Men's wear      plat du jour

今日の気分と予定に、何を合わせますか。 時間があれば何か聴きましょう。

H難度

2020-03-13 |  その他
20℃を超える日が出てきました。
冬のうちタイミングを逸してたのを、遅ればせながら投稿させて頂きます。



非常に難しいテクニックです。
前傾した腿の上の皿はすべるし、ましてシートステッキでバランスを取りながらとなるとかなりな技です。

更に難しいのは左の男性で、茶系の細かい柄のジャケットにグレーのパンツまでは良かったですが、ヘリンボーンにしなかったら今日でもお手本のようなコーディネートです。

服に興味を持ちはじめて暫くすると、いろいろ工夫してみたくなります。
その一つが、「普段グレー無地のパンツを合わせている柄のジャケットに、何か違うものを合わせられないか」という誘惑です。
なかなか魅力的な実験ですから、その誘惑にあらがえず何か買い足すことでしょう。
一番手っ取り早く思いつくのが、画像のような合わせです。

悪いとは言えませんが、より趣味の良い着こなしを目指す方には、やはり迷わず無地の中間的なグレーからライトグレーのレンジでちょっと違うのをお薦めします。
「それじゃ、持ってるのと同じ」という反応が予想されますが、まったく同じ生地でない限りジャケットと合わせた時に微妙に表情が変わります。
明るめのグレーを合わせた時にはジャケットの色が引き立ったのに、ある日それより少し濃いグレーを合わせただけでジャケットの色が沈んでしまった、なんて事はありませんか。

ちょっと脱線しますが、紺のブレザーにグレーのパンツという時代を超えたコーディネートを、その逆も可だろうという発想だと思いますが、グレーの上着に紺のパンツを合わせてしまうとまったく別物です。
グレー系の上着に紺のパンツという組み合わせは、日本人の陥りがちなものの一つで、よくよく注意が必要です。
今日ではもっと選択肢が増えて、妙な合わせにハマらないよう気をつけるのは更に難しいでしょう。

ただ上のイラストに関して言えば、パンツ以外靴もホーズもすべて完璧なことを考えると、フェロウズは敢えて承知で描いたかも知れません。
L.バルベラのコメントのように、「時にはセオリーをちょっと逸脱したところに、その人らしい着方が生まれる」場合がないこともないからです。
その場合も「他が完璧」というところが重要で、そうでないとただのトンチンカンと解される可能性のほうが高いでしょう。

あるいは当時の流行りというか、一般的な合わせだったかも知れません。
フェル・シャープが描いたイラストに、ネップの入ったホームスパンのジャケットにもっと大きいヘリンボーンを合わせたイラストがあります。
ここまで大きいヘリンボーンに柄物の上着では上下ガチャガチャして、最初のフェロウズの絵だったら文句ないじゃない、と言いたくなります。



カジュアルに傾いて構わなければ、コーデュロイや綿で起毛感のあるツイルも、ツィードにマッチした素材ですしこなれた感じがして良いものです。
またウールの方が扱いやすいという方には、前にも書きましたがカバート系と称される、キャバリーツイル、カバートクロス、ホイップコード、カルゼといった(どれがどれだか見分けがたいと思いますが)生地もおすすめです。

以上あくまで拘る方の場合ですが、パンツの合わせにももっと面白い選択肢があるかも知れません。
退屈だと感じる方は、ワナに気をつけてぜひ新しい合わせにチャレンジしてみて下さい。
最後に、フェロウズが描いた正調のコーディネートを。

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