2007-07-31 11:11:31 | 劇場&試写★6以上

トム・ペロッタ原作のベストセラー小説を自らの脚色で映画化したドラマ。
監督は『イン・ザ・ベットルーム』のトッド・フィールド。

全映画賞で49部門ノミネート,11部門で受賞
という触れ込みも気になったし7月の観たい映画リストにもいれてたけど、
ありきたりっぽいタイトルと、チラシのケイト・ウィンスレットの写真から受ける印象、
"幸せ探し"というキーワードから
なんだか綺麗ごとを描くヒューマンドラマなのかなぁ??と思ってた。
これ、原題も"リトルチルドレン"=大人になりきれない子供"なのね。


郊外に夫と娘と何不自由なく生活している主婦サラは、いつも娘を遊ばせに来る公園での主婦付き合いに飽き飽きしていた。

時々姿を現す、息子を連れた“主夫”ブラッドは主婦達の話題の的であだ名は"プロムキング"
あるきっかけで話しをしてから互いの存在に興味を抱いた2人。
子供をダシにして市民プールで毎日会うようになる。

そんな中、子供への性犯罪で服役していたロニーが釈放され、街に帰ってくる。
ブラッドの友人で元警官のラリーはこれに過敏に反応して、ロニーと老母への執拗な嫌がらせを開始するが、、、、。



この作品、そんなわたしのイメージを払拭するようにところどころで
笑えるシーンが多い。  
この中では気持ちワルい変質者的な男が3人登場。
ケイト・ウィンスレット演じるサラの夫は真面目っぽい普通の男。なのに
自分の部屋では淫らなケイというネットサイトのグラマーな女にハマって
その女のパンティの臭いを嗅ぎながら、○○しちゃったりする隠れ変態。
ーこんな夫のシーン目撃したら、即離婚!!しない?普通。とか思ってしまうんだけど。

そんなサラは段々と現実の生活に嫌気がさしてきて、
話しの合うブラッドに夢中になっていき、
ブラッドもまた、自分より指導力ありバリバリ仕事をこなす完璧な妻が嫌になり
サラとの時間を大切にするようになる、、、、。

ベースにあるのは不倫。

この不倫相手がますます素敵に見えちゃう。(唯一、まともだし)
どこかで見た顔だぞ?と思ってたら、去年の今頃観た映画『ハードキャンディー』
痛い目にあった主演の男、パトリック・ウィルソンでした~。
『オペラ座の怪人』ではラウルを演じてたらしいけどそっちは印象薄いなぁ。




その不倫の話と同時進行で進むのが、この犯罪者を主軸にした話で、
母親と暮らし皿洗いさえしたことのないチャイルディッシュな男。
気持ち悪いの、この人が。
演じたのはジャッキー・アール・ヘイリー。
この演技でアカデミー賞にノミニーされただけあって上手くてハマってる!
不倫の話よりも、こちらの話が面白い。

サラは、おばさんたちとの集まりで話題が"ボヴァリー夫人"になったとき
自分の情事とそれを重ねて、
彼女の行為は裏切りじゃない。
現実の最悪な状況から抜け出したかった。


みたいな事を言う。
別の世界に足を踏み入れ、溺れていくのは罪ではないと主張し、自分の行為を正統化しようとする。
 
ケイト・ウィンスレット、濡れ場も披露して文字通り体当たり演技!
どんな理由でも、不倫というのは相手を裏切ってる行為だとわたしは思うし、
コソコソやってるなんて許せないし、サラの言う言葉も子供っぽくて自分本位な考えだと思う。

だから
サラには全く共感が出来ない。
普通は主人公に共感出来ないとつまらなく感じてしまうものだけどこの映画は違った。

共感はできないけど、作品としては楽しめちゃった

しっかりとした作りで、見せ方が面白い。
その犯罪者周りのエピソードも、どうなるのかという興味でひっぱられるし
この男に執拗に嫌がらせするもうひとりの気持ちワルい男との展開も面白い。

次第に、サラとこの孤独な男(犯罪者)との話がどう交わっていくのかー。
笑えるシーンもあるけれど、ちょっとグッとくるシーンもあったりして。

7/10

ただの幼稚で自分勝手な大人たちのくだらない映画、ととるか
意外と深みのあるヒューマンドラマととるか、
どちらかにわかれそうな感じもするけど、わたしは面白かった☆
共感出来ないのに楽しめちゃったのは、この映画のちょっと今迄にない独特な雰囲気のせいと
キャストたちのリアルな演技。
130分あるけど長さはそれほど感じなかったなー。けっこう見応えあるドラマ。
綺麗ごとを描いたありきたりの映画ではないのに、
一見するとそう思えてしまうのはもったいない、、、、、。
観て良かった☆興味ある人は是非 単なる不倫映画ではないよ



そうそう、今回もすごく良かったのが、ブレッドの完璧だけど仕切りたがりの妻を演じる
ジェニファー・コネリー。

その鋭い視線が怖いです。


  公式サイト
Little Children    2006年     アメリカ    130min
7月28日より、Bunkamura ル・シネマ、シャンテシネ他で公開中~  R-15
アカデミー賞3部門、ノミネート。
主演女優(ケイト・ウィンスレット)&助演男優賞(ジャッキー・アール・ヘイリー)&脚色賞



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ケイト・ウィンスレットの次回作は、
『アメリカンビューティー』でアカデミー賞受賞監督で夫のサム・メンデスの作品に出演。

タイトルは『Revolutionary Road』で、1961に発売されたリチャード・イエーツの小説が原作。
共演に 『タイタニック』以来の再タッグとなるレオ様ことレオナルド・ディカプリオ
(同じくタイタニックに出演したキャシー・ベイツも共演♪)


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