Men's wear      plat du jour

今日の気分と予定に、何を合わせますか。 時間があれば何か聴きましょう。

服の行方

2020-03-23 |  その他

「鎌倉 瑞泉寺」

「ウグイス鳴いてます」と書いたからではないようで、奥様からOKが出たからとシャイな感じでお越し頂いた方がいらっしゃいました。
今時、ご亭主の着るものに理解を示してくださるとは、何とありがたいことでしょう。
こんな状況ですから、新型コロナに立ち向かってテンションが上がるくらい、期待を上回る服になればと思います。

江ノ島鎌倉を巡るついでに、カップルで寄ってくれた方もいらっしゃいました。
3時間くらい語り合ううちに、彼氏が着ていた昔の英国製Chester Barrieハイロール3Bジャケットを着させてもらうと、やはり分かってる人たちが作ったものは違うなと思います。
ハロッズや海外の紳士服店、ブランド物から仕立屋の既製服まで様々な店の注文に応えてきただけあって、既製品でこれだったら10人中8~9人は文句ないのではと思うくらい、イタリアの高級既製服にも通じる柔らかい着心地を備えていました。
昔試したとき感じた着心地の印象は、息子の代にイタリアで始めたD'avenzaや同等のイタリア製品ともども、今作るもののフィッティングの参考になっています。


1938年4月号Esquire掲載の広告

人に訊かれると「ポケットには出来るだけ物を入れないのが理想的」と答えておきながら、私のポケットはバッグ代わりでいっぱいだったりするのですが、男性はポケットに何も入れずきれいに着てらっしゃいます。

これを読んでくださるような方には蛇足ですが、突き詰めると生地だけでなく、やはり着心地やバランスにも拘るでしょうから、どちらが欠けてもその服はしだいに登板回数もへり結局処分される可能性が高くなるので、やはり数でなく質で揃えた方が将来的に良いワードローブになることを、そのジャケットは語っていました。

雑誌に連載されてる方が「そろそろピタピタのスーツも終焉を迎えているようだけど、流行りが終わった服はどうするんだろう」と面白く書いていらっしゃいました。
リサイクルの話で、昔からあるような細かく裁断して詰め物にしたり緩衝材にするような使い方でなく、ポリエステル系に限られるとは思いますが、再生繊維にして再利用という話も聞きます。
私共が普段扱う天然繊維とはリンクしませんが、将来ウールや綿も従来と違う発想で再利用の道が拓けるかも知れません。


1939年4月号Esquire掲載の広告
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