中学入試・算数の小部屋

中学入試に出される算数の問題は、一般の人にとっても、なかなか良くできた脳トレです。

2012年中学入試算数・法政大学中学校6番

2012年08月03日 | 中学受験算数・問題
ある山には、山頂まで続く3人乗りと4人乗りの2種類のリフトがあります。どちらのリフトも同じ道のり、同じ速さで、10秒間隔で同時に出発します。
いま、ある団体がリフトを使ってできるだけ早く山頂まで登ります。最初の人が乗った瞬間から全員が山頂まで着くまでに、3人乗りのリフトだけ使うと12分かかり、4人乗りのリフトだけだと10分かかります。ただし、どちらの場合も最後に使用したリフトまで空席がないものとします。
このとき、次の問いに答えなさい。

(1)この団体の人数は何人ですか。

(2)3人乗りと4人乗りのリフトを同時に使うと、何分何秒で山頂に着きますか。

2012年6月2日・日能研全国公開模試5年算数・7番・解説

2012年06月17日 | 中学受験算数・解き方
3人とも同じ個数を買っているので、買い方による金額の違いを書き出してしまいます。

みかん(個) りんご(個) 合計金額
12      0      600円
11      1      640円(40円上がります。以下同じ)
10      2      680円
 9      3      720円
 8      4      760円
 7      5      800円
 6      6      840円
 5      7      880円
 4      8      920円
 3      9      960円
 2     10     1000円
 1     11     1040円
 0     12     1080円

(1)の条件がありますから、それぞれの金額の1.25倍も求めましょう。
40円の1.25倍の50円ずつ上がりますからこれも簡単に書き出せます。

合計金額   1.25倍した金額
 600円    750円
 640円    800円(50円ずつ上がります。以下同じ)
 680円    850円
 720円    900円
 760円    950円
 800円   1000円
 840円   1050円(上限1080円ですからここまで)
 880円
 920円
 960円
1000円
1040円
1080円

上のリストの左右両方にある金額を見つけます。
800円 1000円の二つです。
ですから(1)の条件の2人の合計金額は640円と800円、または800円と1000円のどちらかと分かります。

(その1)640円と800円の場合
その二人が買ったみかんの個数は最初の表から11個と7個です。
その時、(2)から、もう一人が買ったみかんの個数を求めます。
11-7=4(条件に合います)
11+7=18(12を超えていますから条件に合いません)

(その2)800円と1000円の場合
その二人が買ったみかんの個数は最初の表から7個と2個です。
その時、(2)から、もう一人が買ったみかんの個数を求めます。
7-2=5(条件に合います)
7+2=9(条件に合います)

以上をまとめると(その1)から1通り、(その2)から2通りが求められます。
それぞれ計算すると次のようになります。

11+7+4=22
7+2+5=14
7+2+9=18

答え 14または18または22




2012年6月2日・日能研全国公開模試5年算数・7番

2012年06月06日 | 中学受験算数・問題
あるお店では、みかんを1個50円、りんごを1個90円で売っています。あきら君、かずこさん、さとる君の3人はそれぞれ、このお店でみかんとりんごを合わせて1人12個ずつ買いました。
3人の代金の合計や果物の個数を比べると、次のことがわかりました。

(1)ある1人の代金の合計は、別の1人の代金の合計の1.25倍である。

(2)ある1人(上の「ある1人」と同じ人とは限りません)が買ったみかんの個数は、別の2人が買ったみかんの個数の合計に等しい。

このとき、3人合わせてみかんを何個買いましたか。考えられるみかんの個数の合計をすべて求めなさい。ただし、答えに単位をつける必要はありません。

2012年鴎友学園女子中学校(第2回)3番・解説

2012年05月11日 | 中学受験算数・解き方
(第1段階)
まず、この三角すいをふったときに、1回で何個のあめ玉がもらえるかを調べます。
1+2+3+4=10で、このうちのひとつの数字が見えなくなるのですから、10-1=9、10-2=8、10-3=7,10-4=6の計算から、9個か8個か7個か6個もらえると分かります。

(第2段階)
上で分かった4つの数字を3個足して23にすれば問題の条件をクリアできます。
まず合計が23になる組合せを考えます。
その1 (9、9、5)
と行きたいところですが、5は上の数字に含まれませんからダメです。
ですから、その1は次のようになり、そのまま続きを書き出すと以下のようになります。
その1 (9、8、6)
その2 (9、7、7)
その3 (8、8、7)
「大きい順に書き出す」と決めておけば、重複がなくなり、みつけやすくなります。

