森岡 周のブログ

脳の講座や講演スケジュールなど・・・

日記:5月最終週

2010年06月02日 06時23分54秒 | 日記
しばらくブログの更新が滞っていました。
岐阜のPT学会以降。目まぐるしく時がすぎていました。
全国学会では今年は基礎系部会での司会と神経系のセッションの座長であり、
比較的平穏な時間を過ごしました。

基礎系部会では、体性感覚の再考を考える意味を提供したかったのですが、
レベルが少々高く、臨床への示唆の点で不十分だったかもしれません。
しかしながら、基礎~臨床が高速道路のようにつながってしまえば、
それは単純な思考回路を作ってしまうだけです。
ダイレクトな基礎研究はほとんどありません。
地道につないでいくだけです。
安易に簡単なほう(つまり臨床応用)に流されてもだめです。
医学を含めて、科学というのは、目に見える層(臨床研究)よりも
目に見えない層(基礎研究)が圧倒的に深いのです。
その深さに科学は裏付けられます。
表面だけのエビデンスにとらわれてしまうと、
困難に当たった時に何の解決の糸口も生み出しません。

今回、いくつかの臨床研究を聴いてて、それも思いました。
この質問をすれば、それは検討していません、であったり出てくるのだろうなと思ったり。

座長をしていて、これだけ演題が増えたけど、ノイエスな研究はどれだけだろう、と思い、
今が正念場なのかなとも思いました。

きちんと整理されている研究よりも、少々荒削りで落ち度はあるが、新しいものを提供しようとしている研究に未来を感じます。
理学療法学は治療学です。
評価にとどまらず、治療を吟味する基礎・臨床研究が求められると思います。
専門部会に移行し、学会手動で治療を吟味する、そういうことが大事だと思います。


学会より帰り、締切原稿を横目にみながら、授業・会議に出ずっぱりで、
院生の指導が不十分な毎日です。
知らないうちに6月です。
大学院生もそろそろ完了させるよう、進めていきましょう。
道が開けないと不安になりますが、それでもトンネルを掘り続けるというのが学習なのです。


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