2014年9月2日
お母さんはね、あのショップの前を通る度に今でも胸がキューンとなるの。
昨日も久しぶりに前を通ったよ。
オレンジ色のノウゼンカズラの花が咲いていた。
確か 6年前の12月だった。
新しいショップの立ち上げスタッフの一員になったあなたは
毎晩帰りが遅かったけど、キラキラ輝いていた。
「お母さん、あのね、今度そこの店長さんになる人、とっても良い人だよ、
わたし、とても尊敬している。仕事への情熱がすごいんだよ」
「お母さん、ショップの前になんか木を植えるらしいよ、店長が決めたの」
やがてあなたと店長さんは恋人同士になって.....
お母さんにも紹介してくれたね、
あのときはうれしかった。
それからわずか1年ぐらいで別れて、あなたのさすらいが始まった。
ショップも辞めて、家には殆ど帰らず、話せばすぐに口論になって、
唯一気持ちが合うのはFUKUYAMAのコンサートに一緒に行ったときだけ。
あなたの輝きはすっかり消えうせて、心はすれ違うばかり。
腹立たしくて、悔しくて、寂しくて、悲しかった5年の月日。
今朝、もう帰ってくるから.....と疲れた声で電話があった。
あなたが経験したことはすべて無駄だったなんて、お母さんは言わない。
大切な時間だったのよ、
あなた達が植えたノウゼンカズラの木はたくましく大きくなっています。
花も咲いています。
きっと、きっと、また輝けるときがくるから、
顔を上げて、笑顔を見せてね。