(第3段階)
それぞれの数字の組から何通りできるかを考えていきます。
その1からは、3つを並べる順列の考え方で、3×2×1=6通り
その2は1つだけ異なる数字が含まれているので、この数字が1回目に出るか2回目に出るか3回目に出るかで3通りになります。
その3もその2と同じ考え方で3通りになります。
以上を足して6+3+3=12

答え 12通り

2012年鴎友学園女子中学校(第2回)3番

2012年04月26日 | 中学受験算数・問題
どの面も正三角形である三角すいがあり、4つの面には、1から4の異なる数字がひとつずつ書いてあります。この三角すいをサイコロのように1回ふったとき、見えている3つの面に書かれた数字の和だけあめ玉をもらえます。3回ふったとき、合計23個のあめ玉をもらえる場合は何通りありますか。

2012年市川中学校(第1回)6番・解説

2012年02月09日 | 中学受験算数・解き方
(1)分かることは次の通りです。(カッコ内はその根拠)

5人が全長12kmを走った。
12時に全員同時にスタートした。
A、B、C、Dの4人は一定の速度のまま走った。(結果1)
Cのタイムは55分。(結果2)
ACBの順に速かった。(結果3と結果5)
DはBより速かった。(結果4)
EはAより遅かった。(結果7)
ビリは二人以上いる。(結果8)

以上をまとめると順位で分かることは次の通りになります。
速い順にACB
DはBより速かったのでビリではない。
すると、ビリになったのはBとEということになります。
(1)答え BとE

(2)実際の速さが必要ですから、今度はタイムを考えていきましょう。
Cが55分。
AとBの時間の平均はCのタイムになる。
BとEは同じタイム。
つまり、AとEのタイムの平均もCのタイムになるということです。
(結果7)より、AとEのタイムの比は1:1.2=5:6ですから、その平均は(5+6)÷2=5.5です。
これが55分なので55分÷5.5×6でEのタイムが求められます。
計算すると60分になります。
Eのタイムは60分です。
これと(結果6)から、(2)が解けます。
分速(【ア】-10)mで走った時間は12時20分から12時40分までの20分間ですから、この間も分速を10m下げずに走れば、つまりずっと分速【ア】mのまま走っていればゴールより先に10m×20分=200mまで進めたということになります。(実際に解く時は面積図を使うと分かりやすいですね)
つまり分速【ア】mのままなら、12000m+200m=12200mを60分掛かって進めるということですね。
12200÷60=203と1/3
(2)答え 203と1/3(203と三分の一)

(3)BとEはタイムは同じでしたね。60分です。
12000m÷60分=200m
Bは分速200mです。
スタートしてから20分間はEが分速(203と1/3)mで走ったので(203と1/3-200)×20分=200/3(三分の二百)
つまり、12時20分にはEがBの前方(200/3)mにいるということです。
この時点からEは分速を10m下げますから、旅人算で解きます。
Eの新しい分速(203と1/3)-10=193と1/3m
二人の距離の差は200/3mですから、次の式ができます。
200/3÷(200-193と1/3)
計算すると10分です。
12時20分の10分後に追いぬくということです。
12時20分+10分=12時30分
(3)答え 12時30分

2012年市川中学校(第1回)6番

2012年02月01日 | 中学受験算数・問題
A、B、C、D、Eの5人が全長12kmのマラソン大会に出場しました。
5人はちょうど12時にスタートし、次のような結果になりました。
このとき、あとの問いに答えなさい。

(結果1)A、B、C、Dの4人は、それぞれスタートしてからゴールするまで一定の速さで走った。
(結果2)Cは12時55分にゴールした。
(結果3)Aが走った時間とBが走った時間をたすとCが走った時間の2倍に等しかった。
(結果4)DはBよりも分速20m速かった。
(結果5)AはBよりも速く走った。
(結果6)Eはスタートしてから12時20分まで分速【ア】mの一定の速さで走り、12時20分から12時40分までは分速(【ア】-10)mの一定の速さで走り、12時40分以降は、再び分速【ア】mの一定の速さで走り、ゴールした。
(結果7)スタートしてからゴールするまでに、EはAよりも1.2倍の時間がかかった。
(結果8)最後にゴールした人は1人ではなかった。

(問い1)最後にゴールした人をすべて答えなさい。
(問い2)【ア】にあてはまる数を求めなさい。
(問い3)EがBに追いぬかれたのは、何時何分でしたか。

2012年浦和明の星女子中学校(第1回)5番・解説

2012年01月26日 | 中学受験算数・解き方
(1)
ある数をAとすると次のことが言えます。
0×A=0
1×A=A
なので、答えは0と1です。
「そのような数を全て答えなさい」ではなく、「そのような数は2つあります」となっているところに、この中学の優しさを感じますね。

