先週末の実習指導者会議の金子学部長のお話から、今日の大学院教育学研究科の授業まで、いろんな視点から自己や学生(他者)を振り返る機会にもなりました。
金子先生からいただいたお言葉は写真の通りですが、先生の履歴はこだわり・固執なく、その環境に適応してきたんだなと思いました。大学への入学も内部進学。医師を目指したのも成り行き。生理学教室の門を叩いたのも物作りに興味があったため。網膜の研究を始めたのも師匠がそうだったから。ノーベル賞受賞者のハーバードのヒューベル先生のところに留学しても、ヒューベル達の勧めで視覚野を研究せずに、網膜の研究を続けたこと。などなど。その時々に、自己のやりたい事探し(自分探し)なんてことをせずに、ただその時々に出会った人を信頼し、その与えられた勉強や仕事を忠実に行っていく(流れにのっていく)。そして、与えられた仕事を全うし、そこには全力を傾ける(こだわる;あきらめない)というように。そうしたプロセスが人々の信頼を起こし、結果として仕事を成就させたのだと。
よく「自分探し」とかいいますが、僕はあまりその言葉が好きではありません。自我同一性(自分を知る)の意識とは人間としての自然な現象で、作為的につくりあげるものでもありません。作為的に意識しすぎると、同一性拡散(自己喪失感)が起こってしまうと思っています。昨日の2回生の授業、今日の3回生の授業では、試験前の彼ら彼女らにそのようなメッセージを残しました。僕自身は、こだわるのは自分自身の仕事(成果)であって、自分の環境やライフスタイルという抽象的なものではないと思っています。むしろ、それは流れに乗ります。それにこだわりすぎると、些細な情動を抑制できないためです。固執は前頭前野の働きを弱め、期待値を低下させ、ストレス・痛みに弱い心をつくってしまいかねません。
しかし、側抑制へのプロトン関与の証明だけでなく、ヤング、ヘルムホルツの三色説を神経生理学で証明してたなんて。。あらためてすごい人が側にいると思いました。。襟が正されっぱなしです。
http://www.kio.ac.jp/faculty/grad-school-health/