(2)
(1)の結果を踏まえると、積の1の位が1になるのは3×7=21(7×3=21)しかないので、答は(3,7,1)
以上で終わりです。
少し補足すれば、残るのは偶数の1枚とありますから、奇数は全部使います。
1は奇数ですが、最初の積を作る数には使えないので、かけ算の結果の1の位が1になるものを探せば良いということです。それが一つしかないから、この3枚1組は必ずどの場合にも必要になるということです。

こう考えてみると、正答率は高かったかもしれませんね。

2012年浦和明の星女子中学校(第1回)5番

2012年01月25日 | 中学受験算数・問題
次のように、数が書かれた10枚のカードがあります。
【0】【1】【2】【3】【4】【5】【6】【7】【8】【9】

この10枚のカードから2枚を選んで取ります。そして、2枚のカードに書かれた数の積を求め、その一の位の数が書かれたカードも、残った8枚の中から取って、3枚1組を作ることを考えます。
例えば、【2】と【6】を取ると、その積は12で、すでに【2】が取られているので3枚1組を作ることができませんが、【3】と【8】を選んで取ると、その積が24なので、さらに【4】も取り、(【3】【8】【4】)という3枚1組を作ることができます。
このように、10枚のカードから3枚1組を作り、残ったカードでも同じように3枚1組を作っていき、3枚1組が3組作れるようなカードの選び方を考えます。このとき、カードは1枚残ります。

(1)積を作るための2枚のカードの中の1枚に、ある数が書かれていると、他の1枚がどんな数のカードであっても3枚1組を作ることができません。そのような数が2つあります。それを答えなさい。

(2)3枚1組を3組作ったところ、偶数のカードが1枚残りました。このとき作った3組の中には、ある3枚1組が必ず含(ふく)まれています。その3枚1組を答えなさい。ただし、積を作る2つの数は小さい順に書きなさい。

昌平中学校・2012年第1回3番・解説

2012年01月12日 | 中学受験算数・解き方
この問題を算数として解くのに必要な知識は次の通りです。
植木算
過不足算
この2つの知識をうまく融合させています。

(1)解説
これは植木算の基本で解けます。
24÷3=8(間の個数)
両端には植えないので木の本数が間の個数より1少なくなります。
8-1=7
答え 7本

(2)解説
これには過不足算の知識が必要です。

過不足算でよく出されるのは次のような形です。
『子供が何人かいて、一人に6個ずつキャンディーを配ると3個余るが、一人に8個ずつ配るには5個不足する。では子供は何人か』
これを解くときは、(全体の必要数の差)÷(一人分の個数の差)で子供の数を求めます。全体では3+5=8個の差が生まれる。一人分の差は8-6=2個。なので、8÷2=4で、子供の数は4人となります。

この問題と昌平中の入試問題とを比べてみましょう。
上の問題で子供の数にあたるものが、昌平中の問題ではサクラの木の間の個数です。
一人に配るキャンディーの個数にあたるものが、一つの間に必要なツツジの木の本数です。
一つの配り方は一つの間に7本のツツジを植える。つまり子供一人あたりキャンディー7個を配るということです。
するともう一つの配り方の個数が必要だと分かりますね。
それは6mおきに植える時の一つの間に植えるツツジの本数です。
(1)と同じように次の式で求められます。
24÷6=4 4-1=3本
キャンディーで言えば、一人に3個配るということにあたります。
では全体の必要数の差はいくつでしょうか。
16+16=32本です。
キャンディーで言えば、全体で32個の差があるということです。
以上をまとめて、サクラの木の、間の個数が求められます。
32÷(7-3)=8個

ここでまた植木算の知識を使います。
1周に植えるときは間の個数と木の本数は等しいという知識です。
ですからサクラの木は全部で8本あると分かります。
答え 8本

(3)解説
24m×8=192m
答え 192m

(まとめ)
分かりにくかったかもしれないので、キャンディーの例と昌平中の問題との比較を簡単にまとめておきます。

全体の差
キャンディーの例・・・・・3+5=8個
昌平中の入試問題・・・・・16+16=32本

一つあたりの差
キャンディーの例・・・・・8-6=2個
昌平中の入試問題・・・・・7-3=4本

求められるもの
キャンディーの例・・・・・子供の数(8÷2=4人)
昌平中の入試問題・・・・・サクラの木の間の個数(32÷4=8個)


昌平中学校・2012年第1回3番

2012年01月11日 | 中学受験算数・問題
ある池の周りに、24mおきにサクラの木が植えてあります。このサクラの木の間にツツジの木を植えるために、ツツジの木を何本か用意しました。ツツジの木を3mおきに植えると16本不足し、6mおきに植えると16本余ります。ただし、サクラの木と同じ場所にツツジの木は植えないものとします。
これについて、次の問いに答えなさい。

(1)24mはなれた2本のサクラの木の間に、3mおきにツツジの木を植えます。このとき、ツツジの木は何本必要ですか。

(2)サクラの木は全部で何本植えられていますか。

(3)この池の周りの長さは何mですか。

帝京大学中学校2011年2番(5)・解説

2011年09月20日 | 中学受験算数・解き方
Aの部屋の虫はBの部屋にしか移動できません。
Bの部屋の虫はAまたはCの部屋にしか移動できません。
Cの部屋の虫はBの部屋にしか移動できません。

そして最初は各部屋に10匹ずつで、2秒ごとに別の部屋に移動していくことになりますから次のようにまとめられます。

ここでの整理のポイントはA・Cの部屋を一緒に考える(あるいはB以外の部屋と考える)ということです。

      AかCの部屋にいる虫  Bの部屋にいる虫
0~2秒      20匹        10匹
2~4秒      10匹        20匹
4~6秒      20匹        10匹
6~8秒      10匹        20匹
8~10秒     20匹        10匹
10~12秒    10匹        20匹

以下、この繰り返しになります。
開始秒が4の倍数の時AかCの部屋にいる虫の合計は20匹です。
開始秒が4の倍数でない時AかCの部屋にいる虫の合計は10匹です。

55秒は54~56秒に含まれますから、開始秒は4の倍数ではありません。
つまりAかCの部屋にいる虫の合計は10匹です。
問題では、この時、Aの部屋には7匹の虫がいたとありますから、Cの部屋には3匹の虫がいました。
そしてBの部屋には20匹の虫がいました。

こうして説明を聞けば実に簡単な問題ですね。

帝京大学中学校2011年2番(5)

2011年09月11日 | 中学受験算数・問題
3つの部屋に分かれた虫かごに、ある虫を入れて観察しました。
(図は省略。ABCの3つの部屋がこの順番に左から横に並んでいます。AとBの間に出入り口、BとCの間に出入り口。それ以外には出入り口はありません。)

この虫は2秒ごとにとなりの部屋に移動します。
3つの部屋に10匹ずつの虫を同時に入れるとはじめの2秒間は最初に入れた部屋にいて、その後移動しました。

虫を入れて55秒後、Aの部屋に7匹の虫がいました。このときBとCの部屋には、それぞれ何匹の虫がいましたか。


























春日部共栄中学校・2009年2番(2)・解説

2011年08月25日 | 中学受験算数・解き方
1匹の生物が1日毎に2倍になったり3倍になったりを繰り返しながら20736匹になる日数を考えるわけです。
ここで問題をよく読むと、気温が10度以下の日は2倍で、それ以外の日は3匹に分裂するという条件になっています。つまり1日あたりに増えるのは必ず全体の2倍か3倍にしかならないということです。この条件が無いと、訳が分からなくなってしまいます。

では考えていきましょう。
最初に1匹いるとして、1日目にこれが2倍になったとします。すると2匹になりました。その次の日はそれぞれが2倍か3倍になるのですから、2匹全体が2倍か3倍になるということですね。
つまり1から始めて2倍か3倍をどんどん繰り返しながら20736になるには何回掛けたらよいかを求めるということです。
下のような式ができてきます。
1匹×(2×2×・・・・×2)×(3×3×・・・・×3)=20736匹

これを見れば20736を素因数分解すれば良いのだと気が付きますね。
素因数分解すると次のようになります。
20736=2×2×2×2×2×2×2×2×3×3×3×3
2倍になる日が8回、3倍になる日が4回でちょうど20736匹になります。
かけ算だけの式ですから2や3の順番はどう入れ替わっても答えに変わりはありませんね。
8+4=12
答は12日目です。

春日部共栄中学校・2009年2番(2)・問題

2011年08月23日 | 中学受験算数・問題
ある生物は、1日で1匹が3匹に分裂します。ただし、気温が10度以下になると1匹は2匹にしか分裂できません。
その生物が1匹から20736匹になるのは何日目ですか。